第二十五問
LAN武様・レックス様 感想ありがとうございます。
レッツゴー魔界?
仕事だとかなんだとかで呼び出された恢と瀬里奈が家に帰り、残った辰也と銀が時計屋について廊下を歩く。
「んで?さっきのあれ、どういう意味だ」
「ああ、あれね」
廊下を歩く三人だがふとした瞬間に辰也の脳裏に紫色で描かれた魔方陣と白い髪の美しい女性の映像が浮かぶ。
「・・・・・?」
「あ、視えた?」
「お、おう」
時計屋が扉を開ける、そこには淡い紫色の光を放つ魔方陣の書かれた鏡があった。
驚く銀と辰也に向かって笑顔で時計屋は告げた。
「魔界、行かない?」
二人ともぽかんとした顔をしていたが銀の方が復活早かったらしく慌てて時計屋に質問する。
「え?魔界って行けるの?!」
「当然、ボクを何だと思ってるの?」
「あ、そっか時計屋君は悪魔なんだから魔界に行けて当然だね」
「そういうこと」
どうにか辰也の方も復活したらしい、疑問を口にする。
「で?どうするんだ」
魔界に行って何をする気なのだろうか。
「観光でも行かない?楽しいよ」
「観光とかってできるのか?何か魔界っておどろおどろしい感じがするんだけど」
「別にちょっとレトロな街並みで歩いているのが全員異形ってだけだよ?」
「そこまで楽観視して大丈夫か?」
「まーまー レッツゴー!」
二人は時計屋に背中を押されて鏡の中へと入って行った。
◎
百鬼荘のとある一室、そこに深紅と明奈だけが居た。
ここは彼女たちの秘密の部屋で義賊紛いの行動をする時に集まる部屋なのだ。
「んで?今回の依頼はどんなんや?」
「うーん、普通のやつかな。大切な宝物がとられたから取り返してってやつなんだけど・・・・」
明奈が言いよどむ。
「だけど?」
「依頼が魔界の魔族からの依頼でね。取られた物、その名も「ムーン・ナイト」」
「「ムーン・ナイト」? ちょっと待ちや、それってまさか」
「そう、魔界では普通の宝石だけど人間界にとっては普通じゃない宝石、通称『夜を呼ぶ石』」
『夜を呼ぶ石』「ムーン・ナイト」それは魔界においては普通の宝石だが人間界においては永久の夜を呼ぶ魔の石とされる。そのため人間界への持ち込みは禁止されている宝石である。
「・・・・つまりや、持ち込み禁止の「ムーン・ナイト」を持ち込んだ輩がおる訳やな」
「だろうね、依頼によると犯人はこいつ」
明奈がファイルの中から一枚の写真を見せる。長い黒髪に病的なまでの白い肌が特徴的な美しい女性だ。
「普通に綺麗な女の人やないの」
「普通、だったらいいんだけどね。彼女、吸血鬼なんだよね」
「なんやて」
「吸血鬼が人間界に魔界の月を持ち込んで何をやりたいのか分かんないけどまずいヤマかも」
◎
鏡を抜けるとそこはヨーロッパを思わせるレンガの街並みでした。
「すっげ――――!!」
「魔界なんて初めて来たよ」
「んじゃ、案内するよ着いてきて」
しばらく道を歩く彼らの横を林檎の入った紙袋を抱えた白く長い髪をした朱い目の女性が通り過ぎる。
時計屋の姿に気づいたのか嬉しそうに声を掛けてきた。
「あら、レロさん」
「あ、セラさん?!」
時計屋の表情が一気に変わる。
彼女の名前はセフィラ、周囲からはセラの愛称で親しまれている。
「帰って来るなんて聞いていませんでしたがどうかしましたか?」
「あ、いえ 特に用事もないんですがちょっとふらふらーと帰ってきて・・・」
頭をかく時計屋、その顔は若干赤い。
「学校の方は頑張っていらっしゃる?」
「はい! 毎日楽しいですよ」
「それは良かったわ、また屋敷の方にもいらしてね」
「あ、はい」
そこでセラと別れた。
「~♪(ああ、こんなところでセラさんと会えるなんて何で運がいいんだろう)」
「おーい、時計屋ー?」
全く辰也の声が聞こえないらしく鼻歌を歌いながら進んでいく時計屋の肩を銀が叩く。
「あ、ごめんごめん 何か言った?」
「機嫌良いね。あの人、彼女さん?」
「そそそそそんな訳ないよ。あの人は仕事先の奥様、子供もいるし、旦那さんもいるの。そんな人に横恋慕する訳ないでしょー」
時計屋が慌てたようにバタバタと腕を振った。普段の彼ならまったくもって見れない行動だ。
「そりゃそうだよな。で、何処が良いんだ」
「そりゃ、優しい笑みに美味しい料理、しかも性格は最高!まさに慈母ってや・・・・ちょ、何言わせるのかな!!」
「いーや」(ニヤニヤ)
「うぅ・・・・」
もうそろそろ可哀そうかなと思った銀が話題を切り替えようと話しかける。
「ところで、レロって?」
「ああ、ボクの名前だよ。短縮してるけど」
そう、彼の名前はレヴィロットというのだ。
「「ええっ?!」」
「いや、なに?!」
驚く二人に驚く時計屋
「時計屋って本名が時計屋だと思ってた」
「違うからね!大体、時計屋って辰也が広めたあだ名だからね!!」
「あ、そうなんだ」
広がった原因は辰也にあるようだ。
◎
所変わって百鬼荘の別の一室
そこに明也と武晴と鍵斗、琉生瀬の四人?が居た。
「・・・うし、魔界に行くで」
「ま、魔界?行けるのか?」
ふつうこんなに軽く行けてもいいのだろうか。
「行けるぞ、こいつの能力は『鍵使い』さらに『次元の守り人』の代理人も務めているんだ」
「へぇ、鍵斗ってすごいんだね!」
「『次元の守り人』って確か『咎守』とも呼ばれる悪魔だよな」
「・・・そうや、よう知っておるな。あいつのおかげもあって俺は異次元世界も移動できるんや」
明也の知識に驚く鍵斗、本来その情報を知っていることはありえないはずだ。
ちなみに明也の知識は祖母の受け売りである。
「へ、へぇ・・・・・」
「ほな、いこか」
鍵斗が取り出した鍵を模した身の丈ほどもある大剣が壁にゲートを開けた。
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