第7話 アプリ
# アプリ
*あぷり* 【名詞】
## 意味
1. エアフォンにインストールされた、ボクたち探索者の頼れる相棒だわん!正式名称は「エーテル演算ユニット搭載アプリケ―ション」って言うらしいけど、みんなは「アプリ」って呼んでるわん。特に探索者向けのものは、自分のステータスを測定したり推定したり、習得したスキルの発動を補助したり、迷宮の地図を表示したりと、探索には欠かせないわん。魔素の流れを読み取って、解析した結果を表示してくれるから、まるで魔法みたいだわん!
## 解説
ボクたち探索者にとっての「アプリ」は、ただの便利な道具じゃないわん。魔素の波動を捉えて視覚化したり、特定のスキルを発動させるための引き金になったりする、まさに「魔法の拡張機能」なんだわん!迷宮の中は複雑な魔素の干渉を受けやすいから、安定して使うには高性能なエアフォン、それも魔素の演算を専門に行うための「エーテル演算ユニット」を搭載した特別な機種が必須だわん。中には、魔物の弱点を解析したり、隠されたアイテムを探知したりする、とっておきの「アプリ」もあるって噂だわん!まるで魔道具みたいで、ボク、わくわくしちゃうわん!
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> 「ああ、ボクの「アプリ」がなかったら、あの時、危なかったわん!」「アプリ」は、ボクたち探索者のもう一つの命綱、まさにエアフォンの心臓だわん!」
## 類義語
- デバイス
- スキル
- システム
## 閲覧者コメント
* 最近の「アプリ」はすごいよな。昔は紙の地図と勘だけが頼りだったのに、今じゃエアフォンの「アプリ」一つで、迷宮の奥底まで丸見えってわけだ。 -- 情報屋 アッシュ
* 私、「アプリ」のおかげで、初めてのソロ探索も怖くなかったの!道に迷いそうになっても、すぐにマップ「アプリ」が教えてくれるから安心だわん! -- 駆け出し探索者 ミミ
* 「アプリ」はあくまで補助。頼りすぎると、本物の危険を見落とすこともある。自分の目で見て、肌で感じることが一番だ。 -- ベテラン探索者 無言の剣士
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#エアフォン #迷宮 #探索者 #魔素 #スキル
◆ ◇ ◆
「深西森羅君、私と付き合ってもらえるかしら?」
授業が終わり、全体的に弛緩した雰囲気で皆が帰り支度を始めた教室をどよめかせる発言が突如現れた美少女から発せられた。
彼女の名は立秋立夏、俺の属する探索科のクラスとは異なる生産科のクラスだが同じ学年で知らぬものはいないほどの有名人だ。
剣術道場の立秋流の娘である彼女は生産科でありながらこの学年では近接戦闘で最強とも言われている。
また、凛とした白髪ショートボブの容貌は女子人気も高く、彼女に教室から連れ出されようとしている俺の背中には男女両方からの殺気のこもった視線が集中しているのが気配察知のスキルがなくても分かる程だ。
「えーと、立秋立夏さんだよね、生産科の。立秋さんが俺のパーティメンバー候補ってことで良いのかな?」
なぜ、そんな話になったのかと言うと俺のURスキル『万象言海(ダンジョン辞典)』を登録するべきかの相談を先生に行ったからだ。
「結論から言うとスキル登録は行っても問題ない。むしろ登録するべきだ。実のところ現在URスキル保持者として公開されている人数は極少数だが実際に登録されている数はもっと多いのだよ。そして、URスキル『万象言海』は複数登録が確認されているスキルでもある――」
『国語辞典』『世界料理辞典』『スキル辞典』等、実用的なものから全く役に立たないものまであるしい。
スキル辞典は有用ではあるらしいが登録されたスキルに対して多少正確な内容を知れる程度にとどまっているとのことだ。
これらの辞典は未知の事柄を記しはするものの、スキル保持者の知識や経験の影響もかなり受けることが分かっており、俺の『ダンジョン辞典』を充実させるにはダンジョンへ潜る必要が出てきた。
「――『ダンジョン辞典』はかなり有用なスキルになるのは間違いない。とはいえ、君がダンジョンに潜るには攻撃スキルなどではない『ダンジョン辞典』では心許ない。そうだな……、うん、君とパーティを組んでもらうのに丁度よい生徒がいるから放課後に呼びに行かせよう。君の護衛だけでなく、スキルやダンジョンの研究にも役立つから楽しみにしておいてくれ。……ああ、楽しみにするのは彼女のほうかもしれないが」
立秋さんに連れ出されたのは生産科の建物にある研究室の一つだった。
「ええ、生産科の立秋立夏です。それで、深西君がこのアプリの主で間違いないですか?」
彼女が取り出したエアフォンには『ダンジョン辞典』アプリの起動画面が表示されていた。
「えーと、まあ、勝手に登録されてたわけだけど……、俺のスキルの内容で間違いはないかな」
「あ、この研究室は防音の魔道具が設置されていますからスキルの事について話しても問題ありませんよ」
どうやら窓の外と入口の方を気にしていたのがバレていたらしい。
「そ、それでですね。このアプリと言うかスキルについて詳しく聞き……、あっ、そうでした。まず、私が深西君の護衛兼パーティメンバーになることでよろしいですか?」
立秋さんは結構クールなイメージがあったが思ったよりも距離を詰めてくる。
「ああ、立秋さんと言えばこの学年でも一、二を争う強者だし護衛してもらうことに不満はないよ。むしろ攻撃系スキルどころかこのスキル以外のスキルをまだ持ってない俺だと足手まといすぎて申し訳ないぐらいだ」
「いえいえ、それでは今からパーティメンバーですね。あ、パーティメンバーですから、シンラ君って呼びますね。私のことも立夏と呼んでください。それでですね、この『ダンジョン辞典』ですがこれまで『万象言海』スキル自体は確認されていたんですけど、実用的、かつ、公開されたのは初なんですよ。アプリ化されてるスキルもその公開プロセスとかは非公開だったんですよね。いやー、まさか身近にアプリ化スキルやらダンジョン情報やらを知る人が現れるなんて思いもしなかったです。このダンジョン辞典の中身も読めば読むほど興味深くて今日なんか徹夜だったんですけど、シンラ君の護衛の話が来て眠気も吹っ飛んでしまいました。それで、この辞典執筆者、あ、辞典の場合は編纂者って言うんですっけ? この編纂者ってもしかしてシンラ君のナビゲーターだったりするんですか? 高レアなスキルや高ランクの探索者にはナビゲーターがつくっていう都市伝説じみた話が――」




