第7話 かつて冒険者だった女性
アロマ・ラブラトッテは、かつては冒険者だった。
冒険者として、エデンの探索に毎日時間をさいていた。
仲間たち数人と毎日その日暮らしの生活をしていたが、不思議と不満はなかった。
エデンには謎が多く、少しでも何か遺物のようなものが見つかれば、それは興味深かったからだ。
しかし、アロマ・ラブラトッテは今は錬金術師として店を出している。
それは、冒険者としての日々の中で仲間を失ったからだ。
生き残ったのは自分ひとりだけで、仲間は全て命を落とした。
どこかの施設に入り込んで、見たこともないものばかりの光景に浮かれていた。
だから、そこに潜む「何か」にふいを突かれて、なすすべもなかった。
アロマがそこから逃げ出せたのはただの運だろう。
自分たちは何でもできる、どこまでもいけると、その日までは思いあがっていた。
けれど、心が折れてしまった。
だから、冒険者をやめる事にしたのだ。
今はそれなりの日々を送っている。
好きだったこともできるし、生命の安全が脅かされる事もないのだから。
しかし、そんな穏やかな日々は長くは続かないかもしれない。
アロマには予感があった。
最近になってたびたび夢の中に仲間たちが出てくるのだ。
何かいいたげな顔の仲間たちが。
けれども、アロマはどうする事もできなかった。
今までにエデンに再び足を運ぼうと思った事はある。
花を手向けるために、一度だけでも足を向けようと。
しかし、それでも足が震えて、向かう事ができなかったのだ。
だから、アロマの出来る事なんてない。
そのはずだ。




