二人だけのパーティー
「そう言えば由奈ちゃんのキャラクターってレベルどのくらい?」
夕食を済ませ、部屋へ戻りエリシアを起動した僕は、更新がインストールされる待ち時間に壁越しで由奈ちゃんへと問う。
さっきの“お兄ちゃん大好き”がまだ耳に残ってはいるけど、妹ってこういうものなのかもしれないと、自分の中で整理する。
「あたしのキャラはまだレベル2だよ」
レベル2か……。今日の更新で新エリアが解放されるけど、由奈ちゃんと冒険する約束をしているから、新エリアはまた今度かな……。
「分かった。なら今日は最初の街の辺りで、由奈ちゃんのキャラのレベル上げを手伝うよ」
「ホント!?お兄ちゃんありがとうー!」
そんな話をしていると更新が終わり、僕はエリシアへログインした。
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『こんばんは!』
『こんばんは!』
『こんばんは、カナタ、ユーナカリアさん』
『カナタさん、ユーナカリアさんこんばんは』
僕と由奈ちゃんがほぼ同時に挨拶すると、スズタクさんと柊さん(ミオリネさん)が返事をくれた。
『カナタとユーナカリアさんは今日は同伴出勤か?』
『どーはんしゅっきん……ってなに……?』
「ねえ、お兄ちゃん。同伴出勤ってなに?」
チャットで聞くのと同時に、壁越しにリアルでも聞いてくる。
いや、どう説明すればいいんだこれ……。
『スズタクさん、ユーナカリアからリアルで聞かれました……。答えにくいことを言うのはやめてください……』
『スズタクさん、下手したらセクハラ発言ですよ……』
『はははは……!すまんすまん。おっさんのジョークだと思ってやり過ごしてくれ』
スズタクさんはそう言うけど……こっちはジョークじゃ済まないんだよ……。
僕は苦笑しながら画面を見つめた。
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『それより、カナタさん。新しく実装されたエリアに行ってみませんか?』
『ミオリネさんごめん。今日はユーナカリアのレベル上げを手伝う約束をしてるんだ』
『ミオリネさんごめんね。今日はあたしがお兄ちゃんを予約してたの(汗)』
『わかりました。そういう事なら仕方ないですね。では次の機会にでもカナタさんをお誘いします』
『うん。その時は頼むよ』
『ミオリネさん、もしよければ俺と新エリアに行ってみないか?』
『わかりました』
『それじゃあユーナカリアは僕と行こうか』
『うん!お兄ちゃんお願いします!』
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「そう言えば、由奈ちゃんは今どこにいるの?」
「え……?えっと……トリスタって街。そこにあるトリエステ城ってお城の前にいるよ」
トリスタ……一番最初の街か。
「分かった」
僕はアイテム欄から瞬間移動スクロールを使い、トリスタへ移動した。
◆◆◆
(え~っと……確かトリエステ城のところに由奈ちゃんがいるって言ってたな……)
キャラクターを操作しながらユーナカリアを探していると、城の入り口で目的のキャラクターを見つけた。
「由奈ちゃん来たよ」
「あ、お兄ちゃんだ!やっほ~!」
由奈ちゃんはユーナカリアを操作して僕のキャラクターへ手を振る。
「とりあえず、由奈ちゃんにパーティーの招待を送るよ」
「なんで?」
「パーティーを組んで敵を倒すと、経験値がパーティー全員に入るんだよ」
「なるほど……」
「そういう訳だから、ユーナカリアにパーティーの招待を送るね」
「うん、分かった」
僕が招待を送ると、すぐにメッセージが流れた。
『【ユーナカリア】さんがパーティーに加わりました!』
「よし、それじゃあ行くよ」
「うん!」
僕はカナタを移動させ、ユーナカリアと共に街の外へ向かった。
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