第34話 主人公らしさとか、私知らないし。
思ったより、長くなりました。
けど、上手くまとまってない気がしてなりません。
とりあえず謝ったら許されると思っているので、謝らしてください。(悪いと想っている人の発言ではないですね。)
すいません。
私の名前はアリル・ディアネルとなった。ヴィルランク家に迎えに来てくれた時には、諸々の手続きは終わっていて、ディアネル領では、すぐに、娘として迎え入れられた。
王都に邸宅ではなく、ディアネル領にそのまま連れて行かれたので、旅路は長かったが、無事に辿り着く事が出来た。
ディアネル領では、華やかな歓迎をされた。もしかしたら、私を快く思っていない人もいるのかもしれないけれど、私の新しいお父さんとお義母さんがよく言いつけてくれているのだろう、酷い扱いを受けるような事はなかった。
学園に行くまでの間は、貴族としての常識や必要となる知識をひたすら勉強していた。
その間に、お義兄さんとはよくお話をした。私のわからない事があったり、食事マナーなどで、間違っているところがあると、冗談を交えつつ教えてくれた。私の境遇を理解してくれていて、凄く優しくしてくれる方だ。
お父さんからは、お母さんの話をいろいろと聞いた。思い出の場所や、お母さんの好きだったものなど、お母さんのお話を少し聞く事が出来た。ただ、仕事がたくさんあるみたいで、時間をあまり取れなかったので、学園から戻ったら、また、お話を聞きたいな。
お義母さんとは、少し距離を感じる。私の母や私に対して負い目があるようで、少し距離を取っているみたいだ。私という存在がお義母さんにとっては、重石になっているに違いない。
私もお父さんやお義母さんに対して、何も思わないわけじゃないし、2人をお母さんと同列に思うことは一生ないと思う。
それでもこうやって迎え入れてくれたのだし、お母さんが大切にした人なのだ。娘の私がこんな顔にさせているわけにもいかないだろう。
お嬢様に対し、私が出来る事を増やしてくれた人たちでもあるのだし。
頃合いを見つつ、もう少し友好的な距離を築けたらなと考えている。
まぁ、そんな感じの家族関係をどうしようかと考えつつ、学園に通うためにも勉強を頑張ってはいたが、お嬢様の事がどうにか出来た後に、困らない為にも勉強は必要だと思うようになった。せっかく、貴族になれたのだから、お嬢様のように人の為になる事がしたいと思う。その為にも、勉強には力を入れた。
そんな感じに、2ヶ月が経った後、私は学園へ入学した。
学園に入学した感想は、残念に思いつつもやっぱりという気持ちだった。
私に近づいて来てくれる人が、びっくりするほどいない。
まぁ、でも、その理由はなんとなくわかってた。私の家柄は伯爵という、貴族の中では真ん中ぐらいの位置でありながらも、経済面では、トップを争う位置付けにあるらしい。
その結果、階級が上でありながら、うちよりも貧乏な家からは妬まれるし、お金に困ってなくても、敵対視されるし、階級が下にある人たちは、私のディアネル家での立ち位置を伺う為に、下手に近づいては来ない。
まぁ、しばらくは一人でいるしかなさそうだなと、思うしかなかった。
まぁ、それならそれで楽だ。私がこの学園に来たのは、お嬢様のためだ。一人で自由に動けるうちに、いろいろと情報を集めたりしよう。
そこで、貴族としての振る舞いなどにも、不安があったので、担任の先生を頼っていろいろと聞くようになった。先生に聞くといろいろと手伝わされたりもするけれど、親身になって聞いてくれるのでありがたい。ただ、皇子様とお嬢様の事は、あまり詳しくなさそうだ。
仲睦まじいくらいにしか思っていないみたい。
次に保健室の先生。不注意で転んでしまうのは、昔から良くないとは思っているけれど、何故か直る事がない。結果、保健室には定期的に顔を出す事になってしまった。なので、レクター様とは、軽く顔見知りだ。また、私がよく転ける事についても、興味を持って、直し方を一緒に考えてくれる優しい先生だ。ただ、お嬢様達のことを聞いてみたが、有益そうな情報はなかった。医療以外の事には、興味がないみたいだから、仕方がない。
次にリンゼン様。リンゼン様との出会いは、衝撃的だった。私がいつも通り、中庭で一人コケそうになったところで、突然抱き抱えられてしまったのだ。端正で整った顔立ちが、突然目の前に現れて、リンゼン様から声をかけられるまで、私は一言も発する事が出来なかった。そして、その沈黙を変に捉えられて、
『抱き留めてしまい、すまない。』
なんて、謝られてしまった。すかさず、私も謝罪と御礼を返したが、お互いぺこぺこしてしまった。その後、きちんと御礼をしたいと思って、時折、最初に出会った中庭を訪れていた。暇なので、手作りした、おやつを携えて。
このおやつは、部屋にあるキッチンを利用して自作した。お義父さん達的には、広めの部屋を取ってくれただけだったみたいだが、確認が足らずキッチンがある事を知らなかったらしい。
その為、コックさんとかはいなかったんだけど、私は自分で出来るからね。侍女の人に無理言って使わせて貰っている。いつもハラハラした顔で見てるけど、料理中にだけは転んだ事はないんだけどな。食べ物を無駄には出来ないから。
まぁ、そんなわけで、カップケーキを食べながら、偶々通らないかなぁ。と思っていたら、本当に現れたのだ。
私はパパッとカップケーキを片付けて、御礼を言い直そうと立ち上がったのだけど、リンゼン様のお顔が明らかに私が持ってきていたお菓子の方に視線が向いていた。
『あ、えっと、食べますか?』
『良いのか!?この時間帯はどうもお腹が空いてな。』
流れ的にそんな事を言ってしまったが、これは私が作ったものだ。平民の時みたいな、ノリで上げていい相手ではないんだった。
『ごめんなさい。それ、私が作ったもので、だからダメ、、』
気づいて、慌てて止めようとしたが、言い終わる前に、既にリンゼン様は一口目を、頬張った後だった。
『。。美味しいな、これ。これを君が作ったのか?』
優しい笑顔で、問われた事に、私はただ、はい、と頷くしか出来なかった。
その日から、私は料理がしたくなって、作ったときは、中庭で食べるようになった。
また会えないかな
、なんて思いながら。
そして、何度か会うことが出来た。しかも、お嬢様達の情報も少しだけど、手に入れることが出来た。一石二鳥ってやつかな。
マブル様の言っていた通り、リンゼン様も二人からは多少の違和感を感じるようだ。ただ、マブル様が言っていた、2人が自分の気持ちに気付いていないというよりも、お互いが相手を不安がっているように思っているらしい。
なんていうか、2人は頭が良いから色々と駆け引きをしてるのかもしれないけど、それで拗れるなら、馬鹿正直になって仕舞えば良いのに。
なんて、凄い男らしい事を言っていた。
貴族らしさを学んできた私としては、それが許されない世界だと思っていたのに、自我を通しのけるリンゼン様が凄く羨ましくて、かっこよく映った。
次に、マブル様。マブル様とは、何故か未だに、交流が続いている。ヒーラン様と交流出来ないのだから、当たり前にマブル様とも交流はしない方がいい筈だ。その筈なのに、マブル様が話し掛けてくることが良くある。
マブル様曰く、面倒な噂を作る人の中に、わざわざ図書館を訪れるような人はいないし、マブル様のいる奥の一角は、ほとんど利用者がいないらしい。影で見てる人も、ヒーラン様の雇っている人くらいなので、大丈夫だそうだ。
だったら、ヒーラン様も連れて来てくれたら良いのに。と思うけれど、マブル様も私も、お嬢様の事はよくわかっている。小さな事だろうと決めた事は、やり遂げる人だ。それに、私も覚悟して入った世界なので、甘えるわけにはいかない。。。だからこそ、マブル様にも少しは自重して欲しくもなるけど。
とは言いつつも、お嬢様の現在の細かい情報を聞くなら、一番の相手の為、話せないのも困るのだけど。
よって、マブル様とは定期的なお嬢様についてのお話と、ヴィルランク家に居た時からされている恋愛相談を受けている。
勉学や政務に関しては、お嬢様を絶対的に信頼しているマブル様だが、恋愛に関してだけは、お嬢様を信頼していないみたい。
まぁ、マブル様から結婚相手についての質問を受ける時、政治的観点からの予想や心配についての相談しか受けていない事について、何も言わないお嬢様もお嬢様なのだろうけど。
そして、最後にまさかの人物。皇子様とも、会話をする機会に恵まれた。本人から色々と聞けるのは本当に大きい。
最初は、貴族の生活に適応出来ているかなど、私を心配したものだった。お嬢様から聞いていた通り、心優しい方だなと凄く感じた。それに、皇子様はこの学校で数少ない、私の生い立ちをきちんと知っている人だ。私がヴィルランク家で働いていた事を、皇子様は知っているのだ。
憶測で、私を誹謗中傷する人がたくさんいるというのに、皇子様は知っていてもなお、私を心配し、馴染めるようになることを、心から願ってくれている。
誰にでも心を配り、自身の地位を全く誇示しない。この国を治めるものとして、十分に素晴らしいお方だとよくわかった。
そんな方から、私は相談を聞いてもらいつつ、皇子様からの相談も受けていた。私がヒーラン様の侍女であった事を知っているからこその質問をたくさん受けた。
ヒーラン様についての家での事や考えについて、たくさんの質問をされた。
私はその質問が、お嬢様を想っているからこその質問だと思い、最初はきちんと愛されていて、それがお嬢様に伝わっていないだけだと思っていた。
だから私も、お嬢様との思い出や、お嬢様の普段の事など、お嬢様の素晴らしさを、もっと知ってもらえるように、心を込めてお話した。
なので、想われていることをヒーラン様に、どうやって伝えるかを、初めのうちは考えていた。
ただ、何回かお話をするにつれて、お嬢様が好きで、聞いているわけではないように思えてきた。
何かを探っているというか、お嬢様に対して何かしらの不安があるように思えた。
私はそこで納得した。まだ、何度かしかお話をしていない、私ですら気付く事の出来た、皇子様の不安という感情に、お嬢様が気付いていないはずがない。
お嬢様は、こんな視線を向けられているのに、ただ想うだけで居られるほど、控えめな方ではないはずだ。
そうなると、これこそがお嬢様の不安となる要素という事になるのだろう。
私は今、皇子様から相談をされる立場にいることができるのだ。この時を利用しなければ、私がここにいる意味なんて無いだろう。
まずは、皇子様の持つ、お嬢様への不安をなんとかして、聞き出すしかないのだろう。
偶に言われる嫌味とかそんなものはどうでも良い。私がここにいる理由なんて一つしかない。そして、その片鱗を見つけてしまったというのに、周りが怖くて逃げ出すわけにはいかないのだ。
皇子様とお話が出来る機会を、自分から捨てるつもりは一切ない。皇子様が話し掛けてくれる限り、私はそれにお答えしよう。自重なんてしていられないわ。
皇子様と話す事について、とやかく言う女の子は多いけれど、私はその娘達と和解する気はない。その方が、心配した皇子様が話し掛けてくれる可能性があがるから。
心が痛まなくもないが、間違えているのは、彼女達の方だもの。お嬢様の名前を出して止めるのに、お嬢様のことを全く分かっていない。今のお嬢様と皇子様に時間が増えても溝が広がるだけだもの。
私が背負う事で、お嬢様を助けられるなら、私は喜んで受け入れる覚悟はある。その為にここに来たのだから。
私はそう思うと胸の中心にあるものに、衣服の上から手を添えた。
私は貴族となって、お嬢様のように、たくさんの人を私のように笑顔にしたいと思った。でもそれは、1番に笑顔にしたい人をしてからだ。
最も大切な人を幸せに出来ない人に、そんなことが出来るとは思えないから。
私は、お嬢様の満面の笑みを思い出しながら、ターコイズの石を強く握った。
ターコイズの石は、ヒーランが、初めて領地見学をした時に、アリルとマリネにプレゼントしたものです。アリルはネックレスを貰いました。
それを、見えないように学生服の中で付けてます。
今回は、いろいろと悩みました。書くか悩んで今回書くのはやめた部分は、来週どう影響するでしょうか?頑張れ、来週の自分。今週の自分は全てを君に投げ出した!




