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13/19

君の部屋の明かりが消えるまで

その後は、一緒に(かなり席は離されているが)講義を受ける。


先生には、各方面の専門家、実務家が招聘される。


辛い気持ちを抱えて勉強した大学では得られなかった楽しさがある。


何より、シリウスが凄い。


13歳のシリウスの学力は、ツヴェルフェト大学レベルに優に到達している。

いや…それ以上だろう。

話には聞いていたが、実際彼は、天才だ。


1を聞けば10も100も理解し、自在に応用する。

そして、圧倒的な知識量。

記憶の神通力を持つ神鼠しんそだから、というだけでなく、

1で100を知る頭脳があるからだろう。


そんなシリウスと先生方との議論は、言葉のやり取りを超えて、

美しい音楽のよう。

この先に何が展開されるかと心が躍る。


うっとりと聞き惚れて…気づけば私は、

音楽を紡ぐ、知性に満ちた少年の顔に釘付けになっているのだった。


*************


シリウスの執務や剣技・神通力の訓練などの間は、

大神殿に併設された「ツヴェルフェト国立図書館」の手伝いをしている。


書物の整理をしたり、書類を作成したり、掃除をしたり…

これが楽しいのだ。


ステファニー様が「淑女のお作法」を教えてくれるときもある。



夕食。


シリウスの予定がないときは、彼と一緒だ。


「淑女のお作法」も虚しく

朝食と同じ騒ぎが頻繁に起こる。


でも、最近は、どうも、

ロベルト様とステファニー様が笑いをこらえているように思える。

気のせいだろうか…


それから、メイドの方に丹念にケアをしてもらう入浴。

大学時代は、昼も夜も一緒くたの服だった私が、

柔らかい絹のネグリジェに着替えさせてもらう。


*******

それから一人の勉強時間。


…窓から見えるシリウスの部屋の明かりを見ながら。


執務なのか、

勉強なのか、

訓練なのか…

いつも遅くまで明かりは消えない。


明かりが消えるまで、

私も起きて勉強をする。


こうすると、二人で一緒に頑張っている気がするのだ。


明かりが消えると、私も就寝する。

ベッドはふかふかと整えられ、気持ちいい。


顔を合わせると、シリウスに憎たらしい言葉を投げてしまう。


…でも、本当は、少しくらい、

シリウスと、普通に、話してみたい。


枕に顔をうずめながら、

心の中で「お休みなさい。」と言う。


シリウスの寝間着姿はどんな風なんだろう…

どんな寝顔なんだろう…


きっと…

きっと…


私は、こんな風に、シリウスや大神殿の人々に囲まれ、

慣れない、不思議な日々を送っている。



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