第4話 迷宮探索許可証
# 迷宮探索許可証
*めいきゅうたんさくきょかしょう* 【名詞】
## 意味
1. 迷宮への立ち入りを正式に許可された者が持つ、探索者としての身分を証明する重要な証書だ。
2. 通称「探索者ライセンス」と呼ばれている。
3. これがないと、どれだけ優れたスキルや役職を持っていても、迷宮へ足を踏み入れることは決して許されない。
4. 一般的な免許とは異なり、この許可証には、特定外来生物駆除の許可や、銃砲刀剣類所持の許可なども複合的に含まれている。
5. 探索者が迷宮で必要とするあらゆる行為の許可を一手に担っていると言えるだろう。
6. この許可証は、探索者専用のデバイス(通称「エアフォン」)に内蔵されている。このデバイスには、探索者ギルドが探索者の安全管理のために位置を把握できるGPS機能も付随している。
## 解説
この許可証は、十六歳以上の者であれば取得が可能だ。特に、魔素適合率が高く、何らかのスキルや役職が発現した者は、探索者としての活動を始めるために、この許可証の取得と登録が必須になる。もしスキルが発現しても、この許可証を取得せずに迷宮に潜ろうとすれば、それは重大な違反行為として探索者ギルドの捜査対象になるから、絶対にやっちゃダメだ。探索者としての第一歩は、この許可証を手に入れることから始まる。
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> 「ボクも初めてこの許可証を手にした時は、心臓がバクバクした!これさえあれば、どんな迷宮にも潜れるんだって、胸が躍ったものだ。でもね、実際はこれがないと、迷宮どころか、魔物がうろつく街外れの草原にだって一歩も踏み出せないんだ!まさに、探索者の命綱、ってやつだ!」
## 類義語
- 探索者ライセンス
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#デバイス #探索者 #スキル #役職 #迷宮 #探索者ギルド
◆ ◇ ◆
「あれっ? シンラじゃん、あっ、もしかして誕生日迎えた? ってか此処に来たってことはスキル発現したのか、おめでとう!」
「あ、先輩! ご苦労さまです。ありがとうございます!」
クエストを受けたらしき高校の先輩パーティが手を振りながら慌ただしくギルドを出ていく。
探索者育成高校は上の学年になるほど覚醒者率が上がり、実習と称してダンジョンへ通う。
探索者養成高校の近いこの探索者ギルドは朝早いというのにごった返していた。
お陰で発券機の番号は既に二桁だ。
『ところでマスター、ここでは何をするわん?』
「もちろん探索者登録だな。迷宮探索許可証、つまりは探索者ライセンスを発行してもらう必要があるんだ」
俺は他の人からは見えないのを良いことに眼の前に『ダンジョン辞典』を広げて新しく追加された『迷宮探索許可証』を読む。
「ところで……これ書いたの誰だ? お前が書いたにしてはわんわん言ってないんだが、さてはサボって誰かに丸投げしたな」
『な、な、そ、そんなことはないわん。そもそも、迷宮探索許可証ってダンジョンと関係あるけど関係ない項目なんだわん。おかげで調べる情報が多くて文章が硬くなってしまっただけわん』
微妙に落ち着かない感じに目をあちこちに向けながらわん太が自分で書いたことを主張している。
ちなみに、他の項目を見ると相変わらず、わんわんと解説がされていた。いや、解説だからこれくらいきちんとした文章の方が正しいはずなんだがなんとなく落ち着かなくなっている。
「まあ、じゃあ、わん太が書いたとして、エアフォンの表記なんだが、『ae』じゃなくて『æ』が正しい表記な。ガジェオタとか表記にうるさいやつもいるから気をつけた方が良いよ」
小さくて分かりづらい『aePhoneS』の部分をピンチ操作で大きくしてわん太に見せる。
おお、ちゃんとタブレットらしく二本の指を広げるピンチアウト動作で拡大された。
『はうっ? え、違うわん?』
わん太はおたおたと手を振るように何かを操作するような仕草を見せている。
俺からは見えていないが、このタブレットのようにわん太にも専用のデバイスがあってそれを操作しているっぽい。
『……ae、æ、ae、æ、確かにそうだけど、ae表記もおおいわん。いや、Aether Phoneでaeをæは分かりはするわん……。あー、うん、書き直してはおくわん』
わん太の三角耳がへちゃっと垂れた。




