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1話

 唐突にだが、皆さんは異世界召喚、と聞かれて何を思い付くだろうか?


 異世界に行って、ハーレムを作る。うん、王道だ。チートを貰って無双する。これも平々凡々。ありがちだねえ。でも、だから面白い。

 あるいは、誰かの召喚に巻き込まれた。最近はそんなのも聞くようになった。これもまた、チートを持った状態で。うんうん、いいよね。そういうの。日陰者から、一気に人気者へ!素晴らしいじゃない。

 あとは……そうだな。少なくはあるけど、復讐物。周囲の人たちに裏切られて、段々と強くなっていくやつ。あれは見ていて痛々しいけど……読者の心を掴む、って意味ではいいものなのかな?


 まあ、転生だの何だの含めると、その種類は多岐にわたる。今ではのほほーん、としたまったり生活を書くだけでも売れてるから。まあ、御託は置いておくとしようか。

 さて、なんでこんなことを聞いたのか、ってことさ。いきなり聞かれたみんなからすれば、クエスチョンマークを浮かべたり、何言ってんだこいつ?って思ったりしても仕方がない。その理由は、というと………


 「チート能力ください」

 「無理だ」


 僕の異世界召喚は無理難題から始まったからなんだ。


※               ※               ※

 万巧。それが僕の名前。いや、変な名前だってわかっているよ?漢字二文字で表現できる人なんてそうそういないし。ちなみに、これでよろずたくみと読む。親しい人はたっきーだの、たっくんだの呼んでる。まあ、それはさておき。


 身長は低い方。男だというのに、150に届かないのです。前に測ったときは148㎝?だったかな?とにかく、ちびっこい方だね。クラスで一番に小さいよ。だと言うのに、今年で高校卒業だからね。背が伸びることを期待するのは絶望的だなあ。

 太ってはいないし、ガリガリなわけでもない。至って普通な……ごめん、嘘。細マッチョです。腕の筋肉は結構ついてるし、この前は一人でテントの鉄骨を軽々と運べたし。足もそこそこ鍛えられてるかな。まあ、筋肉はついてる程度に考えてくれればいいよ。

 顔は……整ってはいる方かな。童顔っぽいとはよく言われる。あと、中性的とも。目は垂れ目で、鼻は低め。前髪が長いから、目にかかってるのがちょっと気になる。1年同じクラスなら、誰かから告白されるかな?程度にはいい顔だと自分でも思ってる。現に、告白を受けたことも何回かはあるしね。初対面だと、よく女だと誤解されることの方が多いけど。


 で、その僕なのだけど……高校からの帰宅途中にいきなり光に包まれた。今流行りの異世界召喚なのかな?とちょっと期待した。そりゃ男ですもん。しちゃうでしょうよ。心残りはあるけどさ。


 でも。だ、け、ど、さ!


 「魔物がいる世界で何も貰えないって、なんてハードモードなんだよ!」


 僕は絶叫していた。いや、そりゃそうでしょ。僕は人並みの筋力と運動能力しかないんだし。剣を振ったことはなく、銃だって撃ったことはない。戦いなんか自慢じゃないけど、一回たりとも経験したことはない。ごく普通の、ありふれた日本人なんだからね!もうやけくそでテンションおかしくなってきてるね!でも、仕方ないと思うんだよ!

 どこに何があって、何がいるとも知れない場所に、何もなしで行けって言われて、「うわー!やったー!楽しみー!」ってなる人、どんぐらいいるよ!?いないでしょ!?誰だって死にたくはないもん!それが無意味なものなら尚更!


 「申し訳ないとは思っているのだ。だが、自重しない他の神々がバンバンと渡したせいで、能力がなくなっていてな………」

 「他のやつらのせいか!少しは考えようよ!」

 「加えて、最高神からは渡すことを禁じられるようになってしまったのだ」

 「そりゃあね!セール感覚でなくしもしたら、誰だって怒るだろうね!」


 目の前で頭を下げる、神様らしき人(?)。こっちはテンプレっぽいおじいさんだった。柔和な表情に、長く伸びた白いひげ。髪も白くて、長めだった。まるで賢者のような様子と言えばわかりやすいかなあ。まあ、人間っぽくないのはわかった。


 「だが、一つだけ方法はある。私とて何もなしに異世界に行け、と言うわけでもない」

 「へー、何があるの?」


 絶望的状況で行けと言われるのかって思ったけど、そうでもないらしい。ちょっとだけ安心したよ。


 「うむ。それはこういうことじゃな」


 次の瞬間、僕の意識は暗転していた。

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