↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たからしまのちズ  作者: まろやかポン酢風味
7年前の事件
PR
67/88

深夜の多嘉良川

※ 樋門(ひもん)とは:(Google検索(けんさく)より)


樋門(ひもん)とは、堤防内(ていぼうない)(もう)けられた水路(すいろ)で、ゲート((とびら))を()ち、堤内地(ていないち)からの雨水(うすい)生活排水(せいかつはいすい)本川(ほんせん)(なが)()るのを(たす)け、同時(どうじ)洪水時(こうずいじ)本川(ほんせん)(みず)堤内地(ていないち)逆流(ぎゃくりゅう)するのを(ふせ)施設(しせつ)です。通常(つうじょう)断面(だんめん)(おお)きく箱型(はこがた)などの構造(こうぞう)樋門(ひもん)比較的(ひかくてき)(ちい)さく(まる)管状(かんじょう)のものを樋管(ひかん)()び、機能(きのう)(おな)じで規模(きぼ)区別(くべつ)されます。堤防(ていぼう)分断(ぶんだん)して開水路(かいすいろ)(もう)けるものは水門(すいもん)()ばれ、樋門(ひもん)とは区別(くべつ)されます。


この物語(ものがたり)では、団地側(だんちがわ)にあるのは親水用水路(しんすいようすいろ)につながる水門(すいもん)とその(うえ)(ひと)(とお)れるようにした水門橋(すいもんばし)。その反対側(はんたいがわ)にあるのは堤防(ていぼう)貫通(かんつう)して上宝田方面(かみたからだほうめん)用水路(ようすいろ)とつながっている樋門(ひもん)です。


その()(ばん)玲也(れいや)はいつにもまして(ねむ)れなかった。もんもんと(かんが)えてしまう。なぜ4(にん)()んだのか、(かれ)らはなぜ(おぼ)()ぬことになったのか、(かれ)らは(だれ)なのか、川村(かわむら)さんのお(かあ)さんと(かか)わりがあるのだろうか。日中(にっちゅう)(はな)()った内容(ないよう)(あたま)(なか)浜辺(はまべ)(なみ)のように()せては()き、()いては()せてくる。それがずっともやもやしていて、夕飯(ゆうはん)のときも(うわ)(そら)母親(ははおや)心配(しんぱい)されもした。物心(ものごころ)がついた(ころ)からこんな調子(ちょうし)なので、こればかりはどうしようもないのだ。(ねむ)れないからと()って(とこ)から()()にもなれないし、(とく)尿意(にょうい)(もよお)したわけでもない。今夜(こんや)はいつにもまして寝苦(ねぐる)しいというのも()るが、扇風機(せんぷうき)がタイマーで停止(ていし)してしまったので一気(いっき)(あせ)()てきて、その(あせ)がベトベトして寝苦(ねぐる)しいということもある。


()ても()ってもいられなくなってきた玲也(れいや)はやおら()()すと、半開(はんびら)きの(ふすま)全開(ぜんかい)にして廊下(ろうか)()る。廊下(ろうか)(はさ)んで()かい(がわ)()両親(りょうしん)寝室(しんしつ)半開(はんびら)きの(ふすま)隙間(すきま)からは、父親(ちちおや)がいびきをかいて()ており、母親(ははおや)父親(ちちおや)(むね)(うえ)自分(じぶん)(うで)()せているのが(すこ)()えた。玲也(れいや)母親(ははおや)寝相(ねぞう)がものすごく(わる)いのだ、きっと、()えていない部分(ぶぶん)では(あし)自分(じぶん)(おっと)のことを蹴飛(けと)ばしているに(ちが)いない。そんな予想(よそう)(あたま)(なか)をよぎったが、それを(たし)かめる()はしなかった。(つめ)たい麦茶(むぎちゃ)でも()んでさっぱりしようかとダイニングキッチンまで()き、そこに()冷蔵庫(れいぞうこ)から麦茶(むぎちゃ)()す。だが、麦茶(むぎちゃ)はコップ半分(はんぶん)にもならない(りょう)しかなかった。(なが)しにはボウルの(なか)(みず)()けられているヤカンがある。母親(ははおや)麦茶(むぎちゃ)()いたヤカンを()ましておいたものだ。コップ半分(はんぶん)未満(みまん)では物足(ものた)りないので、ヤカンに(はい)っている麦茶(むぎちゃ)()もうと(おも)ったものの、薄暗(うすぐら)がりの(なか)()(だい)()()()してくるのも億劫(おっくう)なので(あきら)める。食器棚(しょっきだな)から()()したコップに洗面台(せんめんだい)蛇口(じゃぐち)から(みず)(そそ)ぎ、(なま)ぬるい水道水(すいどうすい)()()すと(すこ)しホッとする。コップを(なが)しに()きに()こうとダイニングキッチンに(もど)った(とき)、そこで(はじ)めて、(まど)()こう(がわ)(あか)(ひかり)点滅(てんめつ)していることに()がつく。


レースのカーテンを()けると、多嘉良川(たからがわ)土手道(どてみち)県道(けんどう)(じょう)をパトカーがゆっくりと(はし)っているのが(ほの)かに()えた。この(あた)りの県道(けんどう)では、宝田大橋交差点たからだおおはしこうさてん以外(いがい)には常夜灯(じょうやとう)がついていないので(よる)になるとものすごく(くら)いのだ。その(うえ)、ガードレールが()いので、時々(ときどき)自動車(じどうしゃ)やバイクが土手下(どてした)転落(てんらく)していることがあり、たまに夜中(よなか)にトイレに()こうと()()すと、ベランダ()しに(かわ)土手(どて)周囲(しゅうい)(あか)るくなっているのを()ることがある。今回(こんかい)回転灯(かいてんとう)()けたパトカーがかなりゆっくりと走行(そうこう)していた。玲也(れいや)はなぜだろう?と不思議(ふしぎ)(おも)いながらその様子(ようす)(なが)めていた。麻生家(あそうけ)(まど)からは、(まち)(みなみ)明治時代(めいじじだい)からある(せま)(はし)で、普通乗用車(ふつうじょうようしゃ)(だい)がぎりぎり(とお)れる(はば)しかない多嘉良橋(たからばし)一部(いちぶ)から、(きた)宝田大橋(たからだおおはし)上流(じょうりゅう)一部(いちぶ)までが()える。10号棟(ごうとう)さえなければ、宝田大橋(たからだおおはし)のみならず、(きた)山腹(さんぷく)よりも(すこ)(した)にある農家(のうか)(けん)さえも()えるはずなのだ。


しばらく()ていると、パトカーは宝田大橋(たからだおおはし)手前(てまえ)樋門(ひもん)(そば)()いた。そこまでくると、パトカーはハザードランプを点灯(てんとう)させて停車(ていしゃ)し、2(にん)警官(けいかん)()りてきた。(かれ)らは懐中電灯(かいちゅうでんとう)橋脚(きょうきゃく)(はし)土台(どだい)(まわ)りや用水路(ようすいろ)水門(すいもん)付近(ふきん)()らしてはいたものの、土手(どて)から()りて()()くことはしなかった。20~30(びょう)ほど懐中電灯(かいちゅうでんとう)視察(しさつ)した(あと)懐中電灯(かいちゅうでんとう)()してパトカーに()()んだ。その(あと)、パトカーはゆっくりと宝田大橋(たからだおおはし)(わた)ると、下宝田集落方面しもたからだしゅうらくほうめん右折(うせつ)して()った。パトカーのテールランプが()えなくなると、玲也(れいや)はトイレに()くのだった。


トイレから()てきて居間(いま)(まえ)(とお)(とき)にふとベランダの(ほう)()ると、ライトが1つだけ宝田大橋(たからだおおはし)(わた)って県道(けんどう)()かって()くのが()えた。「バイクかな?」と(おも)いつつ、もう(すこ)しよく()ようと網戸(あみど)()けてベランダに()観察(かんさつ)する。バイクは赤信号(あかしんごう)無視(むし)して宝田大橋交差点たからだおおはしこうさてん右折(うせつ)して県道(けんどう)(はい)る、おそらく太田市(おおたし)まで()くのだろう。その(とき)、パトカーのサイレンが()(はじ)めた。そこで(はじ)めて、玲也(れいや)下宝田集落方面しもたからだしゅうらくほうめんからパトカーがそこそこのスピードで宝田大橋方面たからだおおはしほうめん移動(いどう)していることに気付(きづ)いた。


だが、宝田大橋交差点たからだおおはしこうさてんから(すこ)南下(なんか)(はじ)めたバイクは、樋門(ひもん)()ぎたあたりの地点(ちてん)で、突然(とつぜん)土手(どて)()こう(がわ)()ちて()った。ほんの一瞬(いっしゅん)だったが、バイクの(まえ)(ちい)さな(かげ)があったように()えた。土手(どて)手前(てまえ)()ちるとそのまま多嘉良川(たからがわ)転落(てんらく)する可能性(かのうせい)もあるが、土手(どて)()こう(がわ)には用水路(ようすいろ)()んぼしかないので、よほどのことがない(かぎ)溺死(できし)することはないはずだ。


突然(とつぜん)急展開(きゅうてんかい)に、玲也(れいや)はドキドキしながら固唾(かたず)()んで見守(みまも)っていると、サイレンを()らしながらやってきたパトカーがバイクが()ちた(あた)りまで()停車(ていしゃ)し、パトカーのサイレンを()めた警察官(けいさつかん)たちがパトカーから(あわ)ただしく()りてきたのだった。(かれ)らは土手(どて)()こう(がわ)(ふち)()って懐中電灯(かいちゅうでんとう)()らしながら土手(どて)(した)()ていたが、1()無線(むせん)(はな)(はじ)めると同時(どうじ)に、もう一人(ひとり)土手(どて)から()りて()った。15(ふん)くらいすると消防(しょうぼう)のレスキュー(しゃ)救急車(きゅうきゅうしゃ)がサイレンを()らしながら(はし)ってきた。この緊急車両(きんきゅうしゃりょう)騒音(そうおん)玲也(れいや)母親(ははおや)()きてきたので、玲也(れいや)はそのまま(はは)と2(ふたり)見物(けんぶつ)(つづ)けたのだった。

今回(こんかい)(あたま)(なか)錯綜(さくそう)していた情景(じょうけい)をもう(すこ)しきちんと整理整頓(せいりせいとん)しました。

まず、団地側(だんちがわ)水路(すいろ)水門(すいもん)と、水門(すいもん)(はし)として使(つか)水門橋(すいもんきょう)

その反対側(はんたいがわ)には土手(どて)貫通(かんつう)した(かたち)小型(こがた)水路用(すいろよう)水門(すいもん)である樋門(ひもん)としました。

この(へん)(わたし)勉強不足(べんきょうぶそく)もありまして、(ふか)くお()(もう)()げます。

()焼刃(やきば)知識(ちしき)()ったかぶり全開(ぜんかい)()かせていただいております。

(のち)(ほう)でこの(へん)のトリックが()かされます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。