第四十六問
LAN武様 感想ありがとうございます。
今回、見る人によっては重く感じる表現があります。ご注意ください
隣の家のチャイムが鳴る。
「へーい」
家主であるほかげが出てみると、旧友というか戦場の敵と言うべきかそんな人物が立っていた。
「やあ、ほかげ」
言わずもがな銀である。
「よ、銀 らっしゃい」
「あれ?だーれ?」
チャイムの音を聞きつけたのか百鬼荘の門に居た少女に加え、長い黒髪にすんだ水色の目の少女に乳白色の髪に赤色の目の少女がやってくる。
「俺の知り合い」
「「ほかげの?」」
黒髪と乳白色の髪の少女がそろって首をかしげた。
「えっと・・・ほかげ、この子たちは?」
完全に見慣れないこどもに驚きたずねる銀、するとほかげの顔色が一気に悪くなる。
「あー中に入れ」
「あ、うん」
◎
こどもたちが遊びに興じるのを見ながら、唯一開封した荷物であるソファーに腰かける二人。
「で、あの子たちは・・・・・」
銀の言葉にほかげが気まずそうに答える。
「あー、あの国でな人体実験に遭っていたんだ」
「うそ、あの国はそんなことまで?!」
「ああ、胸糞悪い話だ。親も国籍もわからないガキを捕まえてきて超能力の実験台していたんだ。どこかの教授が編み出した理論あっただろ『能力育成論』」
「うん、覚えているよ。でもあれは不可能に近いものだよね」
一時期は騒がれたのだが、ふたを開けてみると絵に描いた餅のようなもので不可能だと分かり、人々から忘れ去られていたのだ。
「ああ、だがあの国の頭はどっかでとち狂ったらしくてな。実現のための研究をしていやがったんだ」
「そんなことを・・・・・」
只の無意味な実験じゃないか。その言葉はほかげの心底怒りに満ちた表情の前にしたので飲み込むことにした。
「で、俺はそこの組織をつぶしたってわけ」
「ってことはあの子たちは・・・・」
銀の憶測が正しければ・・・・・。
「そう、被検体ってわけだ」
「そんなことが・・・・」
銀は口ごもる、ほかげは本当に悔しそうな表情をしていた。
「ほかげー?」
「どうしたのか?」
ほかげは無理に笑顔を作ろうとしたが、こどもにはわかるようで心配そうな顔をした。
「いたそうなかおしてるよ」
「なんでもないぞ。そっちで遊んで来い」
「「「えー」」」
三人が同じような反応をする。
「何でだ?」
「ダンボールいっぱい、あけないとだめだよ」
ダンボールだらけで全く引っ越し作業が進んでいないのだ。ほかげは物のない生活を送っていたためあまり気にしないのだ。ちなみにこの荷物は国から逃げた後どうにかして探し当てた自分の生き別れた両親に話したところ送られてきたものが殆どだ。
「あ、忘れてた」
「僕も手伝うよ、男手必要でしょ?」
少女三人と軍関係に居たとはいえとてつもなく細身の女性の四人だけでは確実に時間がかかる。
「・・・・頼む」
◎
一方、明奈と深紅がとある森の中を歩く。
「きょーおもーしーごーとー」
若干音も外れつつ明奈が歌う、今回は万屋の仕事のようだ。
「歌わんでもええで」
「ししょーがいけばーいいーのーにーぃっ!!」
それこそ怒りに任せたような終わり方をした。
「大丈夫かえ?」
「うん、大丈夫。イラついているだけだよ」
明奈が満面の笑みで答える・・・・
「笑顔で言うことないで」
目が笑っていないが。
息を吸い込み明奈が叫ぶ。
「あはははははははh、師匠のドアホ――――――――っ!!」
「かなりキとるな・・・・」
師匠に仕事を押し付けられたらしい、怒りボルテージはMAXになりかかっていた。
後ろの家の屋根裏
「まだ、まだだ」
双眼鏡を必死に覗き込む覆面の男の視界にはほかげの姿が完ぺきに捉えられていた。まだ撃つ気は無いらしい。
☆
「(銀、気がついてるか?)」
「(うん、結構な重装備みたいだけど気配の消し方が下手だなぁ)」
銀たちは存在には気がついていた。




