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三十八話 再会 2

う〜ん、でも、今更逃げるのも何かアレだし。まず他に逃げ場なんてないし。


「あ、あぁ……か、翔君……」


というか、ララドーラはもう逃げても無駄なくらいにまで俺達に接近してしまっているし。


……じゃあ、もうどうする事も出来ないじゃないか。


「…………あの、ララドーラ? ええと、ど、どうしたの?」


という訳で俺は腹を決め、ララドーラにそこにいた真意を問い掛けてみる事とした。




「うぅ……うぅ……」


だと言うのに、ララドーラは呻くばかりでなかなか話し始めようとしない。今の彼女は生徒達に囲まれているという訳でもないのに。


だがしかし、それだとご近所の目がいつこちらへと向けられてしまうかも分からない。


そう考えた俺はさっさと椿、そしてララドーラを自宅に押し込み、我が自宅でその話を聞くと決めた。


という訳で、今は全員が俺の自室にいる。


一応メンバーの名を挙げておくと、俺、椿、ララドーラ。


最後に女神様だ。そう、この人まーたウチに上がり込んでゲームをしていたのだ。


「…………」


でも、今回ばかりはこの珍事に出会した事で動揺しているのか、流石の女神様もゲームをする手が止まっている、それどころか声まで出せないようだ。


「…………」


「…………」


まあ、それは俺と椿も同じなのだが。だって会話のメインは俺達じゃなく、ララドーラなんだから。


と、そうして待ち続ける事数分が経ち、ララドーラはそこで漸く閉ざされていた重い口を開けた。


「わ、私……私……!! 魔王軍、クビにされちゃった……!!」


放たれたのは衝撃のその一言……でも、ただそれだけ。


それだけを言い放つと、ララドーラはまた呻いているのか、それとも泣いているのかも分からないような状態へと戻ってしまった。


…………でもそんな彼女には悪いが、正直掛ける言葉なんて見つからなかった。


だってソレ、俺達にとっては朗報だし。でも今のララドーラにはとても「おめでとう!!」なんて言えない空気だし……




翌日、俺はまた今日も学校に……


分かっている、何もかも放り出して進めようとしている訳じゃない。あの夜はまあ色々とあった。


でも、きちんと解決したんだ。ちょっと無理矢理な方法かもしれないけど……だから、それを今から話そう。


まず結果から言うと、ララドーラは暫くの間ウチに居候する事で決定した。


まあ、彼女の姉である女神様だっていつもいつでも入り浸っているんだし、相変わらず両親は不在だからそこは良い。


良い……けど、そこに収まった理由が『魔王軍を辞めたとは言え女神様の所に戻るのは嫌だから、俺の所に暫くお邪魔させてもらう』なのはちょっと納得いかない。


ウチをそんな気軽に、避難所みたいに使うのはやめてもらいたいからだ……とは言っても、現状は致し方ないという事で渋々了承はしたけど。


そして女神様も、最初のうちはララドーラを家(実家、だろうか? っていうか女神様に家とか実家とかあるんだろうか?)に戻そうと説得を続けていたが。


最終的には「まあ、翔君の所にいるなら少しは安心かもね、それじゃあ翔君、この子の事をよろしくね」と言い、ララドーラが我が家に滞在するのを認めたのである。


……まあ、これにも言いたい事がないと言えば嘘になるけど。


でも、それはさっきと同じような内容だし。そしてこれもまたさっきと同様、もう俺が了承してしまったのでこれ以上は何も言わない。


ちなみに、ただ一人何もかも分からぬまま、話を進められていた椿はと言うと……


「……何にもできなかったなぁ。ま、まあ良いや! またね、か、翔……し、市奈々井君!」


などと言って、何故だかちょっと不満げな顔をしたままそそくさと帰って行ってしまった。


まあ、せっかく遊びに来たのによく分からない話を聞かされたんだから、当然と言えば当然か。


ならその埋め合わせに、また会いに来たその時はとことん付き合ってあげようかな。

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