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僕っ娘魔導師は今日も忙しい  作者: 藤桜


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06【家】

 アルラと噴水広場で話し待って居るとギルドに行ったレイサが戻って来た。

 僕とレイサはアルラと別れた後、今後お世話になるレイサの住む家に向かった。

 町の中心部から離れていくと人通りは減っていきお店が無い静かな住宅地みたいなエリアに入った。


「あの一番奥にあるのが私の家よ」


 指した方を見ると小さなログハウスのような一軒家がある。

 一人暮らしにしては少し大きい。

 魔法を使い玄関の施錠を解き、家の中へ入ると自動で照明が点いた。

 家の見た目とは裏腹にかなりハイテクなんだけどこれも魔法なのかな?

 レイサは靴を脱いで家に上がった。

 この世界は玄関で靴を脱ぐスタイルらしい。

 

「靴はその辺に置いといていいわ」

「わかった。ねぇ、玄関に杖を置いといていい? ずっと持ってると疲れるんだよね」

「ナギサは収納魔法使わないの?」

「何それ?」


 どうやらこの世界では武器などを異空間に収納して自由に取り出すことが出来るらしい。

 そう言えばレイサの弓矢もいつの間にか無くなっている。

 もっと早く知りたかったよ。地味にこの杖重いんだよね……。

 杖を収納した後、レイサに家の中を案内してもらった。


「まずはここがリビングとキッチンよ。ある物は自由に使って良いからね」

「わぁ~。お洒落だね」


 リビングには立派な暖炉とソファ、巨大な本棚があるだけで元の世界のようなテレビやエアコンのようなものは無い。

 しかしなんだか落ち着く空間だ。

 続いて僕の部屋を案内してもらった。


「ここがナギサの部屋よ。何もないけど好きに使ってね。ベッドと布団はさっきギルドに行ったついでに買っておいたから後で届くわ」

「何から何までありがとう。それじゃ今後お世話になるしお礼に夕食作るね」

「楽しみにしているわね」


 僕はキッチンへ行き夕食を作り始めた。

 まずは食材確認からだ。

 冷蔵庫を開けると見たことない食材もいくつかあったが不思議と何かわかってくる。

 料理は手伝いくらいでしかやったことないのになぜだか思うように出来る。

 この世界に来た時なにか能力でも付与されたのだろうか?

 あっと言う間に1品料理を作れてしまった。

 味も問題ない。この調子でもう2品料理を作りリビングにあるテーブルに並べているとナギサがやって来た。


「わぁ~。盛り付け綺麗。ナギサ料理上手なのね」

「そ、そうかな? 冷めないうちに食べよ」


 僕とレイサは食事を始めた。

 料理の腕は自分でも驚くほどに上手だった。

 どの食材同士を合わせればどんな味になるのか何となく分かる。

 やっぱりこの世界に来てから色々変わっているみたいだ。

 

「これ美味し~。なんて言う料理なの? ナギサの故郷の料理?」

「えーっと、オリジナルなんだよね」

「オリジナルでこのクオリティ!? 凄いわね」

「えへへ~」


 料理を褒められるのってなんだか新鮮で嬉しい。

 褒められて成長するって言うけど確かにこれならもっと頑張っちゃうかも。

 食事を終えレイサと少し話した後僕は部屋に戻るとすでにベッドとその上に布団が用意されていた。

 夕食を作っている間にレイサが準備してくれたのだ。

 僕はベッドの上に横になった。ふかふかのベッド最高!

 気持ち良いお風呂に入って美味しいご飯を食べたから睡魔が僕を襲い抗う理由もなくそのまま眠ってしまった。

 

「んっ……。あれ? ここは……夢?」


 僕は何もない真っ白な空間に一人立っている。

 しかし夢だと認識できるのに目が覚めない。どういうこと?

 辺りを見渡しても真っ白の世界が続いているだけだ。

 しかし何でだろう? この世界を僕は一度見たことある。

 すると突然目の前にあのローブの男が現れた。不思議と驚かなかった。

 これで疑問が確信に変わった。やっぱりこの世界に来るときの場所だ。

 

「新しい世界はどうだ?」

「どうって言われても……まぁなんとなくやっていけそうかな?」

「それは良かった」

「そもそもあなた誰なんですか?」

「俺は――」


 ローブの男が名乗ろうとした時、目が覚めてしまった。

 外を見るとまだ真っ暗だ。

 

「(はぁ……眠れなくなっちゃった。にしてもあのローブの人は一体……)」


 眠くなるまでなにか本でも読もうと思いリビングへ向かった。

 本棚にあるのはもちろん日本語じゃないがメニュー表同様やっぱり読める。

 その中から一冊手に取った。その本はこの世界の冒険物小説みたいだ。

 読めばその内眠くなるだろう。

 僕はソファに座って本を読み始めた。

 これが意外と面白い。小説はあまり読まない方だがこれはスラスラ読めてしまう。

 数ページ読んだところであることに気が付いた。

 それはこの小説の登場人物にローブ姿の男性魔導師が登場しているからだ。

 単なる偶然? でもローブ姿の魔導師なんて定番だから被るのは不思議ではないがこの人物の説明で想像できる人物像にあのローブの男が重なる。

 気にし過ぎなのかな? と思って居るとリビングにレイサがやって来た。


「あれ? ナギサこんな夜中にどうしたの?」

「ちょっと眠れなくて。本読ませてもらってるね」

「自由に読んで良いわよ。何か飲む?」

「うん、ありがとう」

 

 レイサは冷蔵庫から飲み物が入った瓶を取り出し2つのコップに飲み物を注いだ。

 それを持ち僕の分をテーブルの上に置くと一緒のソファに座った。


「その小説本当にあった話しを素に作ったみたいなのよ」

「そうなの? それじゃぁ登場人物ってもしかして……」

「もちろん本当に居た人達よ。その中でも一番強いのがローブを着た男性ね」


 もしも今この世界に来て驚いたことは何かと聞かれたらローブの男が実在したことを言うだろう。まさか実在するとは。

 僕の夢などに出て来たのもきっと何かの魔法なのだろう。

 小説を読んだ感じこのローブの男は色々な魔法を使いこなしている。

 こういう話しにされる位この世界では有名な人物に違いない。一度実際に会ってみたいものだ。


「この魔導師って色々な魔法使えるんだね」

「そりゃそうよ。赤魔導師だからね」

「赤? 魔導師って白か黒しかないんじゃないの?」

「普通はね。でもこの人だけは違うのよ。ちょっと待ってね。確か赤魔導師についての本がどこかにあったはずよ」


 レイサは本棚の前に行き「あっ、これこれ」と言うと一冊の厚く大きい本を持って来た。

 一体何百ページあるのだろう?

 その中の赤魔導師について記述されているところを読んでくれた。

良ければいいね、感想、高評価よろしくお願いします。

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