第20話 ダークエルフ
# ダークエルフ
*だーくえるふ* 【名詞】
## 意味
1. ダンジョンの深層にその存在が噂される、漆黒の肌と銀白色の髪を持つ知的な存在だわん。その美しい容姿とは裏腹に、極めて高い戦闘能力を持つとされているわん。かつては魔物と混同されがちだったけど、最近の研究ではボクたちの世界とは異なる文明を持つ異世界人である可能性が指摘されている、謎多き存在だわん。闇属性の魔法や、弓術、短剣を使った近接戦闘を得意にしているという伝聞が多いわん。
## 解説
彼津野第三迷宮の、まだ知られていない深奥部や、未踏破の隠し階層で、その存在が目撃されたという報告が稀にあるわん。単独で行動するよりも、複数で連携して探索者を狙う傾向が強いと言われているわんよ。俊敏な動きで敵を翻弄しつつ、闇の魔法で視界を奪ったり、動きを鈍らせたりと、巧妙な戦術を仕掛けてくるというから、油断は禁物だわん!特に、暗闇での彼らの視力はボクたち人間をはるかに上回ると言われているから、薄暗い場所での戦闘は不利になる可能性が高いことを覚えておくわん。闇魔法の中には、直接探索者の精神に干渉し、幻覚を見せたり、恐怖を与えたりするものもあるという噂もあるわん。だから、精神抵抗系のスキルやアイテムを準備しておくのも有効だわん。彼らが所持する武器や防具は、彼ら独自の技術で特殊な加工が施されていることが多く、中には非常に貴重な素材が使われている一品も確認されているわん。彼らがどこから来て、なぜダンジョンにいるのかは、いまだ多くの謎に包まれているけど、ダンジョン深層で独自の文化や文明を築いているという説も有力視されているんだわん。
## 類義語
- 異世界人
## 対義語
- エルフ
## 閲覧者コメント
* ダークエルフが異世界人だなんて、信じられない話だ。もし本当に存在するのなら、一度でいいから見てみたいね。 -- 知的な探求者 ルーナ
* 奥深き迷宮には、まだまだ未知の存在がいるんだな。奴らの使うという闇魔法、どれほどのものか興味がある。 -- 豪胆な幻影の剣士 クロウ
* 話に聞くだけで身震いするような存在だが、もし出会ったら生きて帰れるだろうか……。 -- 心配性な新米探索者 アルス
## 追記メモ
- 現時点ではその存在が確定されていないため、あくまで「噂」や「目撃談」として情報を取り扱う必要があるわん。もし本当に発見されれば、ダンジョンの謎を解明する上で極めて重要な手がかりになるはずだわん。
- ボクのナビゲーターさんによると、ダークエルフが使うとされる精神干渉系の魔法は、もし本当に存在するなら特定のスキルやアイテムで防ぐことができるだけでなく、逆に利用することで彼らの戦意を挫くことも可能かもしれない、って話だわん。これは新たな戦術に繋がりそうだわんね。
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#闇魔法 #彼津野第三迷宮 #異世界人
◆ ◇ ◆
「皆も聞いている通り、この彼津野第三迷宮は迷宮再構築の影響で難易度が上昇している。また、上層から罠も確認されており――」
「ギルド長! 話がなげぇよ! とっとと入らせろ!」
「ギルド長はほっといて、こっちはこっちで役割分担の確認をするよ」
斥候職である『NINJA』な役職持ちの不忍先輩を仲間に入れ、パーティとして最低限の体裁を整えた俺達は朝から彼津野第三迷宮の入口へと集まっていた。
「私達の担当は一層から三層の主に西側となります。事前情報のモンスターの種類であれば私と姉さんがいれば戦力的には問題ないのでシンラ君も安心してください」
そう言って配布された地図を確認している立夏さんの今日の装いは制服ではなく、袴をアレンジしたような戦闘服だ。
「シンラっちはやっぱり六層とかの新層に行きたかったかにゃ? やっぱり、シンラっちも男の子だにゃ、ダークエロフが目的かにゃ?」
「なっ、いや、ダークエルフは気になりますけど、別にそんなんじゃありません」
ニヤニヤ笑いの不忍先輩はところどころが紅く彩られた派手な忍者服を着ている。確かに【忍ばない】『NINJA』と言われるだけのことはある。
「ふぅん、けど、ダークエルフの情報が『ダンジョン辞典』に掲載されてから急にこの調査参加者が増えたみたいにゃ。ほら、あのパーティもそうみたいにゃ」
先輩が指さした先では男ばかりのパーティが気炎を上げていた。
「姉さん、シンラ君、そろそろ私達の番です。学校を公欠扱いで参加しているのですから、生徒として恥じない成果を上げましょう」
「リツリツは真面目さんにゃ。そんなのは今日も参加してる上級生パーティに任せるにゃ。ウチらはぼちぼちお宝狙いで行くにゃ」
「不忍先輩って生徒会役員ですよね、そんなんで良いんですか? いや、学校だともっと清楚で真面目に見えたのに……って、痛い、痛いです先輩!」
「ほほう、シンラっちはそんな事を言うのかにゃ、そんな悪い口はこいつかにゃぁ?」
ぐりぐりと先輩にほっぺをつままれながらもエアフォンをピッとしてダンジョンへと入る。
そういえば地下一階層へと降りる階段も若干大きくなっている気がする。
「未確認情報ですが、各階層ともマップが広がってるらしいです」
「迷宮再構築後はお宝も復活すると言うからにゃ。隠し部屋なんかも……」
先頭を歩いていた先輩が何か言いかけて立ち止まった。
「先輩?」
立ち止まった先輩が振り向いた。
「そうにゃ! シンラっち! 『ダンジョン辞典』にゃ。ダンジョン辞典で隠し部屋の項目を見るにゃ。ダンジョン辞典は未到達の六層のダークエルフの情報とかも書かれていたにゃ、つまり、未発見の隠し部屋の情報も載せられるはずにゃ」
「いや、そう上手いことはいかない気もしますけど……。ねえ、わん太、実際のところどうなの?」
とりあえず『ダンジョン辞典』を発動してわん太を呼び出す。
『ふえっ? 隠し部屋かわん? そうは言っても……、え、おやつくれるわん? 一流和菓子店の栗まんじゅうわん? むむぅ、がんばってはもらうけど保証はできないわん……』
先輩がどこからともなく取り出したカタログの前にわんこは陥落した。




