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バクリュウキョウ豹変する

第一回ノベルアッププラス小説大賞一次選考突破作


「お前は戦士向きの体型をしているな。特にその凹凸の限り無く少ない平面体は天に与えられた宝だ。大事にした方がいい」

「うう、うるさい! 全然誉められた気がしないっちゃ!」


 操縦側は頷きながら、アドバイスを素直に受け止めた。

 逆にボディは気にしているウイークポイントを上から目線でえぐられてムカつく。

 ハルトは冗談にバクリュウキョウ先生と呼ぼうと頭を過ったが、ヴァージニアが大いにヘソを曲げる可能性に配慮して声に出すのを抑えた。


「ならばこれならどうだ!」

『僕に同じ攻撃は効かない』


 パイロットの繊細なスティックさばきは、立て続けに放たれた全ての物質を切り刻む真空波を避けきる。

 ハルトは相手の基本と応用を全て網羅した。

 本来ならノートに書き記すのが妥当だが、真剣勝負なので頭に焼き付けたのである。


 だが、バクリュウキョウは相手が回避する事を念頭に入れていたのだ。

 避けた軌道を読み先回り。

 間髪いれず、尻尾、柄による突き、脇に構えて横凪ぎ払い。

 それを往復。

 しかし、ヴァージニアは操り人形の如くアクロバティックにダンシング。

 スレスレで刃を潜り抜ける。

 屈んだ拍子に長い髪が何本か切れた。

 

「やるな」

「このままお前を倒す!」

「――――何を馬鹿なことを……。これに気付かなかった貴様では未来永劫不可能だ」

「え?」


 バクリュウキョウの豹変。

 興味を失せた様に声のトーンを落とす。


 ヴァージニア達のその自信が命取りとなる。

 完全に掌握したと確信していた衝撃波が、軌道を変えて再び襲ってきたからだ。


「戻ってきた!? キャアアアアアアァ!」

『ええっ? これってブーメラン!?』


 次々と戻ってくる真空波の波状ブーメラン攻撃に、対処が追い付かず連続で喰らい、体力ゲージが半分まで一気に持っていかれる。

 剣で防御していたお陰で幸い一発KOは回避。

 しかし、その代償としてあまりの衝撃に大剣と籠手に亀裂が入った。


「ぐうっ! 変態! もっと上手く避けろっちゃ!?」


 ヴァージニアは激痛に顔を歪ませる。


『まだだ!』

「無駄なことだ。貴様は術中にハマった。この俺が作った処刑所から出ることはもはや叶うまい」


 果敢にも再度挑みバクリュウキョウに近づこうとするが、幾ら避けてもある程度距離が離れるとブーメラン真空波は戻ってくる。

 集中力が擦りきれてついには見切れなくなり、「ぐあぁぁぁ!」今度は胴に大きな傷跡を残す。


 それでも何度も挑むが結果は同じだった。

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