休みなどない
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よし落ち着け」
「すぅ・・・」
朝目が覚めると隣には妖夢がいた。
まず自身の記憶を整理する。昨日朔は元に何か教え込まれて、とてつもなく疲れて帰ってこれたなり倒れるように寝たのは覚えている。ただ何をしたのかどうやって寝たのかが全く記憶にない。
とりあえず静かに布団から出て静かに部屋から出る。状況は良くわからないが起きて来られるとまずいということはわかった。
「昨夜はお楽しみでしたね」
「のわっ!?」
いきなり声をかけられて変な声を出してしまう。
背後には元がいつの間にか立っていた。ニヤニヤとした顔をしていて、それで朔は察した。
「仕掛けたのはお前か!」
「は? 何がだよ?」
元はまるで分からないという顔をしているが、朔はもうわかってると言う。
「お前か紫さん以外にこんなことする奴いるわけねーだろが! お前ら結局何がしたいの!?」
その言葉で元は少し驚いて、軽く笑いながら言う。
「・・・あーあー、なるほど分かった。勘違いしてるようだから訂正しておくと昨夜は俺も紫も動き回ってたからそんなことする暇ねーよ」
「じゃあ誰が仕掛けたって言うつもりだよ?」
「いるだろ? もう一人だけこの状況に出来る奴が」
「・・・誰?」
「気付けないならいいよ。それよりちょっと外出ろ」
元がとっとこ玄関から外に出るので一応ついて行く。いい予感はしない。
外に出た瞬間、元に首根っこを掴まれた。
「え? え⁇ 今回はなに?」
「・・・・・そおぉい!」
「ふぁ!?」
元は掛け声と共に朔を空高く放り投げた。朔は空高く舞い上がっていく。
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぬぬぬ!!!」
空中で意味もなく手足をジタバタさせる。そして落下感が襲いかかって、こない。
「・・・・・・・・・ほ?」
それ以上高く飛ぶことも、落ちることもなく、朔はその場に静止していた。
「え、ええ?は?」
「よーし、結果は上々だな」
気付けばすぐ近くに元が浮いていた。朔は元に向かって叫ぶ。
「なんで俺飛んでるの!?」
「修行の成果。おい剣を引き抜いて、力いっぱい振ってみ?」
言われるがままに鞘から引き抜き、黒の刀を力いっぱい振り回す。
すると斬撃の通った所に、黒い線が出来上がった。線はしばらくしてその場から高速で発射された。
遠くにある木々が次々と切り倒されていき、地面に斬撃の跡を残した。
「・・・いや、なにこれ?」
「よーし飛べるし弾を放てる。これでスペルカードルールで戦える」
「なにこれ!? 昨日何があったんだよ!?」
「よーし、後は練習とスペルカードを作らないとな」
元を向くとその手には一振りの刀があった。消えたはずの記憶が警報を鳴らしている気がした。
「あ、のさ? 俺最近全く休めてないんだよ? 今日くらいゆっくり休んでも、さ?」
「よーしいくぞ!!」
「この鬼ぃぃぃぃぃぃっっっっっ!!!」
とある場所の空で、沢山の色が交差した。




