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ゼロの軌跡(白の系譜)  作者: リィズ・ブランディシュカ
第9章 恋と甘菓子

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第7話 かつて冒険者だった女性



 アロマ・ラブラトッテは、かつては冒険者だった。


 冒険者として、エデンの探索に毎日時間をさいていた。


 仲間たち数人と毎日その日暮らしの生活をしていたが、不思議と不満はなかった。


 エデンには謎が多く、少しでも何か遺物のようなものが見つかれば、それは興味深かったからだ。


 しかし、アロマ・ラブラトッテは今は錬金術師として店を出している。


 それは、冒険者としての日々の中で仲間を失ったからだ。


 生き残ったのは自分ひとりだけで、仲間は全て命を落とした。


 どこかの施設に入り込んで、見たこともないものばかりの光景に浮かれていた。


 だから、そこに潜む「何か」にふいを突かれて、なすすべもなかった。


 アロマがそこから逃げ出せたのはただの運だろう。


 自分たちは何でもできる、どこまでもいけると、その日までは思いあがっていた。


 けれど、心が折れてしまった。


 だから、冒険者をやめる事にしたのだ。


 今はそれなりの日々を送っている。


 好きだったこともできるし、生命の安全が脅かされる事もないのだから。






 しかし、そんな穏やかな日々は長くは続かないかもしれない。


 アロマには予感があった。


 最近になってたびたび夢の中に仲間たちが出てくるのだ。


 何かいいたげな顔の仲間たちが。


 けれども、アロマはどうする事もできなかった。


 今までにエデンに再び足を運ぼうと思った事はある。


 花を手向けるために、一度だけでも足を向けようと。


 しかし、それでも足が震えて、向かう事ができなかったのだ。


 だから、アロマの出来る事なんてない。


 そのはずだ。



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