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4話

 「ま、そんなもんだよね」


 目の前に鎮座してあるものを眺めて、そう呟いた。できていたのは作ろうとしていた魔道具。……の模倣をした何か。当然のことながら、別に何の効果もないし、何の価値もない作品と言われても仕方ない。普通の人からすれば、ただの失敗作だ。


 「最初からは成功しないかあ。何がいけなかったんだろ?」


 一応、工夫だったり、わからないとこを調べたりしてたのだけど。それでも失敗した。完全に手探り状態だからなのかな?だとしたら、仕方ないところはあるけど。


 「仕方ない、難易度下げてもう一回挑戦かな」


 現段階じゃ、一体何が悪かったのか。というか、経験値が不足し過ぎている。例えるのなら、ドラ〇エでレベル1の勇者が魔王を……竜〇だろうと、オル〇・デミーラだろうと、ダーク〇レアムでもいいけども。それに突っ込んで死んでいった感じなんだよね。どんな攻撃を主体とすればいいか、どんな攻撃に気を付けるべきか。そんなことすらわからない状態。

 攻略本となりうるようなもの(要は設計図や説明書)があれば、近道をするために難しいままでもいいかもしれない。けど、そんなものすらないからねえ。地道に、簡単なものから手順を追っていくしかないのですよ。


 「まさに言うは易し行うは難し、かなあ。いや、この場合はコロンブスの卵の方が正しいかな?」


 初見で作り上げなくちゃいけないのだから、後者の方が正しい気はする。そんなこと言っても、状況に変わりはないんだけどね?


 「失敗は成功の母!さーて、まずは作っていきますか!」


 初っ端から難しいものを作ろうとするのは、無理だとわかった。ならば、次はどこまで難易度を下げるか。これは初心者且つ何の知識もない状態なので、一番簡単なものからでいいと思う。


 「と、なると………」


 ファンタジーでテンプレな魔道具としては、炎の剣だったり身体能力を上げる装飾具だったり。そういうのが挙げられるだろう。でも、これは結構難しい領域だと思う。現に、今作ろうとしたのは、ファンタジーではよくありがちな高周波ブレードだし。刃先が高速で振動するから、弱い力でもスパスパ斬れるアレのことだね。

 すると、いきなり常時効果が持続するものは難しいだろう、ということになると思う。いわゆる永続機関が必要になるし、耐久度のことも考えなくちゃいけない。どういった趣向で永続機関を作るのか?それに必要な素材は?その素材は耐久性がしっかりしてる?そんなことも考えなくちゃいけない。


 「つまり、今から作るべきは使い捨てのものかな」


 陰陽師などがよく使うお札。一回コッキリの封印系のアイテム。あるいは使うことで、一回のみ何かの能力が底上げされる装飾具。こういったものなら、さっき作ろうとしたものよりも簡単そうだ。なにせ、一回ですべて使い切ればいいのだから。消費量も少なく、小さいサイズで作ってもいいから、一個に掛かる時間も少ない。また、先ほどよりは構造も複雑にはならないだろう。


 「よし、決定と」


 じゃあ、まずはどんなものを作るかから。あまり重いものは嵩張るから×。大きいのも同様理由で×。かと言って、小さ過ぎるのも×。弄れる要素が無くなるし。弄れなければ、ただの装飾品である。

 と絞っていくと、簡単なのは腕輪だろうか。あとはペンダント、アンクレット、お洒落にチョーカーなんてものもありかな。と、そこまで考えて重大なことに気付く。そうだ、忘れてた!


 「まずそもそも、魔法付与の仕方知らないじゃん!」


 そら失敗するわけである。魔法効果つけなければ、ただの剣になるし、これから作るものもただの装飾品になるし。


 「魔法付与のやり方書いてある本あったかな……?て、やばい!こんな時間!図書館閉まる!」


 慌てて駆け出し、図書館へと急ぐのでした。どうか開いてますように………


※               ※               ※

 なんとか間に合いました。急ぎに急いだのと、ここ最近の基礎訓練のおかげだと思う。ありがとう、ゲイムロルさん。ちょっとだけ敬礼してみた。……軍じゃないみたいだし、意味ないか。


 「それはさておいといて、っと」


 本を広げて、魔法付与のやり方から覚えていく。魔法付与には特別な才能は必要ないらしく、作成者のイメージが大事になるみたい。だから、魔道具を作るときには道具を作る人。魔法を付与する人で分担するのが一般的のようだね。

 まあ、僕は一人でやるけどね!こんな楽しそうなこと、誰かに任せるなんてとんでもない!


 「まずはどの魔法陣が必要なのか覚えましょう、か。当然っちゃ当然なのかな」


 ただの道具を魔道具にするのはとても簡単。ただ、どこかに魔法陣を書いてあげればいい。ただし、条件もあった。


 まず、魔法陣が消えると魔道具ではなくなってしまう。それはそうだろう。魔道具の動力源なんだし。とも思ったのだが、魔法陣式は簡易版の魔道具作成術らしい。別の作り方もあるから、魔法陣式に慣れたらそっちにもチャレンジが必要そう。

 次に、明らかにおかしい指令の魔法陣は受け付けない。例えば、ハサミで魔道具を作りたいんだけど……物と物をくっつける魔道具にしよう!というのは無理らしい。あくまでハサミは切るための道具だから。これも納得。

 さらには、イメージが曖昧過ぎると、そもそも発動しないそうだ。きちんとイメージを込めて。丁寧に気持ちを込めることが必要、なのだと書いてあった。


 「じゃあ、まずは魔法陣を書くことから始めようかな」


 何の魔道具を作るにしても、それが最優先だろう。本を見ながら、そこら辺にあった紙に魔法陣を書き込んでいく。……これが予想外の結果を引き起こすとは、そのときは露知らず。

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