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第1話 スフレフィクション・アンサードール
この残酷な世界で、何よりも嫌いなのは何だろう
色々あるけど。
とにかく私は、私だと言うよ。
だって無力で何もできないからね。
私がもっと優秀だったら、この物語はいくつかマシになったかもしれない。
でも、そうじゃなかったから、あんなにもひどい最期を迎えてしまったんだ。
研究室。
どこかの科学者の悪意。
実験台の少女。
それでも軌跡は、奇跡を起こす。
何の意味もなくなる、まばゆいばかりの奇跡を。
私は、奇跡が憎い。
「大丈夫ですか?」
声をかけられた。
気が付いたら、私は助け出されていた。
誰だろう。
「あなたはだれ?」
私は私を助けてくれた人を、女の子を見つめた。
月色の瞳をした彼女の名前は、スフレフィクション・アンサードール。
安心させるような微笑みが、私の心を闇の中から救い出してくれた。




