海賊竜バッカニア(1)
( ゜ー゜)テケテケ(更新でございます)
新たに生まれ変わったバッカニアの姿は、バッカニアが海人族の王に捕らわれ、改造をされる前の海賊竜のものだった。
肉体がかつてのものに近づいたためか、海賊竜としての記憶、闇の賢者ルルスファルドに木っ端みじんに消し飛ばされた記憶も戻った。
――妙なことになっちまった。
かつての自分を殺した相手に救われたことになる。
バッカニアの死、そして再生。
一日で体験するにはさすがに荷が勝ちすぎたのだろう、泣き止んだ後は眠り込んでしまったアルシードを休ませ、自身はマヨイガの前で丸くなったバッカニアは、複雑な気分とともに、空を見上げた。
そこに、問題の闇の賢者が顔を出した。
<具合はどうじゃ?>
「うわ!」
バッカニアは尻尾の毛を逆立てる。
<騒ぐでない。やはり思い出しておったか、海賊竜>
「ああ」
ヘドロの竜としての記憶や、アルシードに対する情愛は残っているが、海賊竜と呼ばれていた頃の記憶と性格のようなものも戻ってきているようだった。
「何故助けた?」
ヘドロ竜の時はその記憶がなかったが、海賊竜の時にはバッカニアはルルスファルドに何度も喧嘩をふっかけ、返り討ちに遭っていた。
<叔父御殿がそれを望んだからじゃ、おまえとあの娘のありようを、良いものと、尊ぶべきものと認めた。儂もまぁ、おまえのことは嫌いではない。それだけじゃ>
「消し飛ばされた覚えがあるんだが」
<海人族に操られとったじゃろ。見るに耐えんかった。儂なりの温情というやつじゃ>
闇の賢者はくふふと笑う。
「温情が物騒だ」
バッカニアは鼻でため息をついた。
「何を望んでいる? 俺とアルシードに」
<とりあえずは、あの娘と達者で暮すがよい。叔父御殿の望みはそれだけじゃ>
「おまえの望みは?」
<叔父御殿の力となれ。それは、あの娘を幸福にすることにもつながろう>
想像通りの回答。
「いいだろう」
バッカニア自身の望みにも、近い答えだった。
( ゜ー゜)テケテケ(お読み頂き有り難うございました)
次回更新はお昼の予定です。
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