表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/155

サラジアン帝国


 王国と造りは似ているが、纏う雰囲気だけは決して違うそんな感じ。それが、ここ帝国に対して抱いた感想である。


「·····案外近かったな」

「そうね」


 見たことの無い帝国を見回しながら、レーデと会話をする。何せ、王国でも田舎中の田舎、そんな所に産まれたもんだから王都すらも新鮮であるのだ。それが、帝都になると見たことの無いものだらけである。


「エルサ様が言っていたという、望月家とは何処にあるんでしょうか?」

「さぁな、だから情報を手に入れる。そのためにはやっぱり、人が集う場所。冒険者ギルドに行くのが手っ取り早いだろ」


 冒険者ギルドは各国に存在する対魔物機関だ。王国と帝国では派閥が違うため、それぞれに本部がある。その場所はどちらも中心的な場所、つまり都にある訳だ。


「やっぱ、本部ってのは何処も広いんだな」


 早速入ると、賑わう居酒屋みたいな場所であった。冒険者たちが騒ぎ、昼間だと言うのに酒を酌み交わしていた。


「まぁ、賑やかなのはいい事だ」


 気にせず、突き進む。が、そんな俺たちの目の前に巨漢が一人、立つ。


「おいおい坊主? 見ねぇ顔だな?」

「王国から来たんだ。よろしくな」


 俺の〝王国〟という言葉に、ピクリと反応をする巨漢の冒険者。


「なんだぁ、てめぇ、王国のもんか!?」

「悪いのかよ·····?」


 まさか帝国の冒険者ってのは血気盛んなの·····か?


「やっ、やっべぇ、王国、王国だってよよよよよ!?」


 ·····ん? 思ってた反応と違う。


「おいばっかお前、動揺なんてすんなよ。僕らがま、まるで王国の冒険者に緊張してる感じじゃねぇか」

「だ、だってよ。おめー、あの王国だぞ?」


 あのってどの王国だよ。別の人も同じような反応してるし、王国の冒険者って恐れられているのか?


「あ、あの·····」

「なに?」

「さささ、サインをっ!」


 違ったぁ。なんか、田舎者が都会の人に対するような感じだった。俺、まだ有名じゃないからサインなんて考えてないぞ?

 仕方ない、代案だ。


「握手でもいいか?」

「も、もももも、勿論です、はいっ!」


 俺と握手した手を空を掲げて、神を仰ぐかのように跪く巨漢の男。


「な、なぁ、帝国の冒険者って全員こんな感じなのか?」


 恐る恐る疑問を解くため、質問すると。


「いや、俺たちが田舎からきたもんでして、帝国の冒険者にも同じことをして同じような反応をされました」


 つまりは新米の冒険者って所か。冒険者に憧れて、ここに来たのだろう。親近感が湧く。


「俺、ルーロって言うんだが、お前らは?」

「俺はアックスって言います。こっちは──」

「僕はナーチスです」


 アックスとナーチスって語感が似てるから覚えやすいな。早速だ、コイツらに聞くとしよう。


「なぁ、望月家って知ってるか?」

「望月家ってあの伝説の忍者ですか?」

「あぁ、そうだ」


 二人は巨漢に似合わず、可愛らしい仕草で頭を働かせる。だが、情報は無かったようだ。


「すみません」

「いや、いいよ」

「·····あっ、そういえば、王国からの冒険者でもう一人いるんですけど、その人バカ強くて、自分の事を忍者って言っていたそうなので探してみたらどうでしょう?」


 それって、多分だが。


「ルーロ、『龍殺し(ドラゴンスレイヤー)』のパーティメンバーって言ってたあの人じゃない?」

「『龍殺し(ドラゴンスレイヤー)』って聞いた事あります。道理で強いわけだ」


 早速、有望な情報が手に入ったな。


「ちなみにソイツの居場所って知ってるか?」

「大通りでよく乱闘してるんで、なんか勝ったら自分を好きにしてもいいっていう条件で──」

「よし行くか」


 いや、別に変なこと考えてないよ。うん、ただクナイの事もあるし早く行かなきゃなって思っただけだ。だから、二人とも、そんな目で見ないで。


「少し、自分の意思に忠実すぎじゃないですか?」

「な、なんの事かなぁ」


 と、とぼけつつも、早速、アックスたちに礼を言って外に出る。大通りってことは人通りが多い所だ。


 少し歩けば──


「オラオラ、かかってこいよ。貧弱な男どもッ!」


 屈強な男たちに一斉に迫られる身長が異様に小さいが、言葉遣いは荒い女の子。


 刹那の瞬間だった。一瞬にして、女の子の周りに群がっていた男どもが一斉に倒れる。

 そんな男どもに冷めた目を向けて、女の子は技名を言うのだった。


「戦闘術──<電光石火>。·····はぁ、何ともつまらない者だな」


 間違いない。あの強さは『龍殺し(ドラゴンスレイヤー)』の中で最速を誇る女性。


 『赤き閃光(レッドアクセル)』の異名を持つ──セリカさん本人である。

下の✩✩✩✩✩から評価を。

ブクマ登録をして下さると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ