地方の民謡説
ななつのこたち ひとつのこ
しまのなかに ひとつのこ
いちねんにつき ひとつのこ
ふちまでいって およぎましょ
しままでおよいであがりましょ
あがればしまのこのたから
「そうすると、何かを暗号みたいに伝えようとしているのかもね。」とシマオが言うと、玲也も「そういえば地方の民謡って昔の教えを歌の形で残しているって言うから、他の地方の人だとわからないことがあるって聞いたことがあるけど、そういうことなのかな?」と続ける。「それなら、これって誰かがどこかの民謡を書いたメモかもしれないんだな」とフジショーが驚く。
「これがこの地域の民謡の一節なのかどうかはまだわからないけどね。」とシマオが難しい顔をしながら言うが、「いや、"しま”とか“こ”とか、島神社と関係ありそうな言葉がいくつもあるし、“およぎましょ”ってことは泳げる場所が近くにあるってことじゃん、島神社の傍にも川があったし、淵もどこかにあるんじゃない?」と玲也は地元の民謡であると推測できる理由をさらに述べた。
「それにさ、これって誰がなんのために書いたんだろう?」とフジショーも疑問点を上げる。だが、即座に「どっかの子供が書いたと思う」とシマオが答える。「なんで?」と問うフジショーに「だって、玲也みたいな書き方じゃん」と少し笑いながら玲也を弄るシマオ、それに対してやれやれという表情をしながら「うるせー」と玲也は軽く毒づくのだった。
「それじゃ・・・えっと・・・あれだ・・・」と考えがまとまっていないのにたどたどしく言葉を紡ぎだす玲也に「年寄りかよ」とフジショーが突っ込むと「うるせー」と毒づく玲也だったが、その2人のやり取りをシマオは呆れ笑いをしながら見守っていた。そのせいか、漸く考えがまとまった玲也が「ここの団地内の子が地元のお祭りで聞いた“歌”をその紙切れにメモしたかもしれないとしてさ」と言い直し、「なんのために書いたんだろう?」と2人に尋ねる。「話がずれてねーか?」とフジショーが疑問を呈したが、シマオも「この文章だけでは動機どころか、文章の意味もわからないね」とまとめる。




