第5話 夜になった
居候さんの家って相当分かりにくい所にあるみたいだ。
私も、この世界にきてから数年しか経っていないから。
道案内するのは無謀だったかも。
さすがにククリも申し訳なさそうな顔になって来る。
「あのー、頼んでおいてなんですかっ。もう大丈夫なんでっ!」
「いいの? ここら辺は治安良いっていうけど、まだまだ夜は危険だよ」
「田舎程じゃないでしょう。私目も、可愛い乙女ですが、完全に無防備ではないので!」
何とかなると、拳をしゅっしゅと突き出すククリ。
だけどちょっと心配になってしまう。
私と別れた後に何かあったら、きっと後悔しちゃうだろうから。
「やっぱりもうちょっと探すよ。野宿は危ないし、最近事件ばっかりだったから」
子どもが攫われたり、魔道具とかの詐欺事件が頻発したりしたし。
それを聞いたククリがえーと声を上げる。
「聞いてない! 聞いてないよ! 姉ちゃん、あたし、驚きすぎて心臓がびっくりしましたが!」
あれ、田舎には伝わってないのかな。
向こうの世界と違って、電話があるわけじゃないしこんなものなのかも。
とりあえず、もう少しウロウロしていたら、幸いにも居候さんが出歩いていたようだった。
今日くらいにククリが到着するかなと思って、道で待っていてくれたみたいだ。
良い人だ。
「ありがとうございますシノンさん! これ一生の恩人ですよ!」
ちょっと大げさすぎるかも。
でも、これくらいの事で、そんな風に喜ばれるのは悪い気はしなかった。
「シノンさんは優しくて良い子ですなー。今日のあたし、感謝感激! 嵐突風台風!」
その後、ククリと手を振って別れたら、ギルドに帰る道に精霊が待っていた。




