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17話

昨日投稿してなかったので、もう1話投稿します。

 「ようやく完成!したよ!」


 データを取り、ロメリアさんに確認し、滞っていた武器の確認までして。すべてがOKと確認できたので、両手を挙げて喜んだ。勿論、ロメリアさんやルクレースさんも喜んでいたけど。

 ティオの手を取ったり、クルクル舞ったりしてはしゃぐ。ようやく念願の巨大ロボットを造れたんだ……自分の手で一から。置物じゃないロボットを造れたんだ。嬉しさはすぐに収まるものじゃない。


 「……なあ、タクミのやつ大丈夫なのか?」

 『……マスターはほとんど徹夜明けですから。最近は睡眠時間を削りに削って、あの機械を造って来たのです』

 「簡潔に言うと?」

 『徹夜テンションでおかしくなっているのかと』


 外野で何か話しているようだけど、気にしない気にしない。今の気分は最高だからね。全部やり切って、清々しい気分だよ。友人のように例えるなら、積みゲーを消化し切ったときのような気分だね。本当に、完成させることができてよかった!

 やり切った達成感と喜びとの後に襲ってくるのは、溜まりに溜まった眠気だった。今までは我慢する必要があったけど、今は………


 「おい、タクミ!?」


 誰かに抱き止められたかのような気もしたが、瞼はとても重く。閉じたまま開くことができなくなってしまった。水の中へと沈んでいくような感覚と共に、意識は遠くなっていった。


 「タクミ!?おい、タクミ!どうしたんだよ!?」

 『寝不足でしょう。しばらくゆっくりと眠らせておくことを勧めます。マスターは限界まで無理をしていたでしょうから』


※               ※               ※

 「ん………?」


 目が覚めると、そこは見知った部屋……ではあるのだけど。どこか違和感のあるような。何がおかしいんだろ?

 まだ覚醒し切っていない頭で部屋を見回す。違和感を感じた理由、それは室内を見ればわかることであった。


 「ここって………」

 「あ、目が覚めたか!よかった」


 無邪気に笑うのはアマゾネスの少女。僕はティオの部屋にいたのである。部屋では甘い匂いが香り、家具や布団も可愛らしいもので統一されている。まさに女の子の部屋、という感じであった。

 とはいえ、ティオ相手なら納得である。口調こそ勝気な女の子ではあるが、彼女は乙女と言っていいほどに純情であるからだ。正直、ぬいぐるみの一つや二つが飾られていないのが不思議なくらいである。あ、でも花は活けられてるか。そこは予想通りかも。


 「えーと、何があったんだっけ?」

 「ろぼっと、とやらを完成させた後、寝不足でぶっ倒れたんだよ。間に合ったからよかったけど、あのまま倒れてたら大怪我だったぞ?」


 ティオの心配そうな顔を見るに、冗談というわけでもなさそうだ。迷惑を掛けてしまったかな、と思いつつ、18年間まるで改善の見られない自分の性格に笑ってしまう。困ったものだ。

 とりあえず、助けてくれた彼女に頭を下げる。


 「ありがとう、助かったよ」

 「い、いや、別にいいんだけどさ!……なんか、こうしてると恋人っぽい気もするし………」

 「ティオ?」

 「な、なんでもない!それよりも、腹減ってないか!?いくらか持ってきたんだ!」


 視線を移せば、スープやおにぎりといった料理が机の上に並んでいる。ラップが掛けられているところを見ると、それなりに時間は経っているだろう。なんだか申し訳なくなるね。


 「ごめんね、面倒見てもらっちゃって」

 「いいっていいって!好きでやってることだしさ!」


 顔を赤くしているし、褒められることに慣れてないのかな?今までの話を纏めると、アマゾネスは他の種族からよくは思われてないみたいだし(特に異性からすれば)、十分にあり得る話だよね。……なんだか不憫だ。アマゾネスたちだって、好きでアマゾネスしか生まないという特性を得たわけでもないだろうに。

 ほんの少しだけでも貰ったものを返せるように、僕はティオへと手を伸ばす。困惑した様子の彼女を無視して、頭に手を乗せた。


 「ありがとね。本当に」


 そのまま優しく頭を撫でると、頬が赤みを帯びているなんてものではなく。もはや、ゆでダコのように真っ赤になってしまった。あらら、やり過ぎちゃったか。

 でも、嫌がる様子もないし、しばらくはこのままでもいいかな?褒めるだけならタダだし、むしろティオが得する結果だろうし。それに、彼女に感謝しているのも事実だ。気持ちを行動にする方が大切だと思ってる。ま、爺ちゃんの受け売りではあるのだけど。


 「あ、それとね」

 「……ふぇ?」

 「独り言ならもう少し音量を抑えた方がいいかもね。耳がいい人には気付かれるよ?」


 指しているのはつい先ほどのこと。ええ、バッチリ聞こえてましたとも。作業してないときは地獄耳とか言われるぐらいだからね。その独り言にしたって可愛いものだから、咎めるつもりはないのだけど。次に独り言を言う相手が僕だとは限らない。もし相手が僕以外の人族であった場合、聞こえていたら厄介事に発展する可能性もあるから、無視するわけにもいかなかったのだ。

 ……ただ、聞かれているとは思っていなかった彼女は、それはもうひどく狼狽したわけで。


 「う、うわああああああああああああ!」

 「お、落ち着いて、ティオ!別に気にしてないから!いや、気にしてないって言っても、まったく興味がないとかそういうわけじゃなくて………」

 「うわあああああ!いっそのこと殺してくれえええええええ!」


 それから宥めるのに、かなりの時間を要することとなった。うん、注意するとしても時と場合をしっかり見極めてからと胸に刻むことにした。

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