始まりの始まり
物語はここから始まった。
「これで、終わりだ」
「これで、終わりよ」
人型でも獣型でも植物型でもないただ無二の存在。
一方は居るだけで最悪を呼ぶといわれ、もう一方は居るだけで実りを与えると呼ばれるだがそれはこの『二』にとってはどうでもいいことだった。
なぜならばこの『二』の決着、それこそが世界を左右するのだから。
全てが漆黒で染まった男は全てが純白の女に対してすべての魔力を込めた一撃を放つ
それと同時に全てが純白の女は全てが漆黒の男に対し聖剣で対抗する。
「黒龍の黒炎」
「白竜の聖剣」
互いに眷属にしたのは超古代竜
竜はプライドが高いため普通には自分以外を認めようとせず力さえ貸そうとはしない。
だがその超古代竜達は力を貸す理由があった
それは単純にして明快、彼と彼女はそのプライドすらも凌駕してそして互いに絶望的な強さだからだ。
「ほう、これで終わりにするのではなかったのか?」
「それは貴方も同じことでしょ?」
彼の利き腕に巻き付くかのように黒龍が居る。
見た目は小さくはかないものだがそれは違う。
現に私の白竜に対して一歩たりとも引きを取っていないのだから。
「まだもうちょい出力を上げれるんだがなお前がここまでとは正直がっかりだ」
「・・・」
彼の利き腕に竜が巻き付きそして腕から肩そして背中へと黒龍の鱗が伸びる。
それと同時に魔力が跳ね上がるのを感じた。
「ムムム」
「何度も聞いたな、そのセリフピンチになった時いつもお前が言うセリフだ」
「ですが、それでも負けるわけにはいきません、私は多大な犠牲のもとやっと貴方にたどり着いたのです、わたしがやらなければ今まで犠牲になっていったものに申し訳がたたないのです」
「ああ、あの雑魚どものことか」
「雑魚とは何ですか雑魚とは!!」
「だってそうだろ、部下の『七』のうちの『一』さえ倒すのに苦労しいくらの人間が死んだことか、まあっ勇者とかっていったか?あれはなかなかでしたよなんてサタンからは報告受けたがな」
「なるほどです、私達の戦力と貴方たちの戦力では大分違うのですね」
「まあそうなるな、それが分かればおとなしく降参しろ。
魔王に弄ばれる女神ほど面白いものはないからな」
「ムムム、貴方はいつからそんなにかわってしまったのですか昔の貴方は・・・」
「黙れ」
彼には昔の面影がない
あの頃は立場を気にせず楽しくできたのに、今となっては互いの立場・守るべきもの・その他大勢のために闘わなくてはならない。
「何を言っても無駄のようですね、私の白竜の聖剣にもまだ上はあります」
「だろうな」
彼はさも当然のように答えた、何故ならこれは彼とともにお互いの立場を無視して遥か遠き日の私達が修行したものの一つだからだ。
あの時は楽しかった、一緒に狩りをして天界では食べれないような食事を食べて野宿をして風呂を覗かれそうになったら攻撃して本当に遊んで、そして一番うれしかったのは私にくれたプレゼント。
街で売っていて買ってくれた
彼曰く私がすごくほしそうにしてたからとのことだ。だから私もお返しに彼に同じものを買った。
そんなこと彼は忘れているんだろうな、などと思い
私は聖剣の力をさらに上げる。
彼も黒炎の力をさらに上げる。
「なんで、こんな運命なんだろうな」
「ムムム!?」
彼は悲しい声で私に近づき黒炎を放った。
私は一瞬で間合いに入ると彼を切り捨てようとした。
だがそれには一瞬の躊躇があった。
なぜなら彼は私が送ったイヤリングをつけていた。
私とは対称的なイヤリング、私は左につけ彼は右に付けているからだ。
そして私を殺すには十二分すぎるほどの時間が彼にはあった。
なのに私は死んでなく私は反射的に彼を殺してしまった。
「ワアアアアアア」
彼は最初から分かっていたのだ。
私がギリギリ死なない程度の力を
そのうえで私に殺される道を彼は選んだ。
あのイヤリングさえ見なければ、
今懐で笑顔でやり遂げた顔を見なければ
私は本当のことを気づかなかったのに・・・。
聖剣は魔のものすべてを破壊する力をもっている。
だが私は思った。
世界の掟を破ってでも彼を助けたいと。
あのころのような無邪気に遊べる時がまた来てほしいと。
だから私は祈りを思い賭けに出た。
「私もそっちへと行きます」
本来ならあり得ないこと
どっちかが決着がつけば終わるはずのことだった
だがそれを魔王『死亡』女神『自殺』としたことでこの世界の歯車が狂いそれを修正するために急遽異世界から来た一人の付加魔導士に呪いがかかりその子は私達の力を受け継ぐ人柱へとなってしまった。




