第六十五問
LAN武様、ヒョウガ様、レフェル様、you様 感想ありがとうございます。
・・・・色々進めないとなぁ
「それにしても凄いな、ここまで凍らせるなんて」
見渡す限り一面の銀世界、そんな中を明也たちは歩いている。
「氷龍殿と言えば仙界の住人では?」
ふと思い出したことを悠悟が口にする。
「あー そうですよ。天海にも魔界にも人間界にも属さない、精霊にすら分類されないのが龍だって言ってました」
「あれ? じゃあ、俺は………」
龍星が口をはさむ、龍星は炎竜と狼のハーフだ。
「そっちの竜とも違うんですよね。龍は…なんて言うか体が名前のものそのものでできているんですよ。例えば氷龍は冷気でできているんです。存在しているだけで自然環境ぶっ壊すからめったに出てきません」
「そういう自然を具現化する龍と対話する能力があるのが『龍憑き』ってわけ」
「普通は『魅入られた』って表現するけどあれは何で?」
今度は時計屋が口をはさんだ。
「本当にそれなんですよね。気に入った人間に憑くと言われてて、氷龍の奴もそれが理由でおれを選んだそうで」
「へぇ、そんな理由があったんだ」
『龍憑き』になった頃には銀はもう居なかった。『龍憑き』だと知ったのは二回目の魔族侵攻が解決した後、明奈の連絡が入ったからだった。
「もうそろそろ龍の加護も消えるようだ」
サタンが呟く、全員が前を向けば広く黒い平原が広がっていた。
◎
「懐かしいなぁ、この平原が焼野原だった頃に人間界で師匠に拾われたんだよ」
「そういえば運命屋様はお元気ですの?」
運命屋こそが時計屋の師匠である。時計屋に関しては辰也が広めたあだ名だが、運命屋は本業だ。自分の、そして他人の運命を操ること、それが運命屋の仕事なのだ。
「あの人ねぇ、多分戦場か何かでドンパチやってるよ。生きていれば、それでいいよ」
「そうですの。ご無事でいらっしゃるといいですわね」
平原に足を踏み入れる。はっと何かに気が付いた銀が叫んだ。
「皆! 伏せて!」
指示に従い全員が伏せた。その頭上を何かが通り過ぎた。銃弾だ。銀が離れしていたからこそ出来た芸当だ。
「敵の位置を確認、エル・ベア」
《了解した》
銀が指示を出した次の瞬間にはかなり遠くで何人かの悲鳴が聞こえた。
「ほう、腕がいいな」
「もう居ないみたいだよ」
サタンが銀の行動の速さに関心する。銀は様子を見て行動してもいいと指示を出した。
「にしてもスナイパーに縁があるなぁ。おれたち」
「だね。と言うより僕が縁があるのかな職業柄」
「銀君、明也君、とりあえず進むよー」
前を見れば時計屋がもう既に歩を進めていた。
明也と銀はぽかんとしてたが不意に顔を見合わせて笑ってしまった。
その笑いは二人にしかわからないのだろう。
「二人して何笑ってんだ?」
二人の行動に気がついた拓麻が尋ねる。
「内緒だよなぁ、兄ちゃん」
「そうだね、明也」
また笑う二人に時計屋が再度声を掛けた。
「早く行こうよー。この先も険しいからー」




