第六十問
LAN武様・you様・レフェル様 感想ありがとうございます。
進まない進まない。あ、いつものことですよね?
「ほかげ、本当に大丈夫? 顔赤いよ?」
お前のせいだよ。と言い返したいのだがもどって言えない。これが恋か、勘弁してほしい。重い、ぐらぐらする、そのくせふわふわしたり気分がおかしいよ。内心そう思いながらほかげの頭は解けそうなぐらい判断能力が失せていた。
「ほかげー?」
「だいじょうぶ?」
「かおまっかー」
三人娘が心配する。
「大丈夫、(一応)大丈夫だ」
「本当に顔色悪いよ?」
ほかげの様子を見ようと銀がほかげに顔を寄せた。
「わわっ、近づくな!」
「! ・・・・あ、ごめんね」
「あ、いや そういう意味じゃねーよ」
そこに銃声が聞こえた。
「「!」」
元々の軍経験からなのか二人の反応は周囲を見渡すことだった。
そこに男の悲鳴が上がる。見れば明奈たちに玲汰に喰われる男の姿があった。
◎
目の前にはロープでぐるぐる巻きにされて廃人の様になった男が転がされている。
別に廃人になったわけではないのでご安心を、玲汰は本来の能力を取り戻したことで加減が出来るようになっていた。
「にしても何でぼくらを狙ったのやら?」
「別に俺たちじゃないんじゃないか? とりあえずこれ、明奈の所でどうにかしてもらえるか?」
「うん、大丈夫だよ。にしても便利だね。その力」
「そう言ってもらえるとありがたいぜ」
玲汰からしてみれば若干忌むべき力なのだが仲間にそう言われるといいかという感じになる。
◎
その光景を横目で見ながらほかげが呟く。しかし一行の足は止まらない。
「・・・・多分、俺を狙ったんだろうな」
「何でさ?」
銀が不思議そうに尋ねた。
「脱国、実験施設破壊、実は国の滅亡に関わりあり。これで狙われないわけないだろ?」
「そうかも、それにしても滅亡した国の残党がこんなのんきな極東の島国で何やってるんだろうね」
「さあ? 知らん、それに俺はただこいつらと穏やかに生きたいだけだ。復讐だとかそう言うものには興味はない」
凜と言い切ったほかげに銀は見とれ、はっと我に返った。そして呟く。
「・・・・・決めた。僕が守るよ」
「は?」
「僕がほかげの事守るよ」
「え、あ・・・えっと・・・その・・・・」
ほかげの顔が赤くなる。しかし、次の一言でかちりと固まった。
「だってさ、ほかげ意外に危なっかしいもん」
「え?」
「この前だって、自分の命優先しないであの子たちを優先するし。そう言えば最初に会ったときもさ―――――――」
一瞬、何かがガラガラと崩れるような感じがしたほかげだった。
「・・・・・・」
銀としては気恥ずかしさから言った言葉なのだがほかげにとってみれば欲しかった言葉を言ってもらえなかったわけなのだ。こうして若干の擦れ違いを起こしつつ、この二人は進んでいく。
明也が電話を掛けた先は・・・・・
「あ、鍵斗君?」
『ふぁぁ、どないしたんや? 明也』
鍵斗だった。鍵斗は随分と眠そうだ。
「今、暇か?」
『まーまー暇やけどどないした?』
「ウチ来てくれないか? そこで事情は話す」
『わかったで』
鍵斗との通話を切った。
そしてもう一方の方に電話を掛けた。
「あれ?繋がらない」
「暇じゃないんじゃない?」
「じゃあ・・・こっちかな」
仕方なしに明也は最終手段に電話を掛けた。
◎
「こ、これで大丈夫ですか?」
「おお、いいんじゃないか? それなら本人と思われないし」
一方、武晴たち。碧の変装がようやく終了した。服装はボーイッシュに、帽子は同じものを使っているが目深には被っていない。代わりに色眼鏡をかけている。これだけ変われば誰かも分からないだろう。
しかし、武晴は気がつくべきだった。机の上に置かれた携帯に着信が入ったことを。そこには『着信:木原 明也』と表示されていた。




