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第1話 終わりは加速していく
ハルジオンの空気がピリついている。
災厄が、とかもうこんな時期が、とか皆何か言ってるけど、全然良く分からない。
皆、何か隠してる。
でも、私に力がないからなのかな。
肝心な事、全然教えてもらえない。
終わりは加速していく。
目に見えない所で。
劇は終幕へと近づいていく。
舞台で踊っている役はそんな事は分からない。
明日も、この日常が続いていくと、平気でおもっていた。
その時まで、
いつも通り魔法の練習をしていた私は、ある時驚いた。
なぜなら、普通は見かけないものを見つけてしまったからだ。
それは、精霊。
この世界には色々な生き物がいるけれど、精霊はちょっと儚い生き物。
何かあるとすぐに死んじゃう。
ストレスでもすぐに弱っちゃう。
だから絶滅危惧種みたいな扱いをされていて、めったにみかける事がないんだ。
でも、それが目の前にいたから、おどろいちゃった。
「え、精霊?」
見かけたときの私は、きっと目が点になっていたに違いない。
まぶたをごしごししてみたし、ほっぺをつねってみたけど。
どうやら本物みたい。
そんな珍しい背霊が目の前にいたら、うーん、
これ、どうしよう。




