復習&勉強会①
巧「と、いうことで第1章終了です!お疲れさまでしたー」
パチパチパチ、一人手を叩く巧。虚しいだけだということに気付いたのか、長くは続かなかったが。
巧「ま、まあ、ここからは1章でのおさらいと、疑問点に答えていこうと思います!……えーと、何々?『読者の皆さんもここがわからないというところがあれば、感想にて送ってください』とのことだそうです。よくわかんないけど、とりあえずやるだけやってけばいいのかな?」
首を傾げる巧。その姿はやはり、女の子らしいという言葉が合う。
巧「さてと!場所はここ、よくわからない不思議空間からお送りします!……ほんと、ここ何なんだろね?」
巧の立つ場所はわけのわからない、だが現代人としては割と馴染みのある場所だ。会議室のよう、とでも言えばいいのだろうか。
床には絨毯のようなものが敷かれていて、長机が二つ向き合うように配置されている。2つの長机のむこう側、つまりは両方の長机に垂直となるようにホワイトボードが位置し、マジックなどが当然のように置かれている。机にはそれぞれ二つ椅子が置かれており、最大4人が座れるようだ。
巧「まあ、なんでもいいや。さっさか始めましょう!えーと、段取り書いてあるやつどこだったっけ………?」
ガサゴソとポケットを漁る巧。別作品の主人公といい、この主人公といい、何故作者が書く主人公はどいつもこいつも片付けができないやつばっかりなのか。それは作者の机を見れば、すぐにわかることである。
しばらくすると、ようやく見つけることができたらしい。紙を引っ張り出して、そこに書いてあることを読み上げ始めた。
巧「さっき説明した通り、ここではその章のおさらいと章での疑問点を解説していくコーナーです。読者様からの疑問にも答えていきます。……これはよくわからないな?とりあえず、読んでいけばいいのかな。ネタバレになるようなことは答えられないので、そこはご了承くださいとのことです」
一度頭を下げる。
巧「と、いうことで。ここではゲストも呼ぶそうなので、早速呼ぶとしましょう。1章では一番関わりが強かったこの人!師匠ことゲイムロルさんです!」
ドアが開き、金髪の女性が登場。一礼しているのは礼儀を重んじているからなのか。ともかく、戦乙女であるゲイムロルがやって来た。
ゲイムロル「どうも。別れた後だというのにこうして会うというのも、なんだかおかしな気分ですね」
巧「あ、ここでの記憶は後で消されるらしいですよ?」
ゲイムロル「そうなのですか?それは少し寂しい気もしますね」
巧「そうですねえ」
とりあえず、と席に座った二人。どこから出て来たのか、飲み物も机の上に用意されていた。
巧「まあ、いつまでもこうしているわけにもいきませんし。早速始めます?」
ゲイムロル「そうですね。では、始めましょう」
巧「それでは復習&説明会の第1回!」
ゲイムロル「始めます」
・第1章の振り返り
巧「いきなり異世界召喚に巻き込まれて、異世界行きが決まったんですよね」
ゲイムロル「ええ。ですが、他の神々が能力を渡し過ぎてしまったせいで、能力を渡すことが禁止となってしまいました。そのため、あなたは特訓をすることになったわけですね」
巧「その中で神器が作れることが明らかになったわけですが……これのせいで、あちこちからスカウトの声が掛かるようになったんですよねえ」
ゲイムロル「当たり前でしょう。神器を作れるというのは1000年に一人現れるかどうかの逸材なのです。その上で人格者であるともなれば、数は激減します。血眼になってでも確保したい人材なのでしょう」
巧「ほええー……そんなに少ないものなんですねえ。ともあれ、事情が変わったので期間は繰り上げ。予定より少し早く異世界に向かうことになりました」
ゲイムロル「本来ならば、もう少し育成したかったところなのですが……仕方ないですね」
巧「1章にあった主な出来事はこんな感じでした」
・お勉強会+質問コーナー
巧「と、いうことでお勉強会に入ります!今回は質問が届いていないので、勉強会のみですね」
ゲイムロル「………?何をしているのですか?」
巧「いえ、雰囲気を出そうかと思って。伊達メガネを掛けてみました!どうでしょ?似合ってますかね?」
ゲイムロル「………………」
巧「あれ?おーい、師匠?大丈夫ですかー?」
ゲイムロル沈黙中。割とありだったらしい。ちなみに、メガネは上だけフレーム有りのやつで、フレームの色はオーソドックスな黒でした。
ゲイムロル「し、失礼しました。では、早速いきましょうか」
巧「はあ……?まあ、それでいいならいいんですが」
Q神界ってどうなってるの?
巧「これが第一の謎なんじゃないかと。色々あるって言ってましたけど、結局曖昧でしたよね?」
ゲイムロル「そうですね。では、これについては私から説明しましょうか」
巧「お願いしますー」
ゲイムロル「神界とは地上に存在する神話を具現化した場所と言えるでしょう。つまり、あなた方が知っている神もおられれば、知らない神もおられる。そんな場所です」
巧「ふむふむ」
ゲイムロル「それぞれの神々はそれぞれの神話に則った世界を創り、主にそこで生活されています。世界と世界は門によって繋がっています。そうですね……例えるのであれば、転移門が設置された並行世界のようなものでしょうか。直接接しているということはないですが、近くにはある。それが神界なのです」
巧「なるほど。色々と複雑なところなんですねえ」
Q戦士訓練生ってどうなっているの?
巧「これは前々から思ってたんですよね。戦士訓練生が戦士になる条件とか、一番の実力を持っているとかどうやって知るんでしょ?」
ゲイムロル「すべて模擬戦の結果ですね。毎日何回もの模擬戦を行い、その成績によって順位が変動します。実力重視ということもあり、どうしても戦闘の様子ですべてを決めざるを得ません」
巧「と、なると強い人が有利なんですか?」
ゲイムロル「いえ、あながちそうとも言えません。内容次第では変動はあまりなかったり、逆に大幅に下がったりということもあり得るのです。結果と過程。どちらも加味して考えるということですね」
巧「なるほど。じゃあ頑張って食い下がれば、順位が急に下がるっていうこともないんですね?」
ゲイムロル「そういうことです。そういった粘り強さは戦場でも重要となります。それはそれで評価すべきものなのですよ」
巧「ほうほう、ところで戦士になるにはどうすれば?」
ゲイムロル「そうでしたね。こちらがつけているランキングで、上位2桁までの訓練生が選ばれます。選ばれた訓練生が戦士と戦い、認められた者だけが戦士となれるのです」
巧「つまりは勝てなくてもいい、と?」
ゲイムロル「その通りです。そもそも、戦士たちは怪物との戦いで経験値が違い過ぎます。そうそう勝てるものではないでしょう。光るものを見せてくれれば、それで合格となるのです」
巧「簡単なようで、結構難しめな条件なんですねえ………」
ゲイムロル「結局は戦士のさじ加減次第ですからね。最も難しいのはこの関門と言われています。行われたとしても、合格するのはほんの数人程度なのですよ」
巧「うへえ、大変だあ………」
Q魔道具の作成ってどんな感じ?
ゲイムロル「これに関しては私は門外漢ですね。あなたに任せましょう」
巧「はーい。じゃあ、説明してきましょー。魔道具の作成方法はいくつか種類があって、主に魔法陣式、組み込み式、術式式があります。他にも方法はあるんですが、これは亜流なので今は割愛しますね」
ゲイムロル「具体的にはどう違うのです?」
巧「そうですね、それぞれ説明していきましょうか。
まず、魔法陣式。最も簡単な作成方法と言われています。どれだけの効果を発揮してほしいのかを想像して、対応する魔法陣を描きます。もしくは、直接刻むことも可能です。それだけで魔法陣式は完成です!」
ゲイムロル「手軽なものですね」
巧「まあ、最も簡易的なものですし。消耗品を作るのであれば、これが一番合っていると言われていますね。問題点としては、歪みなく書かなくちゃいけないこと。複数書く際は配置に注意すること。組み立て後に魔法陣が歪まないようにすること。魔法陣が何らかの形で維持できなくなると、魔道具としての機能を失うことなどが挙げられます」
ゲイムロル「なるほど。簡易的な分、制約も多いのですね」
巧「そういうことです。ただ、慣れると色んなことができるのも特徴ではありますよ。
お次は組み込み式。魔石を道具の中に組み込んで、思い通りの魔法効果を引き出すものです。手順としては道具を作る途中に魔石を組み込み、発動できるように魔力が通る回路を引くことでできます」
ゲイムロル「おや、組み込むだけでは駄目なのですか?」
巧「それだとただの道具になってしまうので。回路を引く必要があります。とはいえ、後に説明する術式式よりは難しくないですし。慣れれば、これが一番楽に作れる方法かもしれませんね」
ゲイムロル「そうなのですか?」
巧「はい。この方法の最大のメリットはイメージをしなくてもいい、というところに尽きます。素材と回路。その二つさえしっかりと揃っていれば、魔道具になりますから」
ゲイムロル「ふむ……確かに、常時頭を回転させなければならない魔法陣式よりは楽そうですね」
巧「ですね。こちらのデメリットは魔石が必要なこと。魔法陣式と比べると難しいこと。魔石が破壊されると効果を発揮しなくなること。加えて、魔石の大きさを考慮して作らなければいけないことが挙げられますね」
ゲイムロル「やはりデメリットもあるのですね。では、最後のものは?」
巧「最後に紹介するのは術式式です。これは道具に直接術式を刻み込んでいくことによって、道具を魔道具化するものです。当然、前に説明したものよりも難易度は飛躍的に上がります」
ゲイムロル「ですが、あるということはデメリットばかりではないのですね?」
巧「はい。この方法で作るメリットは前者二つと比べて、なかなか破壊しにくいということにあります。術式は道具に染み込んでいくので、道具その物を直接破壊しないことには効果が失われません。また、嵩張らないため携帯系の魔道具にはもってこいの方法となっています」
ゲイムロル「作りたいものと量によって使い分けろ、ということですか」
巧「そういうことになりますね。術式式のデメリットはその難易度。術式を暗記することに加えて、法則性も覚えなくてはいけないので、英語と数学を一緒にやってる気分になっちゃいます。それ以外には特に見当たりませんが、そのデメリットが恐ろしいまでの難易度なので難関となっていますね」
Q魔道具のランク分けってどうなってるの?
巧「これも僕の範囲ですかね。後々詳しく説明しますけど、魔道具、魔導具、魔法具、神器、宝具の5段階がありますね。人が作れる物の中では最高峰の物が神器と言われています」
ゲイムロル「魔道具は科学の力で実現できるものを魔法で再現したもの、と言えばいいでしょうか。現代人からすれば、あまり物珍しいものではないでしょう。凄まじいと言えるようになるのは、魔法具からでしょうね」
巧「魔導具は魔道具を改良して、より神秘に近付いたものと言われてます。とはいえ、地球で言うなれば頑張れば再現できるレベル。レールガンや攻撃用レーザーなどのようなものと言えば想像しやすいでしょうね」
ゲイムロル「魔法具は物理法則すらも変えるような代物です。重力を操ったり、引力を消したりなどというものが含まれます。ここまで来ると、恐ろしいとも言えるでしょう」
巧「神器は神様たちが使う道具、宝具を人間が使えるレベルまで落とし込んだもの。当然その効果はお墨付きだし、量産型宝具と言えるだけあって神様たちも欲しがる代物なんですよね」
ゲイムロル「その代わり、作れる者は少ないですね。神器はともかく、魔法具ですら世界で作れる者は一人程度でしょう。ほとんどの者は魔道具の壁を突破できず、寿命が尽きてしまいます」
巧「作れる人は十分な才能を持っている、ってことなんですねえ」
Q魔法陣式、術式式についてもっと詳しく
巧「待ちに待った読者さんからの質問が来たので、この場にてお答えしますー」
ゲイムロル「おや、おめでとうございます」
巧「でも、これ99割作者の問題なんですよねえ」
ゲイムロル「……99%ではなく………?」
巧「あ………」
ゲイムロル「ま、まあいいでしょう」
巧「いいんだ………」
ゲイムロル「早く説明した方がいいのでは?」
巧「それもそうですね。これの元々の質問は1章5話にて、僕が魔法陣式の水道を作ろうとしたシーンで湧いた疑問だそうです」
ゲイムロル「質問では何と?」
巧「魔法陣式では魔力を込めていないのに調整できるのか?魔法陣を描くのであれば、極端な話魔法をイメージできさえすれば魔法陣は描けるのではないか?だとすると、魔法陣ってただの落書きみたいなものじゃね?とのことです」
ゲイムロル「で、実際のところは?」
巧「作者の説明不足です」
ゲイムロル「そうですか………」
巧「では、まず最初の質問から。調整はできます。といっても、魔法陣は同じものを描きます。問題は魔法陣を描くときのイメージです」
ゲイムロル「先ほど言っていたことですか?」
巧「そうですね。例えばの話ですけど、火を点けるといっても色々ありますよね?ある人は火花みたいなので十分かもしれませんし、ある人はライターやマッチを思い浮かべるかもしれない。凄い人ともなれば、太陽をイメージするかもしれませんね」
ゲイムロル「つまり?」
巧「魔法陣を描く際に、どんなイメージをしているかで効果が変わります。火花を思い浮かべた人は火花が飛び出すだけ。ライターやマッチを思い浮かべた人はライターやマッチの火が。太陽を思い浮かべた人は魔法陣が一瞬で燃え尽きます」
ゲイムロル「おや?そこは太陽級の熱が放出されるのでは?」
巧「いやいや、よくよく考えてみてくださいよ。太陽の近くなんて行けば、大抵のものはすぐ蒸発しますって」
ゲイムロル「……それもそうですね」
巧「それに、要因は他にもありますよ。太陽を正しく思い浮かべられる人なんてどれだけいますか?直接見たわけでも、行ったわけでもないのに」
ゲイムロル「む…………」
巧「それに、魔道具の方が保ちませんよ。オーバーヒート起こして爆発がいいとこです。風船で空飛びたいから、小さな風船一つにヘリウムガスを入れまくろうとするようなもんです。素直に気球でも使えて話ですよ」
ゲイムロル「……なんだかよくわかりませんが?」
巧「つまり、威力が高い、効果が強い魔法陣を作りたいなら、より頑丈なものに刻まなきゃいけないんですよ。紙よりも金属、みたいな感じで」
ゲイムロル「それなら調整しなくてもいいのでは?」
巧「いや、強くするのにはそりゃ限度はありますよ?けど、弱くする分には限度がないってわけです」
ゲイムロル「……めんどくさいですね」
巧「だから作る人が少ないんですよ」
ゲイムロル「そうですか」
巧「ちなみに、使う際は魔力を流そうとすれば勝手に魔道具が魔力を使います。例えるなら……全自動洗濯機に近いかな?洗濯機が魔道具、洗剤が魔力、そして使おうとしている人が使用者の意思。文にするとこうですね」
1.洗濯機の電源を入れて操作(魔道具を使おうとする。準備が必要な際は使用するために必要な手順を踏む)
2.洗濯機が必要なだけの洗剤を投下(魔道具が使用者から魔力を必要量貰う)
3.洗濯開始(効果発動)
巧「と、まあこんな感じです。魔道具の電源を切るのも、魔力を送ることを止めようとすれば止まります」
ゲイムロル「……これでわかるのでしょうか?」
巧「わかってほしい、なあ………」
ゲイムロル「次の質問は?」
巧「これは纏めていっちゃいますね。結論から言うと、魔法陣は決まったルールがあります。火を出すための魔法陣であれば、火を出すための魔法陣が。水を出すための魔法陣なら、水を出すための魔法陣があります。イメージはあくまで効果量しか左右できませんからね」
ゲイムロル「ふむ、ではどんな効果を発動する魔法陣を覚えた上で、効果量をイメージしつつ魔法陣を描かなくてはいけないと?」
巧「そういうわけです」
ゲイムロル「……大変じゃありません?」
巧「……だから作る人少ないし、魔道具の性能ピンキリなんですよ………」
ゲイムロル「……あー」
巧「で、当然神器作成者も数は少なくなるわけで」
ゲイムロル「納得ですね………」
巧「まあ数は少ないですし、辞書の真似して描くだけでいいし、その気になれば低コストでいくらでも作れるんで一番簡単とされてます。曖昧なイメージでも発動するには発動しますし」
ゲイムロル「それならいいではないですか」
巧「曖昧にすると暴発するリスクが高いですけどね」
ゲイムロル「ええ………?」
巧「術式式も魔法陣式と理論は同じです。イメージで効果量が変わる……んですが」
ゲイムロル「ですが?」
巧「こちらは魔法陣式ほど明確にイメージの差は出ないです。きちんと法則に従って、術式文字を間違えなければ、一定のものはできるんですよ」
ゲイムロル「術式式の方がいいように聞こえますが?」
巧「ゲイムロルさん?」
ゲイムロル「なんですか?」
巧「電子辞書があったとしても、正しい英語が書けるとは限りませんよね?」
ゲイムロル「まあ、そうですね………」
巧「つまり、そういうことなんです………」
巧「さて、今回はここでお開きです。疑問は解決したでしょうか?」
ゲイムロル「そうだといいのですが。次は2章終了後にまた開くようですね」
巧「次は誰が来るんでしょうねえ。またゲイムロルさんだったりして?」
ゲイムロル「それはそれで構いませんよ?あなたは放っておけないところがありますからね」
巧「それはそれで落ち込みそうですねえ……まあ、評価を変えられるように頑張ります」
ゲイムロル「そうするといいでしょう。それでは、また物語の中で」
巧「これからも応援よろしくお願いします!じゃあねー!」
次回から新章に入ります。ようやく異世界に入るので、待っていた方はお楽しみに。




