第二十三問
LAN武様・レフェル様・レックス様 感想ありがとうございます。
明奈サイドからスタートです。
その頃、学校の宿直室
明奈はテーブルの上に突っ伏した。
「うだー、宿直は面倒だよぉ」
「というより何で俺もなんだ?」
「そうだよ」
宿直のはずなのに何故か生徒である龍星と芹香が一緒にいる。
慌てて体制を直して明奈が言う。
「あ、すみません。ぼくが暴走した時用のストッパーお願いします」
「「暴走?」」
それなりにコントロールできているはずの明奈が「暴走」などという単語を出してきたので驚く二人
「何でもこの月夜が魔界の月夜なんですよ」
「魔界の?!何でなの?」
「原因は不明、でも魔界の月夜には「魔」を活性化させる力があるんです」
「明奈ちゃんと何か関係が?」
あまり「魔」というイメージが百鬼荘の面々の中では割と薄い明奈が何処に関係があるのだろうか?
「ぼくもまがりなりに吸血鬼、それに首無し騎士も夜に現れるものなんです。その力が増幅されるということにもつながる可能性があるんです」
「なるほどな、それにしても誰がこんなことを・・・・」
「目下調査中とのことです」
◎
時計屋宅
「戻ったよー」
時計屋がリビングに向かうと辰也が集めたのか全員がリビングに居た。
「時・計・屋?心配していた俺たちの身にもなれこのバカ!!」
「うにゃぁ!」
心配していたのも相まって全力で時計屋をはたく辰也、すると時計屋の口から普段絶対に出てこないようなセリフが出てきた。
「「「にゃぁ?」」」
「って、時計屋・・・それ」
時計屋の頭には赤い耳、お尻の辺りには赤と黒の縞々の尻尾が出ていた。
「虎の耳・・・・だね」
『なるほどな、それでか オレより強力な力の気配があったのは』
低重音の渋い声が響き渡る。姿は見えないがエル・ベアの声だ。
「おおっ、やっぱ違和感バリバリなんだけど」
「うぅ、よくわかんないけど この月、普通のやつじゃないみたいでさ。体が獣の方に近づいてて」
「時計屋って獣が本体なの?」
「正確に言うと獣に変身可能な人型って言う方が合ってるね」
玲汰や琉生瀬の反対を考えていただければいいだろう。
「なるほど、虎なんだ」
「そうなんだよね。最近こっちになってないから力の入れ具合間違えると拙いし、なるべくなりたくないんだよなぁ」
「へぇ、俺見てみたいけどな。やっぱあれなのか、赤い虎とか?」
何かデフォルメの威厳のない赤くて紫色の目をした虎のイメージが全員の脳裏を掠った。
「うん、それはそうと大丈夫かな」
「何が?」
「ボクですらこんな状態なんだよ・・・・弱い人たちの力が一気に跳ね上がったら・・・・」
弱く力のコントロールも未熟な者たちの力が跳ね上がって、コントロールが利かなくなり暴れまわる姿を想像してみた。
「・・・・阿鼻叫喚・・・かもな」
「そうよね」
「時計屋、何とかできないのか?」
「上司に陳情くらいしかできないよ。だってボク、下っ端だもん」
悪魔でも一応身分みたいなものがあるようだ。
◎
一方百鬼荘、無事に人狼を倒した玲汰が帰って来た。
「明也ぁぁぁっ」
明也に向かって全速力で
「玲汰!わたしもいる!わたしもいる!」
琉生瀬が傍にいることに全く気がついていないらしい、そのまま突っ込んでくる玲汰に顔を青くした琉生瀬が慌てて明也から離れる。その直後、玲汰が明也に突っ込んだ。
「うぐっ」
またもや腹にいいのが決まったようで、明也が若干苦しそうな声をあげる。
「あ、明也君?大丈夫?」
「明也、大丈夫か」
「明也、大丈夫かえ?」
「・・・大丈夫かいな」
ピクリとも動かなくなる明也を心配する面々、するとどうにかこうにか明也が起き上がろうとした。
「・・・・死ぬかと思った」
そこに琉生瀬が玲汰に文句を言うために明也の体に飛び乗った。
「ぐ・・・・」
「玲汰!明也が怪我したらどうするの?!」
「あれ?琉生瀬、何でいるのさ?」
「二人とも居なくなっちゃったから寂しくなってこっちに来たんだよ!」
「二人とも・・・・どいて、潰・・・れ・・・」
頑張っていたのだがついに重さに耐えかねて明也が倒れた。
目を回している辺り完璧に気絶したのだろう。
「「明也?!」」
驚く二匹とは対照的に静かに見ていた面々が悟ったように呟いた。
「動物に好かれるのも大変やな」
「・・・・・うん」
「ああ、とりあえず運ぶか」
「・・・・そうするか」




