第二十二問
LAN武様・レフェル様・レックス様 感想ありがとうございます。
自キャラ二強ついに降臨です。
その頃、時計屋宅
先に風呂から上がった時計屋と辰也が湯気を立てつつ部屋に向かおうとして、
「・・・・・あ」
時計屋が外を向いて、足を止めた。
「時計屋?」
肩口に触れた辰也の脳裏に一瞬だが悪魔姿の時計屋が魔方陣を呼び出す映像が流れる。
「っ」
「いや、うーん・・・・・」
辰也の様子を気に留めることもせずに時計屋は悩んでいた。
「時計屋らしくないじゃんどうしたんだよ」
普段だったら曖昧に答える自分を見抜く側の時計屋が悩む姿を新鮮に思いつつ辰也が声を掛ける。
ちょっと考える仕草をしていた時計屋がふと外に顔を向けて目線をそのままに言った。
「辰也、みんなを連れてしばらくリビングに避難してて」
「?! 何だよ急に」
「確かにまあ予想はしてたし、ありうるなぁとは思ってたけどさ・・・・」
「いや、だから急にど ヴンっ――――――――――――え?」
何処からか召喚円が呼び出される音がした。外を見ると庭には大量の不気味な召喚円が溢れだしている。
「っ もう来た?!」
時計屋が素早く窓の外に飛び出す。髪は黒から赤に変わり、全身から淡い紫の光が零れだした。
「時計屋!!」
「辰也たちは避難しておいて!!」
「お、おう・・・・・時計屋・・・・死ぬなよ」
「大丈夫だよ。こんな雑魚一発で蹴りをつけるからさ♪」
満面の笑みで答えた時計屋だが辰也が逃げたのを確認すると真面目な顔をして相手と向き合う。
「さぁて、辰也とも約束したしとっとと倒しますか」
◎
その頃、百鬼荘
「玲汰!」
「どうしたの?」
「あ、つぐみちゃん 玲汰が飛んでいっちゃドカン―――――え?」
「ちょっと今の何?!」
何処からか破壊音のようなものが起こり、塀の向こうに犬の頭がちらりとのぞいた。
「・・・・・人狼だ。しかもかなり強力な」
「嘘・・・だよね・・・・何でこんなものが」
人狼は危険なため一定以上の強さの者は封印を施されているはずである。
「って、玲汰ぁっ!」
「ストップなんだよ!」
飛び出そうとした明也を赤い生き物が止めに入った・・・・のはいいのだが明也の腹にいいものが決まったのは気のせいだろう。
「うぐっ・・・って琉生瀬?!」
「久しぶりなんだよね♪」
赤い毛並みの漆黒の目をした中型犬サイズほどの狼が尻尾をぐるんと回して嬉しそうに答えた。
「えっと・・・この子知り合い?」
「うん・・・・故郷の森に棲んでる魔獣の王で玲汰とは長い付き合い」
「魔獣の王様?! 何でこんな所に?」
「だって、明也は『こうこうしんがく』で町を出ちゃうし、玲汰は明也を追って出かけちゃうんだもん! 寂しかったんだよ!!」
ぷんすか怒る姿はとても王とは思えなかった。
「何か騒がしいけど、どうかしんたかえ?」
「ふぁぁ、どないしたんか?」
「騒がしいんだが」
物音に気がついたのか深紅たちがやって来た。
「深紅ちゃん!荒瀬君!金橋君! 大変なんだよ。人狼が!!」
「人狼?・・・・おおっ」
「そっちは?」
「えと・・・幼馴染」
「とことんまで動物に好かれるなお前」
「・・・うん、そうかなーって薄っすら自覚はあったんだよなぁ」
妙に煤ける明也、まあソニアに始まり色々な動物系のモノに好かれているのだ。身体被害もこうむる率が高いが。
「ってちが、玲汰が!!」
「だーかーらー!明也が行ったら危ないんだよ!少なくとも、わたしレベルじゃないと!」
「琉生瀬レベルって・・・・」
それこそ明也の祖母といった本当に強力な力の持ち主でないと無理だ。
ふと外を見ると光の柱が出来上がっていた。
「えっ・・・何?」
◎
「ふぅ、こんなものかな」
時計屋が額の汗をぬぐう、目の前には召喚円から出てきた魔物たちがうず高く積まれていた。
「それにしても誰なのかなぁ、こんな門開けたの」
伸びをすると体がポキポキと音を立てた。よほど運動しない日々が続いていたのだろう
「とりあえず戻ろう、みんなも心配してるし」
呼び出した魔方陣で山となった魔物を何処かへと送った時計屋だった。
◎
『何故だ。俺の力はいつになく最強のはずなのに』
「それが命取りなんだよ。ばーか」
普段は見せない覇気を纏った玲汰が目の前で倒れている人狼に向かって言い放つ。
「吸魂獣に勝てるって考える方が甘いね」
『・・・・まさか、『赤の鉄槌』』
『赤の鉄槌』とはかなり昔の玲汰のあだ名で狼の中では知らない奴もいないほどだ。
「今更気がついたの? まあいいや お前の魂、頂くよ」
玲汰が人狼に飛び掛かった。




