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突き進め頂点へ! 日本競馬のゆめへ!  作者: シャルシャレード
2章 3歳
23/37

もう一頭のお手馬。

皐月賞から3週間後---。



清弘の姿は京都競馬場にあった。

京都新聞杯に騎乗予定だからだ。

ダービートライアルではないもののダービーに繋がる重要なレースである。


清弘が乗るのはシャークボーイ。

父は豊かなスピードを伝えるマイル王ピーチグローブ

母は未勝利ながらダートや芝、障害で個性的な産駒を出すコートカードを母父に持つ、シャークレディ。

この馬はホワイトジェムとはタイプが違い、逃げが基本的な戦法でここまで5戦2勝。

初勝利に時間が掛かったとはいえ現在連勝。3歳ではホワイトジェムに並ぶ清弘のお手馬である。



5番人気だが充分逆転も可能だ。

ゲートに入った清弘はそう思った。


そして、ゲートが開く。


シャークボーイはいつも通りのスタート。

清弘は手綱を押し、前へ上げていく。

14番のシャークボーイはスタートから内へ切れ込むように進み、そのままハナに立とうとするがその前になんと1番人気のサイレントアスクが行った。

父フルエントリーで母は6勝を挙げている良血馬だ。

普段は後方一気のためこの馬が前に行くのは初めてである。


掛かっているのか。

サイレントアスクの後ろにピタリと付ける。


3番手までは6馬身ほどのリード。


これはスローだ。

シャークボーイ以外には逃げ馬がいないため、必然的にスローペースになる。


そして直線に入る。

そのまま、脚が衰えることはない。


残り200mで先頭に立ったシャークボーイは逃げる逃げる。


ゴール前、最後はさすがに苦しくなり、後方馬が突っ込んでくるも、そのまま逃げ切りゴール。


1 1/2馬身差で見事に重賞を勝利した。



レース後、馬主が駆け寄ってくる。

名前は黒川 拓実。

4年目の新進気鋭の馬主でこれが悲願の重賞初制覇。

『ありがとう!ありがとう!高村騎手!

やっぱり信じてよかった!』

『ありがとうございます。シャークボーイは本当立派ですよ。本番もかなり期待持てます。』

『ダービーもなることがあったら是非よろしくね!』



そしてそれから1週間後。

清弘の姿はシャークボーイの藤原厩舎にあった。


『考えはまとまったか?』

藤原調教師が尋ねた。

これはホワイトジェムかシャークボーイかどちらに乗るかの話だ。

騎手には体が2つあるわけではないので、もし主戦騎手を務める馬が2頭以上出てくる時、1頭だけを選び、乗るしかない。

特にダービーの舞台。清弘は思い入れの強いホワイトジェムに騎乗することを決めてはいたものの、本当にそれで良いのかと悩んでいた。 


『お前の考えは尊重する。どちらを選んでも何も問題はないよ。』

清弘は一瞬下を向いた後、顔を上げて

『ホワイトジェムの方に乗ります。』

清弘は真っ直ぐ答えた。

『わかった。』

藤原は頷く。

藤原も現役時代に同じような経験を何度もしたため、

清弘の気持ちは十分に分かっていた。

『シャークボーイでお前のことをギャフンと言わせてやるからな?』

真面目な清弘への藤原なりの気遣いだ。

 

『自分も全力で行きます。良い勝負が出来るようにしたいです。』



日本ダービーへの騎乗馬が決まった。

ホワイトジェムで勝ちに行く。

ダービーへの覚悟はさらに強まった---






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