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ユニークスキル:万物生命召喚  作者: ヤオロシヤロシ


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第2話 7柱の神々

新しい人生を歩むことになった主人公。

その前に待っていたのは、7柱の神々との出会いだった。

彼はどんな願いを伝え、どんな世界へ旅立つのか。

ぜひ最後までお楽しみください!

「……ここは?」

目を開けると、そこには見たこともない景色が広がっていた。

真っ白な床。どこまでも続いているような空間。そして、周囲を柔らかな光が包み込んでいる。

僕はゆっくりと身体を起こした。

「僕……死んだんじゃ……?」

確かに覚えている。

病室で突然苦しくなって、看護師さんを呼んで、それから……。

「ええ。あなたは亡くなりました」

突然、女性の声が聞こえた。

振り返ると、そこには美しい女性が立っていた。

長い髪は淡い金色に輝き、白を基調とした衣装を身にまとっている。彼女の周囲には、優しい光が漂っていた。

「だ、誰ですか……?」

「私は生命神エルメシアです。あなたの魂を見つけ、この天界へ連れてきた者です」

「か、神様……!?」

思わず声が裏返った。

神様?

目の前にいるこの人が、本当に神様だというのか。

「驚くのも無理はありませんね」

エルメシア様は優しく微笑んだ。

「あなたは前世で、とても苦しい人生を送っていました。それでも最後まで前向きに生きようとしていた。私は、そんなあなたにもう1度人生を歩んでほしいと思ったのです」

「もう1度……人生を?」

「はい。別の世界で、新しい人生を始めてみませんか?」

その言葉を聞いて、僕はすぐに返事ができなかった。

もう1度、生きられる。

それは、ずっと願っていたことだった。

「でも……そんなことができるんですか?」

「私1人で決められることではありません。ほかの神々にも会っていただきます」

「えっ? ほかにも神様がいるんですか?」

「ええ。私を含めて7柱の神々がいます」

「ほ、ほかにも6人もいるんですか!?」

僕は思わず目を丸くした。

神様が1人いるだけでも驚きなのに、ほかにも6人いるなんて。

「ふふっ。さあ、こちらへ」

エルメシア様に案内され、僕は白い空間の奥へと歩いていった。

やがて、大きな扉が見えてきた。

エルメシア様が扉に手をかざすと、ゆっくりと開いていく。

その先には、巨大な神殿のような場所が広がっていた。

そして、その中央には6人の男女が座っていた。

全員が人間とは思えないほどの存在感を放っている。

「エルメシア、戻ったか」

中央に座る男性が口を開いた。

「はい。創造神様。こちらが、先ほどお話しした魂です」

エルメシア様が僕の隣に立ち、神々の方へ向き直った。

「そうか。お前がか」

創造神様は僕をじっと見つめた。

「はい。この子に、もう1度新しい人生を歩ませてあげたいのです」

「なるほどな。では、まずは皆に紹介しておこう」

創造神様がそう言うと、エルメシア様が順番に神々を紹介してくれた。

世界を創り、管理する創造神アルセリオン様。

生命を司り、命の誕生や成長を見守る生命神エルメシア

森や海、山など自然を司る自然神フェルディオ様。

戦いや力を司る武神ヴァルド様。

魔法や魔力を司る魔法神ミレイア様。

時間と空間を司る時空神クロノス様。

そして、運命を司る運命神セレスティア様。

「こ、こんにちは……」

僕は緊張しながら頭を下げた。

「ふむ。ずいぶんと若い魂だな」

武神ヴァルド様が僕を見て言った。


「それもそうでしょう。彼は18歳で命を落としたのですから」

エルメシア様が答える。

「なるほどな……」

「それで、エルメシア。今日は何のためにこの魂を連れてきた?」

創造神様が尋ねた。

「この子に、もう1度人生を与えてあげたいのです」

その言葉に、神々の視線が僕へと集まった。

「もう1度人生を、か」

自然神フェルディオ様が顎に手を当てる。

「確かに、あの人生は気の毒だったな」

「ええ。生まれたときから病と向き合い、自由に外を歩くことすらできなかったのです」

エルメシア様の声には、悲しみが込められていた。

しかし、そのとき。

「待ちなさい」

冷静な女性の声が響いた。

運命神セレスティア様だった。

「私は反対です」

神殿の空気が少しだけ変わった。

「セレスティア、理由を聞かせてもらおう」

創造神様が尋ねた。

「彼の人生は、ただ運が悪かった。それだけのことです。誰にでも不運な運命はあります。それをいちいち覆していては、運命そのものが成り立たなくなるでしょう」

「ですが……!」

エルメシア様が言い返そうとする。

「エルメシア、あなたは優しすぎる。気持ちは分かりますが、神がすべての不幸を救うことはできません」

運命神セレスティア様は僕を見つめた。

「あなたの人生が不幸だったことは認めます。しかし、それはあなたに与えられた運命だったのです」

僕は何も言えなかった。

自分の人生を、神様たちが話し合っている。

それだけでも不思議な気分だった。

「まあまあ、そう固いことを言うなよ」

武神ヴァルド様が口を開いた。

「かわいそうじゃないか。助けてやれよ。俺たちは神なんだからな」

「そうですね。もう1度くらい、機会を与えてもよいのでは?」

魔法神ミレイア様も賛成する。

「この子は、最後まで外の世界を見たいと願っていたのでしょう?」

自然神フェルディオ様が僕に視線を向けた。

「それなら、願いを叶えてやりたいものだ」

時空神クロノス様も静かにうなずく。

「新たな世界で、新たな時間を歩ませる。それならば、問題は少ないでしょう」

「皆さん……」

エルメシア様の表情が明るくなった。

しかし、運命神セレスティア様だけは納得していない様子だった。

「……本当に、それでよいのですか?」

「セレスティア。最終的に決めるのは私だ」

創造神様が立ち上がった。

「彼に新たな人生を与えよう」

その言葉を聞いた瞬間、エルメシア様が嬉しそうに微笑んだ。

「ありがとうございます、創造神様!」

「ただし、新たな世界でどう生きるかは彼自身が決めることだ。神がその人生をすべて保証するわけではない」

「はい」

創造神様は僕に視線を向けた。

「さて、お前には新たな世界で生きてもらうことになる。そこで、1つ聞きたい。新たな人生を始めるにあたり、お前には特別なスキルを1つ授けよう。どのような力を望む?」

「スキル……?」

聞き慣れない言葉に、僕は首を傾げた。

「新たな世界には魔物や危険な生物も存在する。自分の身を守るための力でもよい。生活に役立つ力でもよい。望みがあれば申してみよ」

僕は少し考えた。

強くなりたい。

魔法を使ってみたい。

空を飛んでみたい。

いろいろな願いが頭に浮かんだ。

けれど、僕が本当に望んでいたことは別にあった。

「僕は……仲間を作れるような強い力が欲しいです。」

「仲間を作りたい?」

創造神様が聞き返した。

「はい。前の人生では病院で過ごす時間がほとんどでした。だから今度は、いろんな場所へ行って、一緒に冒険できる仲間を作りたいんです」

僕は少しだけ視線を落とした。

「でも……僕、強くなれるか分からないんです」

「ほう?」

「この世界には魔物もいるんですよね? もし僕が弱すぎたら、誰も仲間になってくれないんじゃないかって……。一緒に冒険したいと思ってもらえるような人間になれるのか、不安なんです」

創造神様は静かに僕の話を聞いていた。

やがて、深くうなずく。

「なるほど……」

神々も、それぞれ考え込むような表情を浮かべていた。

「仲間を作るための力、か」

「それならば、特別な力が必要でしょうね」

魔法神ミレイア様が言った。

「うむ、分かった。お前の望みに合う力を授けよう」

「ありがとうございます!」

僕は嬉しくなって頭を下げた。

そのやり取りを聞いていた運命神セレスティア様が、再び口を開いた。

「……創造神様。そこまで与える必要があるのでしょうか」

「何か問題でも?」

「彼の運命に干渉するだけでなく、特別な力まで与えることになるのです」

「彼が望んだ力だ。それに、危険な世界で生きていくためには必要だろう」

「……分かりました」

運命神セレスティア様はそれ以上何も言わなかった。

「そして、もう1つ贈り物を授けよう」

創造神様が手をかざすと、神殿の中央に小さな立方体が現れた。

それは手のひらに収まるほどの大きさで、表面には見たことのない文字や模様が刻まれている。淡い光を放ち、ゆっくりと宙に浮かんでいた。

「これは《オラクル・キューブ》だ」

「オラクル・キューブ……?」

「お前が新たな世界で得るスキルについて、説明してくれる特別な道具だ。使い方や能力について分からないことがあれば、これに尋ねるとよい」

「そんな便利なものがあるんですか!」

「ああ。ただし、すべての答えを知っているわけではない。分からぬこともあるだろう」

立方体はゆっくりと僕の前までやってきた。

僕が手を伸ばすと、手のひらにふわりと収まった。

「大切にします!」

「うむ」

創造神様が満足そうにうなずいた。

「それから、新たな世界で生きるにあたり、お前には新しい名が必要だな」

創造神様は僕を見つめた。

「お前の名は、レオンだ」

「レオン……」

「そうだ。これからは、その名で生きていくがよい」

「はい! ありがとうございます!」

「最後に、お前が新たな世界で生きていくために必要な知識を与えよう。言葉や文化、常識など、その世界についての情報だ」

創造神様が手をかざすと、光の球が現れた。

「これを受け取るがよい」

光の球はゆっくりと僕の胸元へ近づいてくる。

「えっ、これが……?」

次の瞬間、光の球が僕の身体に吸い込まれた。

「うわっ!?」

頭の中に、膨大な情報が流れ込んでくる。

見たことのない文字。知らない土地の景色。人々の暮らしや文化。そして、僕がこれから生きていく世界の知識。

あまりの情報量に、思わず頭を押さえた。

「大丈夫ですか?」

エルメシア様が心配そうに声をかける。

「は、はい……。なんとか」

「すべてを今すぐ理解する必要はない。必要になったとき、自然と思い出せるようになっている」

創造神様が説明してくれた。

「ありがとうございます」

「では、そろそろ行くとしよう」

創造神様がそう告げると、僕の足元に大きな魔法陣が浮かび上がった。

「レオン。新しい人生を楽しんでくださいね」

エルメシア様が優しく微笑む。

「はい! 本当にありがとうございました!」

僕は神々に向かって深く頭を下げた。

「新たな世界で、よい人生を」

その声を最後に、僕の身体は光に包まれた。


⸻


目を開けると、そこは森の中だった。


「……ん?」

周囲を見渡す。

高く伸びた木々。葉の隙間から差し込む太陽の光。鳥のさえずり。頬を撫でる心地よい風。

病室では決して感じることのできなかった、自然の空気だった。

「ここが……新しい世界か」


創造神様から与えられた知識のおかげで、この世界についての基本的なことは分かっている。

魔物が存在し、魔法があり、さまざまな種族が暮らしている世界。

これから僕が生きていく場所だ。

僕はゆっくりと身体を起こした。

そして、自分の手を見つめる。

以前の自分とは違う、健康そうな身体。

胸に手を当てると、心臓が力強く動いているのが分かった。

ドクン、ドクン。

「本当に……生きてるんだ」

その音を聞いた瞬間、胸の奥から熱いものが込み上げてきた。

僕は地面に手をつき、ゆっくりと立ち上がった。

足が震える。

それでも、倒れない。

「立てた……!」

たったそれだけのことなのに、涙が出そうになった。

僕は1歩、足を前に出す。

そして、もう1歩。

「歩ける……!」

生まれて初めて、自分の足で自由に歩いている。

誰かに支えてもらう必要もない。

ベッドから降りることを心配する必要もない。

僕は何度も足を動かした。

「すごい……! 本当に歩けるんだ!」

森の中に、僕の声が響いた。

しばらく歩いた後、ようやく落ち着きを取り戻す。

「そういえば……神様から何かもらったんだったよな」

僕は手のひらを開いた。

そこには、あの小さな立方体があった。

「これが《オラクル・キューブ》か……」

表面に刻まれた模様が、淡く光り始める。

すると、立方体の上に半透明の文字が浮かび上がった。

《所有者:レオン》

《オラクル・キューブ:起動》

「おおっ!?」

さらに文字が続く。

《所有者の保有スキルを確認しました》

《ユニークスキル:万物生命召喚》

「ユニークスキル……万物生命召喚?」

聞いたことのない言葉だった。

「えっと……これは、どういう力なんだ?」

僕が立方体に尋ねると、表面の模様が一瞬強く輝いた。

《万物生命召喚》

《生命を持つ存在を召喚することができる特殊能力です》

「生命を持つ存在を召喚……?」 


《召喚された存在は、それぞれ独立した意思と感情を持ちます》

《召喚者に忠誠を誓っていますが操り人形ではありません》

「意思や感情があるんだ……!」

《召喚可能な存在や能力は、所有者の成長に応じて解放されます》

「成長すると、もっといろんな仲間を呼べるようになるってことか!」

僕は立方体をじっと見つめた。

「……ん?」

そこで、ようやく大事なことに気がついた。

「いや、ちょっと待って」

僕はオラクル・キューブを持ち上げた。

「僕、物理的に仲間を作るって意味で言ったんじゃなかったんだけどなー!」

森の中に、僕の声が響いた。

もちろん、神様たちに届くはずもない。

「でも……生命を持つ存在を召喚できるなんて、すごい力じゃないか!」

僕はオラクル・キューブを見つめながら、自然と笑みを浮かべた。

召喚した存在には、自分の意思や感情がある。

つまり、ただ命令に従うだけの存在ではないということだ。

「どんな仲間と出会えるんだろう……!」

これからのことを考えると、胸が弾んだ。

前の人生では叶えられなかった夢。

自分の足で歩き、いろいろな場所へ行き、仲間と一緒に冒険すること。

その夢に、ようやく手が届くかもしれない。

「……まあ、せっかく授かった力だし」

僕はオラクル・キューブを握り直した。

「よし、一回試してみるか」

第2話を読んでいただき、ありがとうございます!

今回は、主人公が新しい人生へ進むための大切な出会いを描きました。

これからどんな物語が始まるのか、楽しみにしていただけたら嬉しいです。

次回もよろしくお願いします!

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