若返りの桃
あれから一週間が経つ。
そろそろ帰って来てもおかしく無いのだが。
まぁ、そのうち帰ってくると1人で街を歩いていると前から歩いてくるのは、
「よぉ!帰って来たぞ」
「ただいまー」
と遠くから歩いて来ているが、なんかおかしい?
「ん? あいつら若くなってないか?」
「ほ、本当だ! なんか若いかも!」
と騒いでいると、
「よう! 久しぶりすぎて俺の顔忘れたか?」
と若いミリオン、
「いやぁ、25階層まで行って来たよ」
若いシンドゥ。
「お前らどうしたんだ?」
「なにが?」
「俺らが何か?」
(クッソめんどくさいが聞かないと始まらないからな)
「お前らなんで若返ってんだ?」
「そうかな? どう思う?」
「いや、変わんないんじゃ無いかな?」
「……めんどくせぇ」
「あ! んなこと言うなよ!」
「そうだぞ! 大変だったんだからな!」
「んじゃ話せよ!」
「あれはだな……」
ーー
「美味っ! なんだこの桃!」
「すげぇ美味えじゃねぇか!」
とまるまる一個食べて種だけになった『蟠桃』
だったが、
「う、あがががが」
「いだ、身体があづいぃぃ」
とのたうち回る2人。
1日程苦しみ疲れ寝てしまった俺らだったんだが。
起きると身体が軽く無精髭もなくなっていた。
ーー
「若返ってんだよ。俺ら2人とも」
「流石に最後の一つは食べられなかったがな」
「……それ見せてみろ」
「ほれ、この桃食うとまじ美味いけど、激痛だからな?」
『蟠桃』……一つ食べると10若返ると言われる幻の桃、錬金術にも用いられる。
「はぁ、10若返ってんじゃん。効果も確認しないで拾い食いするなよな?」
「まじか!」
「そうなんだ。って事は俺、26歳?」
「んじゃ俺は24歳だな」
と笑ってる2人。
「みんなになんで報告するんだ? 若返るってなったら……」
「こ、怖い事言うなよな」
「そ、そうだよ」
「後何個持ってんだ?」
「残り1個」
(はぁ、なんて最悪なパターンだよ)
「最悪殺し合いだな」
「か、隠そう!」
「だな、残り一個は持っててくれるか?」
「そうだな、練金に使っていいか?」
「「おう」」
その後は喫茶店に入り話を聞くと、5階層毎にボスが出て来て25階層でようやく終わったらしい。
「へぇ、裏ダンジョンだったのか。他に何かなかったのか?」
「あったぞ、他にはコレとコレとコレと……」
『鑑定』して行くと、
『オリハルコンのインゴット』×3
『アダマンタイトのインゴット』×4
『透明梨』……食べると透明になれる。(錬金可)
『空色杏』……食べると空を飛べる30分(錬金可)
「ほう、この梨と杏は俺が買い取るよ」
「なんに使うんだ?」
「ん? 錬金術でちょっとな」
まだレシピがないからなんに使うかわからないがな。
「後のはなんだ?」
「オリハルコンとアダマンタイトだな。武器でも作って貰えば?」
「おぉ! すげえじゃねーか!」
蟠桃と素材の二つはミスリル硬貨一枚と交換した。
「やっばいの持ってるな! ミスリル硬貨なんか初めてみたぞ」
「な! こいつ金持ってんだよ」
とバカ丸出しだな。
「それよりどうすんだ?」
「ん? なにが?」
「若返ったことだよ」
「あぁ、もうそのまま言うしか無いだろ? 桃も持ってないしな」
(それで済めばいいけどな)
宿に戻る。
怖いが、こいつらの変わった所はもうしょうがないので、隠せない。
「おか、え、り?」
「え? なんで?」
「どうした……は?」
まぁ。そう言うリアクションになるよな。
「いやぁ、裏ダンジョン見つけて、そこにあった桃を食ったら、10歳若返った」
「……は?」
「『蟠桃』ってやつらしい。それ食って若返ったらしいぞ?」
「はぁぁ? まだあるんでしょうね?」
「あるわけないだろ? 2人で食っちまったよ」
ウィッシュが言うが、無いものはない。
「おばか! どんだけ価値があると思ってんのよ!」
「はぁ、若返る桃」
「え? じゃあ2人は?」
「俺が24でシンドゥが26だな」
「ほっ……ギリギリ年下で良かった」
とウィッシュが言う。
「本当に若くなったのね? またあるかもしれないから何階層なの?」
「27階層あたりだったな?」
「よし、善は急げよ! 明日からね?」
「「「「「了解」」」」」
「え? 俺たち今帰って」
「大丈夫よ! 案内するだけでいいんだから!」
(気の抜けたミリオンとシンドゥは笑えたな。こうなる事は必然だろ?)
宿の酒場のテーブルにつくと、
「やってられるか! 俺は明日行かねーぞ!」
「いいわよ。シンドゥはいくわよね?」
「もちろんっす」
コーラリスに言われてNOと言えないシンドゥ。
「クソッ! 俺も行くよ!」
「それじゃよろしくね」
と簡単にあしらわれる。
俺は早めに上がって錬金でスフィアボールを作ってみる。
出来上がったのは『収納』のスフィアボール。
俺はもう一度本を読んで収納を二つにしただけだ。
さすがに上・下巻をみるのは疲れたが一回読んでるからな。
本をもう一度読めば増えるのも分かったし、このスフィアボールは丸尾さんにあげよう!
さて、ほかの物は錬金術でどうなるかだな。
まずはレシピを探さないとな。
スフィアボール製作の様に何を使うかが分からないと作れない様だし。
(古本屋にあればいいが、なかったらダンジョンを攻略した後にでも探しに行くか!)
王城の書庫でレシピも探すんだったな。




