新装備
さて、俺たち『カリーナ』は新装備になった。
宿の裏庭でみんなに渡すと、
「この『フレアアックス』かっこいいですね」
「いやいや、私の『黒風の杖』はどうみても1番でしょ?」
とアリアとテレサが自慢してるが、
「えへへ、僕の『青雷』が一番です」
と小声で言ってくるミント。
「はっ! やっ!」
と使い心地を確かめるレティーは『フリジット』と言うだけあり、銀色の雪の結晶が舞っている。
俺の『アクセルダンス』も腰に装備しているし、中々いい武器が揃ったな。
装備をして宿の中に入ると、リシアがお茶を飲んでいたが、新装備の俺たちを見ると、テレサの杖を奪い取ろうとする。
「私の『カトレア』よ!」
「違います! 『黒風の杖』です!」
とりあえずリシアを引き離すと、
「狡い! どこで買ったの?」
と今度は俺に詰め寄る。
「あー、『錬金』でちょっとな」
「なら私の『フェルナンド』もやって!」
「分かったから、どんな感じがいいんだ?」
「『フェルナンド』は炎がよく似合いそうね」
「ハイハイ、んじゃ出して」
と出して貰うと赤いの魔石のついた杖をテーブルに出す。
もう朝飯の時間は過ぎてみんな出払っているのでここでいいか。
『錬金』し始めると赤い魔石は紅に代わりトレントの木で出来た杖部分は白くなり、『太陽の杖』になる。
「『フェルナンド』がパワーアップした! ありがとう」
「どういたしまして」
抱いている杖だが、テレサの杖も狙っているので、
「あれはテレサのだからな?」
「……分かった」
となんとか諦めさせる。
ようやく上に上がり部屋に戻ると何故かみんなも俺の部屋に来て、新しい武器の手入れをし始める。
「なぁ、俺の部屋狭いんだが?」
「いいじゃないですか。邪魔はしませんから」
と言われるとまぁ、しょうがないか。
昼になり下の食堂に行くと、リシアが杖を自慢していたのでわからないように外で食べようとするが、
「あ! ケント! 逃げるな!」
とウィッシュに見つかってしまう。
「はぁ、分かったがあとでな?」
「私は回復がいいな!」
「私は支援魔法が強くなれば」
と2人とも自分の得意なほうに寄せたいらしい。
「俺のミスリルソードも頼む」
「わかった」
と結局全員の武器を『錬金』する事になったな。
『聖母の杖』……回復特化の杖。回復率を向上させる。
『策士の杖』……支援に特化した杖。継続率を高める。
『雷の剣』……雷を纏った剣。敵を麻痺させる効果を持つ。
作ったら奪うように取り上げて自分の杖を磨き出す。
まぁ、気に入ったのならいいんだが。
「それにしても凄いな、属性武器なんて初めてだ」
「そうね、ありがとうケント」
「いいよ、こうなるだろうとは思ってたしな」
サッサと済ませて、昼を食べる。
「お前らタダだと思ってないだろうな?」
「「「え!」」」
「あのな? ちゃんと払うもん払って貰うからな?」
「い、いくらくらい?」
「そうだな、金貨100枚!あとはアクセサリーも一つ金貨5枚だな」
「ほっ、それなら大丈夫、安いもんよ」
「だね」
(余裕があるな? もうちょっと取れば良かったか?)
「まぁいいや。それでもこれからは少し高くするからな!」
「了解」
リシアが言う。
「ケント、俺は少し待ってくれるか?」
「あぁ、剣作って貰うんだもんな。まぁ、いいぞ」
「ありがとう! さすがケントだな」
(まぁ、ミリオンはしょうがないか)
試したいのでギルドに行ってみる。
「あ、ちょうど良かった! あのですね」
「待て待て、何がちょうどいいんだよ!」
「ぁ、すいません。でも、ちょうどAランクの依頼が入って来てて」
とミザリーが言う。
「はぁ、どんな依頼だ?」
「森の賢者、老狒々王の討伐依頼です」
「老狒々王? どんなモンスターだ?」
「狡猾で残忍、手下のゴブリンモンキーを従えて村を襲う卑怯なモンスターです」
「ほう、襲われた村があるのか?」
「はい、ここから北西の町、サーヤという町が襲われたようです。できるだけ早く対処お願いします」
ミザリーが頭を下げてくる。
「寝ぐらは分かってるのか?」
「その町を占拠してるようです。卑怯なのでくれぐれも注意してください!」
「わかった、依頼を受けるよ」
(これはしょうがないな)
「ありがとうございます!」
「俺らも行くぞ?」
「ミリオン達も? なら合同で受けるぞ」
「はい、分かりました。『カリーナ』と『ライズ』のみなさんですね」
「お前ら『ライズ』ってパーティー名にしたのか?」
「おう、いい名前だろ?」
「昇るか、まぁいい名前だな」
まぁこれからのパーティーだし、いい名前だな。
サーヤの街まで馬車を依頼に行くと、
「おぉ、ケント様じゃないですか!」
「おぉ、ヘンドリック! 久しぶりだな」
と馬車屋でヘンドリックと再会する。
「私は結局、また王国からノセックの街までの乗合馬車をやってますよ」
「なんだ、そうなんだな。てっきりもっと長距離かと思ったわ」
「いや、途中が怖いんで、やっぱりやめたんですよ。ケント様やミリオン様達との盗賊なんかで懲りました」
(まぁ、あの時は俺らがいたからいいけどな)
「ならヘンドリックに頼もうか」
「へ? なんですか?」
「行くぞ! サーヤの町まで」
(まぁ、後で話せばいいだろう)




