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間合い


『駄目だね。動きが愚鈍でも当たれば大きいが、俊敏さで回避されるし、圧倒的な体力の差がないと、所詮パワーがスピードに勝てるわけがないよ』

「そうなのか?」


 その上、ハルト得意の中距離からの重火器が使用不可能な為、戦法が限られている。

 視界が限られている夜戦、接近戦の間合い経験がガンシューティングと格ゲー頼りなのは心もとなかった。


『更にあの鬼を即断した剣撃が厄介なんだ。全くもう、一撃ゲームオーバーなんてどんなチートだよ? レトロゲームかよ、ナンセンスだ、有り得ない。幸いまだ、僕達にそれを使っていない。だから、どうしても後手に回ってしまう』

「じゃ、どうするんだちゃ?」

『うーん、普通ならまだ体力あるから一か八かの防御無視のノーガード戦法か、向こうが対処できない奇をてらった戦法が有効打だと思うが、あのリザードマン相手では意味はなさそう』


 格ゲーではノーガードとか、連続ジャンプとか、コマンドが分からないので通常攻撃のみで定石を無視した奇襲攻撃は、愛が足りなく良く解っていない素人がよくやる事。

 しかし、通常ゲームならキャラ選択とやり方次第ではそれなりに良いところまで勝ち続ける事ができた。


 多少減ったが体力ゲージにはまだ余裕がある。

 敵将相手にあれだけの激しい打ち合いを繰り広げて無傷など虫の良い話だろう。


 ハルトは操作をメインに置きながらも、その片隅でデーターを簡潔に纏める。


 バクリュウキョウはゲーム的カテゴリーに分けるとスピード接近戦タイプ。

 しかも戟使いなのでリーチが長い。

 対人では上位ランカー、CPU的にはラスボスクラスを更に強化したぐらい隙はなかった。


 フィールドは夜の森。

 照明は月と星のみだ。

 拓けている広場なので遮るものは存在しないが、足場は草が生い茂っていて通常移動は厳しい。

 牽制しながら敵との距離を詰めるのは摺り足で横歩きが常套手段だ。

 今は前段階、草を踏み固めているのが現状。

 ハルトは向こうも同じと読んでいた。


 だが、刹那、


「――小娘もらったぁ!」

「あ! しまったっちゃ!」

『うそっ! 何で飛んでくるのかな!? だからこんな超ハードモードを初見クリアなんて無理ゲーなんだって!』

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