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三十三話 決戦 ララドーラ!! 3

「う……なかなかしぶといわね翔君!! もう無理なんだからさっさと諦めなさいよ!!」


「その逆さ!! 俺は最後の最後まで諦めない!! さっきも言ったはずだぞ!!」


ララドーラの攻撃を躱しつつ、俺は妙案を頭から捻り出そうと知恵を絞り続ける。


それは口で言うほど簡単なものでは決してなかったが。そうしなければ俺自身の、そして生徒達の命はここで尽きる事となるだろう。


そう、やらなければならなかったんだ。だから俺は、是が非でもという気持ちでそれを続けていた。


まずは武器だ、それがないと何も始まらない。それでええと、俺の持っていた剣は……あった!


……けど、そこは壁の隅だ。


その場まで走って取りに行き、取り戻してからまた戦闘に戻ると言うのは流石に難しいだろう。というか、ララドーラがそんな事を許すはずがない。


なら、代わりのものを……とは言え、魔法は使えるけど、でも真正面から馬鹿正直に放っていたのでは意味がないし。


他に持っているものと言えば、亜香里がくれた『剣ぐるみ』くらい。しかし、流石にこれを戦いで使うと言うのは無理……


いや、そうでもないかもしれない。


よしよし、やっと希望の光が見えて来た。お次はどうやってララドーラを倒すかを考えよう。


武器を手にした所で、ボスを撃破するビジョンが見えていなければまたグダグダと戦闘をしてしまうだけだろうからな。


とは言え、コイツの事は正直あまり詳しくはないが、とにかく……ええと、女神様がコイツについて教えてくれた事は、確か……そうだ!!


……よし、これで武器をどうするかも、ララドーラの弱点も思い出す事ができた。


つまり、もうこれで俺は勝てるって事だ。


さあ、そうと決まったのだから早速行動に移すとしよう……




「よし、それじゃあ反撃開始だ!! 行くぞララドーラ!! 」


「あら翔君、やっぱりまだ諦めてないのね? もうどうしたって無駄、アナタの負けは決まっているって言うのに……フフフ、でも私は優しいから、最後のお情けとして少し待っていてあげる。さあ翔君、アナタは何をするの?」


そして遂に、ララドーラへの反撃を宣言した俺がまず最初にした行動とは……


「おい皆、もう大丈夫だ!! この場所に詳しい人が見つかったぞ!! 俺達を出口まで案内してくれるってさ!!


だから皆も早くこっちに来て、この人にお礼の言葉だけでも伝えておくんだ!! しかもコスプレ美女だぞ!? 男子は特に早く来た方が良い!!」


「……え? か、翔君、アナタ何してるの……!? って言うか、コスプレ美女って私の事……!?」


そう、守るべき存在なはずの生徒達を、ボスであるララドーラへと接近させる事であった。


一体何故そんな事を……と、言いたくなるのも充分によく分かるが、それはいずれ分かるので今は秘密にさせてもらおう。


まあ、それはともかくとして。


「えっ!? 市奈々井君、それって本当なの!?」


「何言ってるんだ、絶対本当だよ!! だってその証拠に、あそこに本物のコスプレ美女がいるじゃないか!!」


「そうと決まれば、私達も早くあの人にお礼を言わないと!!」


生徒達は俺への恐怖よりも、『助かった』という感情が勝ったのだろう。


俺からの指示なので仕方なく、という風ではなく。素直に心から礼を伝えたい、といった様子で俺達、と言うかララドーラへと一直線に向かって来た。


「確かに美人……だけど。近くで見ると、やけにコスプレが本格的過ぎるような……」


「バカ!! そういう事言うなよ!! 元々この人はコスプレ会場にいたのに、俺達が危険なのを知ってわざわざここに駆け付けてくれたのかもしれないだろ!!」


「確かに、そうかも……コスプレ美女さん、本当にありがとうございます!!」


「え、えぇ!? ちょ、ちょっとアナタ達やめなさい!! ちょ、やめ……離れなさいってば!!」


そうして瞬く間に囲まれるララドーラ……すると。


その直後、そんな彼女の身に変化が起きた。


「ちょ、ほ、本当に……や、やめてぇ……」


突然にも、集団の包囲を嫌がるララドーラの声が次第に小さく、弱々しくなり始めたかと思うと。


次は段々と彼女の顔が赤く、そして呼吸まで早くなり出し。最終的にララドーラは、破れた赤い風船のように成り果ててしまったのだ。


まあ簡単に言えば、赤面し、身体をまるで空気を抜かれた本物のフーセンそのもののように萎めているというか、縮こめているというか。とにかく、そのような感じにである。


……このような事、一体誰が予測できただろうか?


ただし、俺はそうなる事を読んでいたから、『ただ一人を除いて』の話なんだけど。

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