第四十五問
LAN武様・レフェル様 感想ありがとうございます。
久々に時計屋回です。
銀と明奈が戻ると朝食担当だった明也と深紅がビニール袋の中身を聞いてきて、中身を教えると明也が若干渋い顔をする。
「えー、蕎麦まで来たのか?」
「うん、どうしよう」
「お昼にでもするか」
「やな、朝はこれ食わないといけんし」
前日作りすぎた料理の残りがまだある。
「あはは・・・・お昼案採用で」
そんなわけで昼が傍に決定した。
◎
朝食前、リビングに辰也たちが集まった。
「あー昨日勉強しまくったし今日は遊ぼうぜ」
「うーん・・・・どうしよう」
苦笑いしつつ時計屋が他の三人を向く。
「ごめん、僕はパスで」
「私はちょっと仕事が入ったからパスね」
「俺もこいつに付き合ってパスだ」
「えーつま・・・・」
つまらない、と言おうとした辰也の脳裏に何か動画のようなものが鮮明に表れた。
赤のメッシュが入った青い髪をツインテールにしたガリガリの人物が楽しそうに笑うのだ。しかしその人物の背後には黒い・・・何かはよくわからないものがあり。その人物を狙っている。
「どうしたの?」
「あ、いや(誰だ?さっきの奴、敵・・・・ってわけじゃねーし・・・それ以前に殺されかかってるだろアレ)」
「なんか「視た」のか」
「あ、ああ・・・・」
恢のその発言でさらに新しい映像を見てしまう。
そんな様子など全く気がついていない悠悟が時計屋に声を掛ける。
「そういえば彼は僕の同類なのかい?レヴィロット」
「まーねー」
未来予知が可能という点では合っているだろう。
「レヴィロット?何だそれ?」
「ボクの本名、長いから大抵レロって呼ばれるけどね」
「え、時計屋の本名?!」
悠悟を除いた学校の面々は同じ反応を示す。
「何でみんなそんな反応なのかな?」
「時計屋は時計屋だってみんな思ってるから」
「はいはい、別にいいよ「レロ」も日本語訳すれば「時計屋」って意味に一応なるし」
「へぇ」
意外な事が判明した。
◎
朝食後、恢と瀬里奈が仕事に向かい、銀も出かけようとする。
「じゃあいってき「銀!!」
銀の言葉を遮るように辰也が声を掛けた。
「? 辰也、どうしたの?」
「・・・・嫌な予感がするからさ・・・死ぬなよ」
辰也の顔がいつになく真剣だ。その真剣さが伝わったのか銀も真剣に答える。
「・・・分かった。用心するよ」
「うん・・・・」
去って行く銀の姿を不安げに見つめる辰也だった。
そんな辰也に時計屋は声を掛ける。
「辰也、何か視えた?」
「・・・・ああ」
これは絶対に話してくれないなと踏んだ時計屋がさらに声を掛けた。
「あのさ、頼れないくらい時計屋レロは無力なのかな?」
「・・・・・そうじゃ・・無いけどさ」
時計屋が強いことも、凄い力を持っていることも分かってはいる。しかし、時計屋に話してどうなるのだろうと信じられない自分が居ることに辰也は驚いた。
「うーん・・・・やっぱり、トラウマ?友達無くしたの」
「っ 何で?!」
一度もいったことが無いはずの己の過去を言われて辰也は混乱する。
「・・・辰也のこと知ってるもん、なんてね。ボクは他人の人生も見えるから」
「あ・・・」
時計屋のさびしそうな笑顔が時計屋の気持ちを表していた。時計屋はどんな人生でも「視える」のだ。それこそ望まない他人の人生でも。
「知ってるよ。辰也が大切な人を助けようと頑張ったのも、そのせいで友達なくしたのもね」
「何かストーカーみたいだな」
「なっ、その例えはひどいよ!結構気にしてるのにー」
ぷくーとむくれる時計屋の顔を見て辰也は何処か救われたような気持になる。
「ははっ、なーんか元気でた」
「それは良かったよ」
辰也も笑って、時計屋も笑う。何処か穏やかな雰囲気が充ちていた。
そんな頃、隣の家・・・・というより屋敷
そこの屋敷の背後にある家の屋根裏からこっそりと黒い筒が伸びていた。銃口はまっすぐとほかげたちが引っ越してきた屋敷を向いている。
「・・・・裏切り者の排除を」
銃の傍でほかげたちの様子を双眼鏡で確認する覆面姿の男がそう呟いた。




