↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/43

第16話 ヴィルランク領の特産品

案の定金曜日になって、しまいました。来週もそうなりそう、その次くらいからペースアップしたいな

 初めての街見学以降も、兵士の方達と、話を揃えて数日おきに何度か街に足を運ばせてもらった。マブルは来たり来なかったりだ。

 とりあえず、何度か街に行き、色々とみれたので、ギル様へのお土産も無事に買うことが出来た。海の先にあるというアルガスで有名な曲のオルゴールだ。初めて聞く曲がいくつもあって悩んだが、私が一番気に入ったものを選んだ。

 ギル様との交流は、座学が中心なので音楽についての話はあまりした事がなかったので、好みがわからなかった。この機会に、話題にあげてみよう。




 さて、そんな感じで時間が過ぎていき、やっとお父様に時間が出来たようだ。マブルと私を伴って、領地内の産業を案内してくれる。

 業務内容自体は知っていたが、実際に見るのは初めてだ。

 大きな問題が無い限り、お父様自身でも足を運ばないところも多いが、今回は私達が実際に見て把握することが、目的なので数日かけて連れて行ってくれるようだ。


 特産品は他領のものも合わせて、知識としては知っていることも多いが、実際の現場で実物を見ながら聞けるのは、わかりやすくて助かる。


 時期的に、作物はまだまだ、収穫時期ではないが、塩害など対策しておくべきことはたくさんあるようだ。また、検査しきれていない土壌も多く扱いに困っている地域も多いようだ。

 人が増えるなら、街にしても良いが、現状はその予定はないので、土壌を改良して作物を取れるようにしたいらしい。

 見学した地域の畑だけでも、膨大な面積に感じたが、王都に出荷する程の量にも、品質にも満たないらしい。


 漁業は年中、さまざまな魚が取れるようで、見に行った時も、網にかかった大量の魚を見ることが出来た。その日のうちに売ってしまうものと、開いて干して保存できるようにするらしい。

 動物の加工と比べれば、一匹に対する労働量は多くないが、その分作る数を考えると、凄く大変そうだ。


 加工、加工かぁ。人を殺すにあたって、別物として加工するというのは、マリネやお母様で考えたことはあったが、あれは芸術品として考えたものだ。その時一定の時間しか輝かない美しく儚い造形は、見るものを魅了するのではないかと思ったが、食肉加工はどうだろう?


 お父様やマブルで考えたが、あまりしっくりこない。使用人として同行しているアリルやマリネに置き換えてもなんとも言えない。


 食することで、その人を永遠に自身の中で、エネルギー体として取り込むことが出来るようにも感じるが、人の使うエネルギー量を考えるとすぐになくなってしまうような気もする。

 安心させる為に、肉の全てをきちんと食してあげると言っても、喜ばれはしなそうだ。


 死が呼ぶものは死以外には存在しない。私に奪われるその瞬間に意味があるのであって、その後の手間は残されたものへの手紙なのかもしれない。奪われた情景と残された器を見ることで、私自身の脳裏に永遠に残り続けるように刻み続けるのであって、加工してしまい、調理すると、不純物が混ざってしまって、心に濁りを残すようだ。

 うーん、私的には心揺さぶられるものではないな。


 次に訪れたのは、食塩の工場だ。ヴィルランク領の特産品の一つで、海から取れる塩を不純物と分けて出荷している。私の作った塩キャラメルクッキーに使用しているお塩も、ヴィルランク領産のものだ。


 あとは、染物や茶葉など、他領と切磋琢磨していて、差別化するための工夫などを色々と教えてもらった。


 そんなこんなで、色々と見終わって思った事がある。

 海藻は取ってないんだろうか?

 魚や塩の特産品を見て、別のところに移動した時点で、海藻類は扱っていないのかもとは、思っていたが、本当に扱われていないとは思わなかった。


 確かに、料理で海藻類を見たことはほとんどない。私が気になったのも、彼の記憶があり、実際に海を見たことで思い出した事ではある。


 2人目の被害者である奥様が旦那様の為に作った料理は、日本食というものだったはず。その中で出汁を取る為に、昆布という海藻を使っていた。昆布自体は出汁を取った後は取り除かれていたが、ワカメという別の海藻が次に使われていたはずだ。その出来上がったスープは、こちらでは見慣れないものだったので、こちらでは食べ慣れないものの可能性はあるとは、思っていた。なので、昆布のように食されはしないのかなと思っていた。けれど、全く利用されていないとは思わなかった。


 なぜなら、奥様の料理ノートでは、出汁を凄く重視していたからだ。旦那様の為に手間暇かけて作るために、納得がいく出汁を作るために、熱心に研究をしていたように思われる。

 なので、アリルの料理練習を見るにあたって、海藻を使うことはないのか?とは、思ったことがあった。見た感じ、移動が難しそうには見えなかったが、何かしらの理由があって、王都には来ていないのかもとは思っていた。しかし、領地の方でも使われていないとは、思わなかった。


 実際、私は記憶があるだけで、全てが可能性でしかないのだが、旦那様の為に努力を惜しまなそうな奥様が重要視した、昆布出汁を使わないのは、凄くもったいなく感じる。


 ヴィルランク領の海で同じものが取れるかはわからないが、一切試さないのはもったいない話だろう。

 美味しい料理が増えるかもしれないし、領地の特産品も増えるかもしれないのだ。


『お父様、ヴィルランク領では海藻は取れないのでしょうか?』

『海藻?いや、魚の網に引っかかったりもするから、取れないことはないな。』

『でしたら、海藻を収穫したりはしないのでしょうか?』

『そうだな。しようと思えば出来るが、あまり、食用などで使われるイメージは聞いたことがないからな。何かに使いたいのか?』


 うーん、有用性というより、可能性を示す必要があるかな。私の記憶を伝えても難しいだろうし。

 土壌や塩害の勉強とともに覚えたことを使うかな。


『食物として、植物は様々に利用されますが、塩害などで、ダメになってしまうケースはよくあります。けれど、その塩水に浸かり続けながらも、育つ海藻類は、地上の植物とは、また違った特徴があるのではないかと思ったのです。出汁などを取るだけでも、味に深みが増しそうだとは思いませんか?』

『ふむ、面白そうではあるな。海藻に目をつけたことはなかったが、確かに何かしら有用性はあるかもしれない。研究ぐらいしてみても良いかもしれないな。』


 お父様も結構乗り気のようだ。ヴィルランク領で取れる海藻がどういったものかは、あまりわかっていなかったので、研究が必要にはなるが、お父様が手を貸してくれるなら、非常に助かる。


『では、領内で取れる海藻を集めてもらっても良いでしょうか?アリルと共に研究してみますわ。』

『ヒーランがするのか?あ、いや、皇子へのお菓子レシピの研究もしてたくらいだからな。確かに任せても良いだろう。こちらでも、色々考えるが、ヒーラン用にもいくつか用意するようにしよう。』

『ありがとうございますわ、お父様。』


 お父様から、海藻の手配とキッチンの利用許可が下りた。お菓子の次は出汁作りだ。こちらに来てから、バタバタしていたので、アリルも料理出来ていなかったので、喜んでくれるだろう。



 そういえば、領地内を色々みたら、薬学関係のことで栽培や土壌を考えるつもりだったんだが、、、今回は見送りだろうか?


 お父様にお願いして、許可も取れてしまったのだから、今回は海藻類で特産品を作れるように頑張ろう。




領地では、お薬を考える話にしないとなぁ、と思ってたのに、別方向に進みました。なんでだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。