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やる事はやらないとダメ、これ大事


 そして俺たちが出発した時は、あれから一週間経った後だった。


 理由はミーヤの一言だ。


「冒険者の仕事をして下さいぃ」


 本当に雷が落ちたような感覚で、今まで振り返ってみる。


 夢の冒険者になってからアイシングキャットを倒して、それからサクヤの件を片付け、次はクナイの件で帝国に行った。


「·····俺、魔物を討伐してねぇじゃん」

「はい。アイシングキャット以降の討伐履歴がありません。このまま行くと冒険者の資格が剥奪されますぅ」

「何かクエストはないかっ!」


 もう必死だった。


 最強の冒険者を目指すってのに、冒険者の資格が剥奪されたら元も子もない。


「では、オーガ──」

「オーガなら直ぐに」

「と」

「と!?」

「そうですよぉ。これから東に行くと言われても、ルーロ様はA級の冒険者。他にもレーデ様やクナイ様、サクヤ様もB級。特にサクヤ様は珍しい治癒魔法の使い手ですぅ。そんなパーティに旅立たれては戦力が低下しますぅ」


 それもそうか。いくら『龍殺し(ドラゴンスレイヤー)』が居るとしても、A級の務めを果たさなければ、冒険者と名乗ることが出来ない。


「分かった。どんなクエストでも受けよう。どんとこいっ!」


 瞬間、俺は後悔した。

 ミーヤの目がこれでもかと言うぐらい煌めいたからだ。


「ではっ! 先程のオーガとポイズンスパイダー、アイシングキャットに加えてワイルドジャガー、ファングタイガーにシャドウウルフ。それと──」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。え? まじ?」

「大マジですぅ。溜まっていたクエストをどうにか消化しないとギルドの沽券に関わりますぅ。ですのでルーロ様なら造作もない魔物たちですが、一週間ぐらいは自由がないと思って下さい」


 もう絶望したよね。仕事の大変さを理解させられたよ。


 そんなこんなで溜まりに溜まっていたクエストを消化する作業に入って、ようやく終わったのが確かに一週間後だった訳だ。


「·····お疲れ様」

「今回ばかりはルーロに頭が上がらないわ」

「そうですね。結局ほとんど一人でやってましたから」


 休みなく働いた俺をクナイたちが癒してくれる。

 あぁ、この為に頑張ったんやなって、そう思うよ。


「でも、これで東に行ける。パングには米もそうだが、温泉もあるって聞いてるからな楽しみだ」

「そうですねっ!」


 かねてから約束していたサクヤのテンションは上がりに上がっており、もちろん俺も上がっている。

 クエストを大量にクリアした事により魔石で使い果たした金も暫くは困らないほどにまで稼げたし、今回の東の冒険を充分に楽しめるだろう。


 と言っても、別にずっと東に滞在できる訳では無い。

 せいぜい期間は一ヶ月あたりだろう。その間にどうにか精霊界を見つけなければ。


 まぁその前にパングだ。


「じゃ、行ってくる」

「いってらしゃい」

「てめぇら、精霊界に無事についたらよろしく言っといてくれ」

「任せとけ」


 エルサとセリカに別れを告げた俺たちは、馬車に乗って東に向かった。


 馬車はギルドが支給してくれたもので、操縦者は俺だ。


「へぇ、久しぶりに乗ったけど案外はやいな。もう王都が見えなくなってくる」

「そうですね」


 のどかな草原が続く中、道なりに進んでいく。道は既に開拓されているので、進みやすい。看板によればこの先にパングがあるとのこと。


 走った方が速いが、たまにはこういうのも悪くはない。

 心地よい風に前髪をなびかせ、俺たちはパングに向かった。

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