第3話 探索者ガイドブック
# 探索者ガイドブック
*シーカーガイドブック* 【名詞】
## 意味
1. ダンジョンへの侵入者が、生還のために必携する手引書。
2. 内部の構造、出現する魔物の生態と弱点、獲得できる遺物の種類と効能、発動可能な技能の運用法など、探索に必要なあらゆる情報が網羅されている。
3. 一般的には、ダンジョン探索を始める者への入門書としても広く知られている。
## 解説
これはただの情報集じゃないわん! ボクたちが命懸けで集めた、生きるための知恵が詰まってるわんよ。特に、ステータスやスキルの概念が曖昧なうちは、このガイドブックで基礎を学ぶのが一番大切だわん。新しいダンジョンが発見されるたびに、情報は更新されるから、常に最新版を確認する習慣をつけるべきだわんね。
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> ダンジョンは危険で未知の世界だけど、このガイドブックがあれば無謀な挑戦は避けられるはずだわん。ボクの願いは、みんなが安全に、そしてたくさんの獲物や財宝を持って帰ってくれることだわん! 一人でも多くの探索者が生還できるように、ボクはこれからもこの辞典の編纂を頑張るわんよ!
## 類義語
- 探索者の手引き
- ダンジョン攻略本
- 地下迷宮案内書
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#探索 #装備 #必携 #情報 #入門
◆ ◇ ◆
「なあ、この『探索者ガイドブック』の方が使いやすそうじゃないか? 今から『ダンジョン辞典』を『探索者ガイドブック』にチェンジできない?」
誘惑に負けて回復したMPを『探索者ガイドブック』に使用してしまった。
お陰で朝食の食パンをトースターで焼きながら『探索者ガイドブック』の項目を眺めている。
うん、更にMPが切れて朝までぐっすりだったのだ。MNDが高くなれば気絶することはなくなると言うが気持ち悪くはなるらしい。
そして、この『ダンジョン辞典』はあくまでも辞典であり、今のところ有益な情報が載っているようには思えない。
ガイドブックとか攻略本と謳ってる本の方が役立つような気がしてならない。
『なっ、なんてことを言うわん! そんな事をしたらボクがリストラ対象になってしまうわん』
何故か一緒に朝食を食べているわんこが手に持ったパンの切れ端を落としそうになりつつ抗議の声をあげた。
「リストラって……、いや、別に本気で変更したいわけじゃないから、ほら、ジャム塗ってやるよ」
丸いつぶらな目をうるうるとさせて見上げる犬のぬいぐるみの圧に負けた。
『まあ、一回設定したら変更はできないんだわん。ただ、スキルのレベルや熟練度が上がったら何らかの変化はあるかもしれないわん』
「そうなのか? てか、ダンジョン辞典開くより色々わん太に聞いたほうが早くない?」
『それは禁止されてるわん。もし、何か話してしまっても後からダンジョン辞典の方に書いとかないと怒られるわん。残業は良くない文化わん』
わん太の話を聞いているとスキルの世界も世知辛そうだ。
それより、そもそもナビゲーターってのはなんなんだろう?
ふよふよと浮かぶ犬のぬいぐるみの短い尻尾を追うように外に出た。
そして、このナビゲーターは『ダンジョン辞典』を取り出していなくても顕現できるようだ。
『ところで、どこに行くわん? 学校ってとこかわん?』
小首を傾げたわんこが振り返る。
「行き先も知らずに進んでたのかよ……。いや、今日は探索者ギルドに行って探索者登録をしなきゃいけないんだ」
スキルが発現した場合、その危険性から登録必須となっている。
ちなみに、俺が通っている学校は『国立彼津野探索者養成高等学校』であり、探索者向けの学校だ。この学校は探索者になりたい者が通う所でもあり、俺もスキルが無事発現してホッとしている。
そんな学校でもあり、探索者登録は公欠扱いになる。
『おー、探索者デビューわん。で、どっちに行けば良いわん?』
意気揚々と進みだしたナビゲーターのわんこだが、道案内は出来ないようだった。




