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シマオのお母さん

友人2人を座らせたシマオは(ふすま)を閉めないでもう1人来るのを待っていた。だが、それほど()()けずにスリッパの足音がしてくると、シマオの母親が「お待たせしました」と声をかけながら部屋に入ってきたのだった。彼女はシマオの部屋(へや)中央(ちゅうおう)設置(せっち)された小さなちゃぶ台に3人分のジュースが入ったコップとお菓子が入った(はち)を1つ置いて怜也とフジショーの隙間に無理やり座り込んだ、そのため、彼女の真正面は彼女の息子のシマオになった。


シマオの母親は怜也の母親より2つくらい年上だが、何せ綺麗(きれい)だ。彼女が(となり)にスッと割って入って座ってきた途端(とたん)に彼女のお化粧(けしょう)(におい)いがふんわりと(ただよ)ってきたので、怜也はドキッとしてかなり緊張(きんちょう)したが、フジショーはデレデレした顔つきになっていた。そんな中、シマオの母、雅子(まさこ)はやおら問いかけ始めた「それで、昨日はどうだったの?」。


それに対して、シマオが最初に中央公園で(かぎ)を見つけたことを話し始めたが、その話が終わりかけたあたりでフジショーが割り込んできた。フジショーがたから山の頂上から島を見たことを話し終えると、話の割り込みに対して全く気にも()めない様子(ようす)を見せながらも、雅子は「それで?」と行って少し間を開けてから「その鍵、どこの家の鍵かわかったの?」とシマオに問いかけてきた。それを受けて『レイヤ、あの鍵、どうした?』とシマオがレイヤに話を()る。


怜也は『あ!』と言いつつ、鍵の話を振られたことで(ようや)く鍵のことを思い出した。昨日()いていたのと同じズボンを履いてきていたのでポケットに何か違和感があると思っていたが、(あらた)めてポケットの中を(さぐ)ると、昨日、たから山のトンネルで見つけた鍵が出てきた。「それが昨日拾った鍵?レイヤくんまたお手柄ねぇ?」と言って雅子は怜也の頭を()でた。鍵をちゃぶ台の上に置くと怜也は「実はすっかり(わす)れてた」と言って()れ笑いをしたが、「レイヤくんのうっかりさんも相変(あいか)わらずねぇ」と言いながら彼女は怜也の頭を撫で続けた。美人さんに頭を撫でられるのは()れくさいが悪い気はしない。


フジショーが(うら)めしげな目線(めせん)を怜也に投げかけていたが、怜也はフジショーと目を合わせないように目線をそらした。その間に雅子は怜也が出してきた鍵を手に取り、「じゃあ、これはおばさんが自治会(じちかい)に届けておくけど、それでいい?」と怜也に問いかけてきたので、怜也は「うん」とだけ応えた。

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