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付き人兼教育係サーラ

幼少期最終話です。

ついにサーラ(サハラ)の登場になります。

 お父様が遠征に出て早2年が経って、私も8歳になって間もなく9歳になろうとしていた。

 お父様がいない間にログェヘプレーベに言われて、勉強のほかにすこしづつだけど剣術なんかも習っていったんだ。



 そんなある日のこと……



「……ララ、ララノア、お父様がもうすぐ戻ってらっしゃるそうよ」


 そういってログェヘプレーベと剣術の練習している訓練場にお母様が姿を見せたの。



「本当に?」


「ええ、先ほど早馬の報せが来たわ」


「それじゃあ帰ったらお父様に私の成長を見せてあげないとだね」


 そう剣を構えてみせるとお母様がニッコリと微笑んでくれた。



「プリンセスの剣術の腕前は相当なものでやがりますよ。 ヴォーグ様もさぞ驚きになりやがるでしょうね」




 そうこうしているうちにお父様が凱旋して戻ってくるなり私を抱きしめてきたの。



「お帰りなさいお父様!」


「短いようで長かった。 ララがこんなに大きくなっていてビックリだ」


「お帰りなさい、あなた」


「ベネトナシュも長い間国の取り仕切りをよくやってくれた。 ありがとう」


 この凱旋のおかげでメビウス連邦共和国もなんとか復興の兆しを見せて、落ち着きを取り戻しつつあるみたいだったわ。




 そして私が9歳になったある日……

 私にとってそれが今までの人生で最悪の出来事となるのだけど、お父様を訪ねて1人の黒目黒髪の男の人が現れたの。





「ヴォーグ懐かしいな。 随分と老けたんじゃないか?」


「あったりまえだろう、あれから10年たっているんだぞ? それよりお前こそ今の今までどこを遊び歩いていたんだ?」


「ああ、家族旅行で北の大地に行ってた」


「家族旅行で普通行くような場所かよ……」


「ベネトナシュは年の差婚だからすっかり美人になったな」


「おいおい、人の女を目の前で口説くな。 ベネトナシュも頼むからそこで赤くならないでくれ」


「……ごめんなさい」



 それでっとお父様が本題に移っていくのだけど、この男が現れるときは何か大きな出来事、たいていが世界の危険が迫る時らしいんだって。

 それってもうただのトラブルメーカーじゃないのかしら。



「実はな、【自然均衡の神スネイヴィルス】の話でヴォーグとベネトナシュの娘に転生者の疑いがかかってるんだ」



 もちろん今いる部屋は当然応接間で、そこにはお父様とお母様、それにログェヘプレーベとその男の4人しかいない密談中よ。



「プリンセスが転生者でやがりますか?」


「ああ、というかログェヘプレーベは随分と従順なんだな?」


「マジで助かってる。 ログェヘプレーベは俺なんかじゃ到底及ばないほど凄い政治能力なんだぜ!」


「お褒めにいただきやがり光栄でやがります」


「んで? もし、ララノアが転生者だったらどうするっていうんだ。 事と次第によっては俺はお前の敵に回るぞ」


「いや、キャスみたいな例もあるから見張りたいだけだ」


 そうこれが最悪な理由。



「……あなた、ならサハラさんにララノアの護衛とプリンセスとしての、振る舞いを習わせたらいいんじゃないかしら?」


「おお〜、確かにそりゃあいい。 サハラ、ララノアを見張るのを認める代わりの条件だ。

付き人になって面倒を見てやってくれ。

忘れちゃいないよな、こういうのはギブアンドテイクだぜ?」


「……っ。 わーかった、やってやる、やってやるよ」


「さすがヴォーグ様、世界(ワールド)守護者(ガーディアン)相手に見事な取引の手腕でやがりますね」



 こうして私はこの鬼教官とでもいう男と出会う事になるの。

 ちなみにお父様は気に入ったら嫁にしてもいいんだぜ? なんてまるで悪魔(デヴィル)みたいな事も言っていたみたいだけど、そんなの絶対にありえない。

 それ以前に私はこの人が男だなんて知らないしね。





 さて話が決まると私についに死刑宣告の呼び出しが来るの。



「お父様呼んだ?」


「ああ、今日からララに付き人兼教育係を任せる人をつけるつもりだ」


「うぇ……お父様そんなの私に必要ないよ」


「もう決めたんだ。 諦めてくれ」


「……ララ、お父様の言うことを聞いて」



 付き人なんてついたら四六時中ついて回られるし、教育もとなったら一日中になりかねないじゃない。

 ため息が出そう……


 そしてお父様の合図で1人の女性が入ってきた。 付き人なんだから女性なのは当たり前よね。

 それでその女性は侍女服に身を包んだ黒目黒髪で……



「凄く綺麗な人……」


 何も知らない私はこの時そんな事を口ずさんじゃったのよね。



「ララ、こちらはサーラだ。 サーラ、うちの娘のララノアだ」


「初めましてプリンセスララノア、サーラといいます。 今後よろしくお願いしますね」


「あ……うん、こちらこそよろしくね」


 思わずその仕草とかに見惚れちゃった。 でもそれが間違いだったってすぐにわかったの。 帰ってきた言葉は先ほどとはうって変わって冷たい視線でこう言ったわ。



「そこは『はい、こちらこそよろしくお願いします』です」



 うえぇ、これからの人生お先真っ暗だわ。

 肩に乗ってる火蜥蜴(イフリート)もなんだかさっきからガタガタ震えてるし、一体何者なんだろう?


 何はともあれこうして私の幼少期は終わりを迎えて、地獄の日々の少女期が始まろうとしていた。




次話から少女期に入ります。

そしてサハラもサーラとなって参戦です。


サブタイトルがやっと決まったので加えました。

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