第32話 どうなってるのよ
いつもお読みいただきありがとうです
一応書いとくと、20話のお茶会でマブル好きっぽいのが、リースで。
マブルからヒーランに移ったのが、エレブ。
エレブの幼馴染がラーリンです
前回書けばいいのにね。投稿、数日後に思いつくんだもん。残念な脳みそですね。
入学から、2ヶ月ほどの月日が経った。アリルへの陰口は大きくなるばかりだ。
『本当、平民の娘は何を考えているか分からないわ。』
『ヒーラン様を差し置いて、皇子様と二人きりになるなんて、平民には恥じらいと言うものがないのかしら。』
『ほんの少し前まで平民として暮らしていたから、ギルダント皇子が誰にでも優しいという事を知らないのでしょうね。ヒーラン様との時間も取れないほど、忙しいというのに、そこに甘えるなんて。』
ほら、エレブ様と子爵家の令嬢の子達が、アリルの話を始めてしまった。
エレブ様は、私の事を凄く尊敬してくれている。そして、大切にも思ってくれている。
だからこそ、私の汚点となり得る事には凄く当たりが強くなる。私が汚されているように感じるみたい。
まぁ、だとしても私自身もアリルへの悪口はあまり聞きたいものじゃない。アリルが自ら選んで貴族になったのだ。それを貶めるような発言を私のお茶会で許す気はない。
『貴方達。ディアネル伯爵家は、王都から遠い国境に位置する貿易都市よ。あまり憶測で話をするのはやめなさい。今現在、この学園に在籍を許されていることこそが全てよ。』
『ですが、ヒーラン様。わざわざギルダント皇子を頼る必要はないとは思いませんか?ギルダント皇子もヒーラン様も、たくさんのお仕事を抱え込んでいるというのに、更にお手を煩わせるなんて。ヒーラン様のお気持ちを考えると、私。。。』
悲しそうに目を伏せるエレブ様。それに合わせるように、他の令嬢達も瞳を下げる。これはまだ小さいが、私とは対立関係に近い形にある派閥の方が、平民の娘にギル様を奪われているなんて、陰口を言っている影響だろう。
エレブ様は頭が良い。他の娘達も、純粋な頭は置いておいても、貴族としての立ち回り方は一流の娘達だ。
故に、このままの形が続くようなら、私の外聞も悪くなることに、早いうちから気づいているのだろう。
『ありがとう、皆様。私の心配をしてくれているのよね。けれど、アリル様に関しては、大丈夫よ。彼女が学園に馴染めていないのは、事実だもの。そして、ギル様は心優しい方。彼女のような子にも心を配るのは当たり前のことだわ。そして、そんな心を持つギル様の婚約者である、私もね。そうなると、同性である私が親身になってあげるべきだったのだけれど、それ以上に面倒な事に、私はヴィルランク家の人間で、彼女はディアネル家の人間なのよ。私達が仲良くする方が、最終的な面倒は大きくなるわ。だから、これくらいの噂はなんて事ないの。』
『た、確かにそうかもしれません。お二人にお考えがあるのなら、私達が口を挟むのは野暮かもしれませんね。』
『うふふ、良いのよ。私の事を思ってのことだもの。気にやむ事はないわ。ありがとうね。』
うん。良い感じにまとまったかしら。私達の仕事の一環である事。そして、それは私には叶えにくいこと。私が納得した上での、ギル様の行動であると認知されれば、噂の信憑性は下がるはずだ。今は、このくらいの情報統制で十分だろう。
そう思ったのだが、そうもいかない娘もいるらしい。
『で、ですが、ヒーラン様は寂しくはないのですか?ギルダント皇子と居れる時間は、凄く減ったように感じるのです。』
この言葉は、意見が分かれてるのかしら?なんて事を聞いてるんだと驚いてる人もいるし、同じ事を考えていたようで、頷く娘もいる。両方が、ないまぜな娘もいるようね。
『そうね、寂しくないと言ったら、嘘になるかもしれないわ。それでも週に一度は仕事の関係で、顔を合わせてお話もするし、休憩も一緒に取っているわ。それに、月に一度は二人でゆっくりと会話をするようにもしている。寂しくないとは言えないけれど、忙しいのは私もギル様も努力が実ったからだわ。人に頼りやすい学生のうちだから出来る事もある。私達は将来の為に、きちんと歩んでいるわ。だから、大丈夫よ。』
今は、まだね。
はっきり言って建前だ。嘘は何一つ言っていないが、私達二人で歩む将来ではない。このまま、ギル様がアリルに惹かれて、二人で過ごす時間が蔑ろにされるような事があれば、私から身も引けるし、引いたとしても、私の存在意義はきちんと残る。
二人の時間なんて、周りへの仲が良いアピールの一環でしかないのだ。それは今までしてきたことで、ついでに仲良くなる為の、手段の一つだった。だが、友人関係を膨らます事が出来ても、ギル様とのこれ以上は難しい。
だから、これは、ギル様のお気持ちを図る為の、ものさしでしかないのだ。
まぁ、ギル様は何があっても心の優しい方。簡単には、私を蔑ろにはしないだろう。だが、きちんとしている人だからこそ、心に嘘もつかないはずだ。私との時間はいずれ意味を成すだろう。
『流石、ヒーラン様ですわ。ギル様の考えを立て、焦らず優雅に振る舞うことの出来るその姿勢と心持ちに大変憧れますわ。』
『それでいて、領政を改善し、その実績を国政にも採用されるなど、知性にも溢れていらっしゃいますもの。』
リース様やラーリン様が私を褒めることで、上手いこと話しの流れを変えてくれる。あれ以上は、話す事もないので助かった。たぶん、二人もそこを察してのことだろう。 二人の言葉に続いて、今日用意した茶葉やお菓子を褒められる。
そんな感じに、その後も、話題が移り変わっていった。
こうして、私の開くお茶会の中での、アリルへの暴言は鳴りを潜めたが、学園の中ではそんな簡単にはいかない。
そう言うのも、私としても疑問に思っているところがある。
ゲーム内の物語では、月に2度のイベントを挟んで少しずつ、攻略対象との仲を深めていっていたはずだ。その時のイベントの回収率と、イベントでの会話次第で、エンディングが変わるというものだったはずなのだ。
それ故に、一度のプレイで全てのキャラのイベントに出くわすという事は、システム上不可能だった。
けれども現実は、365日存在する。ゲーム内で描かれることのない日々が当たり前に存在するのだ。だが、そのせいなのか、アリルは五人全員のイベントを回収し続けているのだ。
ギル様を始めとする、五人の男性とそれぞれ二人きりで話しているところを見られれば、悪い噂が立つ事も当たり前だろう。
まぁ、その全てが本当に偶然のやり取りで。
アリルがまだ、学園内で浮いているからこそ、自由に学園を見回った結果、たまたま話しかけられて、それに応対しただけなのだけども。アリルが悪いと言われたら理不尽としか言いようがない。
ギル様とは本当に偶然会うか、心配したギル様が話しかけているようだ。
マブルはよく、図書館を利用しているのでそこに行けば会えるのだろう。ここで問題なのは、最初に話しかけるのはマブルらしい。まじ、あの義弟なにしてるの!?って感じ。
リンゼン様は、放課後直ぐに中庭でおやつを食べていると、出くわすらしい。訓練が他よりも断然多い騎士達は、結構お腹を空かせていたりするようだ。たぶん、アリルの焼き菓子に引き寄せられたのね。
次に担任のマーダント様は、学園で困った事がないか相談に乗りつつ、雑用を手伝わせているらしい。
最後が、保健医のレクター様。これに関しては、アリルには定期的に転んだり怪我しちゃう呪いがあるんだから仕方ない。てか、保健室での治療をとやかく言われたら、女子は誰も保健室を使えないじゃない。
まぁ、そんなアリルの意思に関係がなく起きた事だとしても、それでも敵となる者に、付け入る隙があるのなら、簡単に刃を向けるのが貴族というものだ。
私は推奨しないが、そういう者は多い。
その事を、アリルはまだまだ理解出来ていないのだろう。マナーは出来ても立ち振る舞いはまだまだね。
だから、私はアリルと相対した。本当に偶然では会ったのだけれど。お茶会の帰り道、交差した道の真ん中で、視線が合ったのだ。ここで、話しかけなければ、無視したようなものだろう。
他の令嬢達もいて数も多い。廊下で長く話す事もないだろうから、私が代表して、簡単に挨拶を交わすだけで良いはずだ。難しい事なんて何もない。
『あら、ご機嫌よう。アリル・ディアネル様。お声を交わすのは、初めてだったわね。ヒーラン・ヴィルランクよ。以後お見知り置きを。』
『ご機嫌よう。ヒーラン様。アリル・ディアネルですわ。こちらこそよろしくお願いします。』
久しぶりの会話は、他人行儀で寂しいものがあったが、嬉しさもあった。それがアリルからも感じられたのが、少し照れくさい。
なんて、そんな雰囲気でいてはダメよね。
ニコッと微笑みを返して、私は歩みを進める。
私は今も元気でやっているから、貴女もこれぐらい堂々としていなさいと、姿だけでアリルを鼓舞出来るように。
横切る際、アリルの顔を横目で見てみれば、気持ちが伝わったのか、アリルも嬉しそうに笑っていた。
言葉なんてなくとも、きちんと伝わるようだ。私の専属の侍女だったのだもの。当たり前よね。
久しぶりの対面は、ほんの僅かな時間であったが、彼女との思い出はまだ、色褪せてはいないようだ。
今ならまだ、摘み採れるのに。そんな気持ちを抱きながら、その日は安らかに眠りについた。
次の日の朝は最悪だ。何故、私は落ち着いて眠れたのだろう。自分の頭の悪さに苛立たされる。
この日の夢は、いつも通りの彼の夢だった。いつも通り、彼の行ってきた事が私の身体に刻まれる。その中で、彼はいつも通り、主婦の人の家の中で、乙女ゲームを始めた。
ゲーム内の私が出てくるのは、ギル様との好感度が少し上がり始めた頃だ。
ゲーム内の私は、貴族としての頭は良い。彼女はした事の証拠隠滅能力やアリバイ作りが上手く、人を操ることに長けている。それ故に、最後まで尻尾を掴ませるような事がない人だった。そんな人が、ただの噂だけの少女に対し、最初から敵意を向けるだろうか?
いいや、そんなことはない。
彼女は最初、相手を観察し本当に自分の敵になり得るか判断していたはずだ。
それまでは、少しずつ揺さぶりをかけるだけのはず。
だからこそ、初対面の挨拶は、本当に短くて、堂々とした出で立ちの中で、余裕のある笑みを浮かべていた。
そう。昨日の私のように。。。
びっくりしました、前回の話、題名ないじゃないですか!?
驚きです。
第七感想で頂いた感想が、誤字脱字多いのと、言葉ミスをなくしましょうだっけど、本当にそうですね。
ちゃんと、直したいとは、思ってるけど、とりあえず完走したいが強いです。遅筆ですし。
とりあえず言っておく事があるとすると
「どうなってるのよ」
では、なくてですね
ごめんなさいです。
空白に意図はないので、題名つけときます




