浄化が難航しました。
( ゜ー゜)テケテケ(更新でございます)
海賊竜として再生をしたバッカニアの体調の安定を確認したリィフは、ルルスファルド、アプサラス、バッカニア、アルシード、スライム達を伴って西海のムーア王国へと向かった。
西海域の浄化自体は、ルルスファルドの島に来てもらったヴァルナに何度かやってもらったのだが。
「ムーアの王都のあたりに、針のかからんスキュラがいる」
とのことだった。
<親玉のスキュラか>
ルルスファルドが呟く。
「恐らくはな。例の三面六臂のスキュラとやらが針にかかっておらん。そやつが抵抗しているのだろう。手間だが、おまえたちに直接出向いて片付けてもらいたい。現地で呼んでもらえれば、妾が始末をつけても良い」
「わかりました」
スキュラの親玉をそのままにしておいては、また悪夢を繰り返すことにもなりかねない。
<対価も取らずにわかってしまうのはいかんと言っておる>
ため息をついたルルスファルドが交渉をして、ヴァルナの銛を小さくしたような銛を十本ほどせびり取った。
神々が、たまに下賜する神器の一種で、多くの国々で国宝になっているものそうだ。
ただ、銛が十本もあっても、使い道がない。
槍として扱うにも、天逆鉾が一本あれば何の問題もない。
とりあえずはトロピカルブルースライムのうち十匹に渡しておくことにした。
「スライム十本銛」
テケーと雄たけびを上げるスライム達を見下ろして、ヴァルナは苦笑するように呟いた。
「妾の神器がスライムの手に渡るのは初めてだ」
テケー。
銛を携えたスライム達の体が、キラキラした燐光に包まれる。
「……おい、進化したぞ」
ヴァルナが眉間を押さえて言った。
<初めて見るスライムじゃな、ヴァルナスライムとでも名付けるか>
「妾の名前を勝手に使うな。トリシューラスライムとでもしておけ」
銛の名前がトリシューラであるそうだ。
水神の銛で進化しただけあって、海洋型のスライムらしい、人間サイズの銛を持ったまま、海上や海中を縦横に動き回り、さらに水中に渦や水流を起こすことができた。
紋章喰らいのテケテケを除く、百八匹のスライムの内訳は、
トロピカルブルースライム:62匹
トリシューラスライム :10匹
シルバーバレットスライム:36匹
となった。
「ちょっとした街くらい滅ぼせそうだな」と、バッカニアが呟いていた。
こうしてリィフたちは、ムーア王国に向かうことになった。
アルシードは戦力外になるが、故郷であるムーア王国に出向くのなら、その行く末を見届けたいということで同行することになった。
海賊竜であるバッカニアの背中にいるし、念のためシルバーバレットスライムたちを数匹背中に乗せてもらっている。
スキュラが百匹、二百匹出てきても、そう大きな問題はないだろう。
リィフのほうは、アプサラスのクリオネボディの背中に乗せて貰っている。
西海のスキュラ達のほとんどは、既にヴァルナに釣り上げられて姿を消している。
静かな海をまっすぐに飛んでいくと、やがてムーア王国の中心地である大ムーア島が見えてきた。
「なにかいる?」
スキュラが残っているのはわかっているが、空にも、大きな生き物が飛んでいるのが見えた。
<竜種じゃな。竜王族じゃ>
ムーア王国と契約し、聖竜として生け贄を取っていた竜の一族。
わかる範囲で、数は五十匹前後。
体長二十メートル前後の大型竜が多いようだ。
口から火を噴いて、市街を焼いているようだった。
<報復のつもりじゃろう。確か、同族をスキュラの餌食にされとったはずじゃ>
そもそも寝ていたスキュラを覚醒させてしまったのも竜王族のはずだが。
「どうしようか」
<クズとカスの争いじゃ、高みの見物と行きたいが、気付かれているようじゃな>
十匹ほどの竜が大ムーア島の上空より離れ、リィフたちの前方に飛んでくる。
<適当におちょくってやるとしよう>
――おちょくる。
あまりいいことではないが、話を聞く限り、アルシードやバッカニアの境遇に深刻な悪影響を及ぼした悪辣、残忍な種族だ。
おちょくる程度で済ませれられればまだいいほうかも知れない。
( ゜ー゜)テケテケ(お読み頂き有り難うございました)
次回更新は夜の予定です。
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