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第21.5話 ― エピローグ

ある晴れた午後

一人の女性が歩いていた。

その手にはキャリーケースが握られている

女性はスマートフォンを取り出し、電話をかけた。

「咲ちゃん?」

「ん? どうしたの?」

「今、フォレストの近くまで来たよ」

「もう?」

「うん」


女性は周囲を見回しながら、微笑んだ。

「久しぶりに花ちゃんに会える」

「花子には連絡したの?」

「ううん」

「じゃあ、まだ知らないんだね」

「うん、驚かせてあげようと思って」

「花子が驚いた顔、見てみたいな」


女性と美咲は、いたずらっぽく笑い合った。

そんなふうに笑いながら話しているうちに、フォレストが見えてきた。

「あ! もうすぐ着くよ」

「あとで花子の反応、教えてね」

「うん、もちろん」

そう言ってフォレストへ向かって歩いていた女性は、ふと足を止め、美咲に声をかけた。

「そういえばさ」

「うん?」

「そこには花ちゃんと……」


女性はそこで一度言葉を止め、フォレストのほうへ視線を向けた。

そして、口元にいたずらっぽい笑みを浮かべる

「花ちゃんの彼氏がいるんだよね?」

「え? ああ、仁さんのこと?」

「うん。この前、美咲が話してた人」

「くれぐれも二人のラブラブを邪魔しないでよ」

「何言ってるの。私は恋のキューピッドだよ、二人をしっかりくっつけてあげるから、任せて」

「うん、お願いね。二人とも鈍そうだから」

電話の向こうから、美咲の声が大きく響いた。


その瞬間、女性は堪えきれずに笑った。

そして、ゆっくりとフォレストへ向かって歩き出す。

「花ちゃん、覚悟してね!」


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