第二十六問
LAN武様 感想ありがとうございます。
義賊屋コンビと今日も平和な百鬼荘
とあるレトロな洋館の庭に生えている巨木の枝の上、そこに恢と瀬里奈が乗っていた。
今回の仕事は警察からの依頼でここに来るという義賊を捕まえることだった。
「で? 件の義賊が来るのっていうのがここなのか?」
「そうよ」
招いてくれたこの館の女主人の顔を思い出す。
あんな綺麗で優しげな人が誰かから何かを盗むような人だろうか?
それとも外面だけは良くて中身は極悪非道なのだろうか?疑問は尽きない。
しかしそれ以上に気になるのは・・・・
「にしても何で警察が義賊を捕まえたいんだ?」
「そうよね、いいことしてるなら放っておけばいいのに」
瀬里奈の意見は至極真っ当である。
警察以上に人々の役に立っている義賊は今やお茶の間のヒーロー的な存在になっている。
ふと、瀬里奈が空気が切り裂かれるのを感じた。
「・・・・・あ、来たわね」
「だな。どんな奴が義賊なんだろうなぁ」
◎
瀬里奈たちの居る方と反対側の警察の死角になっている所にあった影から黒いジャケットを羽織ってほぼ全身黒づくめの明奈が現れた。滅多に使うことは無い影を使った移動方法である。深紅も同じ方法で「ムーン・ナイト」が保管されている部屋付近に転送済みである。
「(気配がだだ漏れなんだよなぁ、あの子たち。さぁて、どうしようかな)」
いつも面倒を見ている恢と瀬里奈の気配に明奈はあっさりと気がついていた。
「(ふぅん、ま ぼくは囮だし。派手にいこうか♪)」
ニマリと笑った明奈は糸のついたグローブを嵌めなおし爆竹に火を点けた。
◎
一方、深紅
「(ここやな)」
件の宝石が保管されていると言う部屋を見つけ、侵入した。
中には長い黒髪に病的な白い肌の女性が立っている。
「いらっしゃい、義賊を名乗る泥棒さん」
「・・・・(なんやこいつ、妙な気配しかせえへん)」
明奈は吸血鬼だと言っていたがそれ以前に妙な気配がするのだ。
「それにしても美味しそうな娘ねぇ」
舌なめずりを女性、警戒を解かずに深紅は女性を観察した。
「・・・(なんや、急に眼が赤・・・・・)」
ドガン 派手な音とともに女性の方の壁が崩れ明奈が受け身を取りながら転がって来た。
丁度深紅の少し前で止まり素早く立ち上がる。
「わりぃ、派手にやりすぎた!」
「・・・・・まあ、ええよ」
明奈が派手なことをよくやるのは深紅も承知しているので、少し驚いたがそこまで驚くことでもなかった。
「ふぅん・・・・立場交代、アタシがやるよ」
女性を見た明奈が急にそんなことを言い出した。
ちなみに明奈はこういう仕事の際はばれないようにか一人称や口調を若干変えているのだが、それにしては若干妙だ。
「急にどうしたん?」
「これ持って先逃げとけ」
黒く美しく、それでいて可笑しな雰囲気のある宝石のついた小さな指輪を明奈は投げてよこした。
「あ、それはっ」
「おねいさん、悪いけどアタシが相手になってやるよ」
「・・・・・(何でキレとるんやろ)」
明奈は怒ると師匠そっくりになったりする。
言葉遣いの雰囲気が明奈の師匠に似ているので深紅は気がついた。
「つーわけで頼んだ!」
「おう、頼まれたで!」
深紅が別の場所へ向かったのを確認して明奈は告げた。
「さぁて、殺ろうか」
◎
所変わって百鬼荘
「平和だね、芹ちゃん」
つぐみが玲汰の背中を撫でながら言った。
「そうだね、つぐちゃん」
芹香が玲汰の首元を撫でながら言った。
「だな」
龍星は玲汰の頭を撫でながら言った。
「何で俺はよってたかって撫でられているのだろうなぁ」
玲汰は三人に撫で繰り回されながら呟いた。
「「「もふもふしてるから!」」」
「・・・・そうか?」
本日の百鬼荘も平和なようだ。
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