第1話 堕ちたエデン
私達の世界の頭上には、大きな大陸が浮かんでいた。
それは人々から、落ちた楽園と呼ばれている。
この世界の人間達は、遥か昔その楽園で過ごしていたらしい。
ホソボソとしてしか語られていない歴史だけれど、どの地域の歴史書にも書いてある事柄らしい。
遠い昔の人達は、空に浮遊する美しい庭園で幸福に暮らしていた。
誰もが笑顔で、苦痛や悲しみなどない生活を。
けれど、そんな日々はある時を境に崩壊する。
禁忌の果実。
そう呼ばれている赤いリンゴを人間が食してしまってから。
人間のその行為の結果、楽園は穢れ、人々は生きていけなくなった。
住みかを亡くした者達は、別の場所でーー地上で生活しなければならなくなった。
楽園は今も空にある。
けれど今では、面影はまるでない。
昔とは様変わりしてしまっている。
人々は、その楽園に定期的に訪れていたが、それは住むためではなかった。
穢れの象徴である魔物が増え過ぎないように狩って、平和を保っていた。
私達のギルドも、エデンの魔物の討伐をする事がある。
一か月に一回か、二回。
他のところに比べると全然少ない回数だけれど、魔物からとれる牙とか鉱石とかは高く売れるので、苦労してでも討伐に向かっているのだ。




