第七十一問
ちょっと前、硬直から一足早く抜け出した時計屋は全員から少し離れたところで運命屋にヘッドロックをかけられていた。
「い、痛い痛い、痛いから! 師匠?!」
「仕事だけはキッチリやりなさいって言ったわよね。何不手際やってるのよこの馬鹿!」
「はぁ? 何言っているんですか、ボクはもう『咎守』やってませんよ!」
「過去のはあんたの責任でしょうが!!」
ぎゅうううう、ヘッドロックの力がさらに増す。
「あ、あのとりあえずぼくたち話がしたいんですけど」
「ああ、そうね。それからだわ」
ヘッドロックから開放された時計屋はふらついた頭を振って、目の前に居る人物を見て驚いた。
「えっと、あ、影無君」
「どうも、時計悪魔。元に戻れないんだけど、どうすればいい?」
「えー、自動で解けるように設定したはずだけど? ちょっと見せて」
時計屋はほむらの首の時計を見た。しばらく様子を確認して納得したらしく、ほむらに向き直る。
「あのさ、君人助けしすぎ」
「「は?」」
驚きの理由にほむらもそらも口には出さないが運命屋も呆気に取られた。
「もともと十二人も助ければ解けるはずの代物だよ。何、二十四人も助けてるのさ。普通に解けたのにもう一回つけたでしょ」
「あ、そういえば」
ほむらには覚えがあったらしく頷いた。
「でも、何故外見が戻らないんだい?」
「そりゃあれから八年たったんだよ。外見年齢だって成長しているはずだよ」
「それでもおかしいよ、まだぼく中学生だよ」
「あ、そっか。何でだろ?」
うーん、と考え出す一同、運命屋の背後に何か黒い影がちらついた。
時計屋が気が付きとっさに運命屋を突き飛ばした。
文句を言おうとした運命屋の目の前で時計屋は槍に腹を貫かれた。
「レヴィ―――――っ!!」




