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亡国王女のその日暮らし  作者: ルリヲ・ドルバッキー
第一章

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4/15

4.リックの森へ

王都表記を主都に修正しました。(10/13)

「で、その…そちらの女性…女性?は…」

ドラゴン狩り出発当日、首都カルコサの東門前でざわつく小隊を手で制しユリウスはそんな問いを投げ掛けてくる。

「あれ?殿下はモモコの事見た事無かったっけ?」

ユリウスは首を横に振る。

「無いな。魔人…か?」

「うーん、魔人かと言われると…どうなんだろ?」

「どうなんだろう!?」

殿下が中々味のある表情をしている。

「…モモコ嬢、今回はドラゴン狩りという非常に危険が伴う行軍になるが貴女はナイアの随伴という認識で問題無いか?」

「殿下、お噂はかねがね、ナイアが随分とお世話になっているようで。…はい、そのご認識で間違いありませんとも。どうぞ、お気遣いなく」

「おいナイア、お前少しはモモコ嬢を見習ったらどうだ?」

失礼な奴である。

「どうせモモコみたいな接し方したら動揺するくせに」

「…否定はできんな」


◇


行軍は滞りなく進んで行く。

たった半日の道のり、何かあるほうが稀というものだ。

野盗だってこの規模の行軍じゃ手の出しようもない。

と、思っていたのだが。

「これで最後っと…」

剣を薙ぐと血を撒き散らしながら狼のような魔物が断末魔の叫びを上げ崩れ落ちる。

戦闘が一旦の終息を見せた。

無数の魔物の骸が道脇に積み上がっている。

先行している兵士達も多少の息を切らしてはいるが脱落者は無い。

この程度、ねを上げるほどでも無いのだろう。

流石、騎士団である。

「いや~、この数が王都に迫っていたとは。早めに出発して正解だったね」

「全くだ」

リックの森にドラゴンが現れたせいで多数の魔物が逃げてきていたらしく、道中では小規模な戦闘を繰り返していた。

「これだけ魔物が逃げてきているとなるとドラゴンが居るのは森の浅い所かな?」

「その可能性は高いだろうな。モモコ嬢、戦闘が続いているが大丈夫か?」

私の後ろにぴったりと着いてきていたモモコは相槌を返す。

「問題ありません。お気遣いありがとうございます」

「この感じだと予想外に強力な魔物が逃げてきていてもおかしくないかも。殿下、一度王都に戻って態勢を立て直した方が…」

突如、上空から大きく黒い影が飛来する。

ズドン、と先行していた小隊の半分程を巻き込みながら落下してきたそれはまさにドラゴン、その亡骸だった。

太い尾や足に潰されピクリとも動かない者、爪や折れて飛び出た骨が体に突き刺さり踠く者。

辺りは一瞬で地獄絵図と化した。

「…!?被害は!?」

ユリウスの声が響く。

「半数がやられましたぁっ!!」

応じる騎士の声。

「分かった!動ける者は負傷者の救助と退避を!急げ!」

「殿下も急いで退避を!何か来る!」

ユリウスに退避を促すと同時に恐ろしいほどの空気の振動とプレッシャーを感じる。

何者かが凄まじい速度でこちらに迫りつつあった。


二日に一回程度更新予定です。

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