第2話 姉の様な存在
スフレと私はすぐに仲良くなった。
年が近かったからなのかな。
彼女はしっかりもので、私の面倒をよく見てくれた。
私にとっては、お姉ちゃんみたいな存在になった。
父と母に次ぐ位置にいる、家族のようなものだ。
世界に色がついていく。
長かった暗闇の時代が、明けていく。
それでもエンディングを照らす事のない、無慈悲で優しくて温かい、太陽の光が。
ハルジオン シノンの部屋
小さな部屋で目が覚めた。
気が付いたらベッドから落ちていたようだ。
あたりに毛布や枕が散らばっている。
そう、私は寝相が悪い。
元の世界でも、散々ベッドから落ちたから、敷布団になったのだ。
そんな私の顔を覗き込む少女がいた。
フライパンの底にお玉をぶつけながら。
「シノンさん。シノンジェラート・アンサードールさん。お勉強の時間ですよっ!」
私より少し年上のその少女の声は、不機嫌。
だけど敵意は感じられない。
呆れられているみたいだ。
あの日から、ずっと寝起きが悪いから。
「まだ眠いよ~、あと五分」
抵抗の言葉を述べたら、さらにおたまの連打がはげしくなった。
部屋に甲高い音が響き渡る。
「駄目です! 駄目ですってば、瞼を閉じない!」
「ええ~」
引っ立てられて、着替えを押し付けられる。
のろのろ動いていたら、冷たい布を顔に押し付けらえた。
よだれとか、目やにとか、ふきとってくれてるみたいだ。
これじゃお母さんみたい。
「ほら、シノンさん、行きますよ」
「ふぁーい」
着替えが終わったら、手を引かれて部屋から出る。
シノンは、この世界の名前。私に与えられた名前だ。
アンサードールは、お揃いの名前。




