第二十九問
レフェル様・LAN武様・レックス様 感想ありがとうございます。
一向に進まない本編と・・・・百鬼荘ピンチ?
深い森の中、黒い髪をお下げにした黒コートに黒の編み込みブーツ、金の懐中時計を首から下げ、紙袋を抱えた少年を先頭にぞろぞろと奇妙な一団が動いていた。先頭を含めて疲労気味だ。
「・・・・・・なーなー時計屋ーまだかー?」(結構ぎりぎり
「飛んでいけば早いんだけどね?」(ちょっと疲れ気味
「僕らは飛べないもんね」(平気♪
「そうだねー」(元気!尻尾ふりふり
「というよりなんで皆さんばててるんですか?」(普通くらい
「お前らが異常なんだよ」(バテ気味
「・・・・・・」(もう無言
なんで? と首をかしげる三人
「森なんてうちの庭みたいなもんだし」
「わたしの家、森だもん」
「日々トレーニングしてるからね」
その発言を聞いた武晴と鍵斗がジト目で三人を見た。
「お前らどういうとこで幼少期過ごしたんだよ・・・・」
「・・・・・(コクン)」
「あ、見えてきた」
「マジっ」
目の前には百鬼荘並みの大きな洋館が立っていた。
「「「で・・・・・・でかっ」」」
「結構大きいねー、明也」
「そうだねー」
「ほんとうだね」
動じないのは明也と琉生瀬と銀の三人だけだった。
三人ともこれ以上に大きな建物は実家にいたころに毎日見ていたと言うより住んでいた。
時計屋が慣れた手つきでドアのノッカーを叩いた。
「セラさんいらっしゃいますかー」
『はい、しばらくお待ちください』
綺麗な声と共にパタパタと誰かが走る音がした。
「お待たせしました」
「どうも」
「あら?お友達?」
時計屋の背後に居る6人?を見たセフィラが時計屋に笑いかける。
時計屋は頭を掻いて苦笑いをした。
「・・・・・まあ」
「どうも、時計屋の親友の神谷辰也です」
辰也がそう切り出した。
「えっと、時計屋君とは同じクラスの木原銀です」
「後輩の木原明也です!」
「藤崎琉生瀬だよ!」
「同じく後輩の荒瀬武晴」
「次元の守人の代理人で後輩の金橋鍵斗や」
次々と自己紹介をしていく六人、セフィラはその様子を嬉しそうに見ていた。
「あらあら、いらっしゃいませ。大したおもてなしもできないと思いますがゆっくりしていってくださいね」
「「「「はい」」」」
中に入った後、時計屋がセフィラに持っていた紙袋を渡す。
「あ、これ さっきりんご買ってるのは見てたんでたまには違うものも良いかなぁって思って」
「まあ、おいしそうなレモンね」
「あ、あの・・・その・・・」
「じゃあ今日はレモンパイにしましょうか」
「ありがとうございます!」
早速時計屋は修理にかかった。どうやらパイが焼きあがるまでに直す気でいるらしい。
「♪~」
鼻歌も歌い上機嫌の時計屋を眺めながら辰也がぼそり。
「なぁ、時計屋の奴超上機嫌じゃないか?」
「だね。何でだろう?」
首をかしげる銀、琉生瀬が思いついた!と言わんばかりに耳をぴんとした。
「美味しいのかな?レモンパイ」
「じゃないか?」
琉生瀬の意見に賛成する明也、時計屋のことはよく知らないので憶測が立てられないのだ。
「ちゅーより時計修理してるからやろうな、あいつ時計修理するときは超上機嫌やし」
「・・・・・なんだ、つまらん」
個人的には時計屋とセフィラの関係性を考えていたらしい武晴が呟いた。
それが聞こえていたらしく明也が首をかしげる。
「武晴君、何がつまんないの?」
「いや、何でもない」
◎
一方変わって百鬼荘のバルコニー
「月がきれいだなぁ」
「やね」
二人が月を眺めてぼぉっとしていた。
月を眺めていた明奈のおなかが鳴った。
「・・・・おなかへったぁ」
「何か作るかえ?」
「・・・・・お願いします」
勢いよく頭を下げた。
深紅がキッチンへ向かった後も明菜はバルコニーに残っていた。
「(うん、ごめんなさい。別の意味でおなか減ってます。って言ったら大問題だよねー)」
遠い目をする明奈、あまり使わない吸血鬼の力を使ったせいで吸血衝動が出たのだ。
「どうしたのなっちゃん?」
「なんでもないんだよー(超バットタイミングだよ、つっちゃん)」
「そうなんだ。そういえばさっきね――――――」
世間話をしだすつぐみを横目に見ながら明奈は内心汗ダラダラだった。
「(本気で逃げて!頼むから逃げて!)」
「どうしたの?顔色悪いよ?」
「にゃはははー 大丈夫、大丈夫 とりあえずさー、さっき龍星さんが呼んでたよ」
もちろん嘘である。
これ以上一緒に居て血を吸ってしまっては拙い。
「あ、そうなの?行ってくるねー」
「いってらー」
一人になった明奈がポツリと一言。
「おなかすきました。色んな意味で」
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